あぱかば・ブログ篇

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2017年 06月 21日

名古屋平成中村座、歌舞伎座六月大歌舞伎連続ツイート

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名城公園に建った芝居小屋




6月4日、名古屋平成中村座夜の部、義経千本桜、川連法眼館。何度も見た演目だが役者が変わるたび新鮮に驚く。扇雀の佐藤忠信は意外なかっこよさ。いつも女形で見ているので、颯爽とした登場に、本来の佐藤忠信らしさが出る。だが狐忠信は妙味あるもおばさんのような発声、あれは難役だなあ。(続

2)勘九郎義経は立っているだけでも気品と憂いのある名演。つまらない役者だと“義経”千本桜にならない。弁天娘女男白浪、注目の七之助の菊之助は……うーむ敢闘賞。見目はかなりパーフェクトだが男に戻った時に戻りきれてない……それではおもしろさが半減。あれは勘九郎がやるべき役では。(続

3)勘九郎なら女でもなかなか見栄よし、男に戻って凄むセリフを聞いてみたい。七之助は赤星のときが素晴らしかった。亀蔵南郷はワルの魅力出しきれず、七之助との絵的な釣り合いもいまいち。仇ゆめ、まるで知らない演目に不安大、でも勘九郎に泣かされるかもという期待も大。いかにも勘三郎好み。(続

4)期待通りの勘九郎、愛らしさと図々しさと憂愁を湛えて恋する狸に。七之助も面目躍如の艶、やっぱり兄弟は相性バッチリ。平成中村座らしい悪ノリ、芝居小屋ならではの大仕掛けな舞台、ずっと応援していきたい。今回は最高の席で、至近距離で見る七之助の美しさに仰天。2回、目が合ったぞ!ほんと!


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なんと花道のすぐ脇。
「勘三郎の目」が芝居小屋のあちこちに描かれている。



6月11日、歌舞伎座昼の部、名月八幡祭。松緑新助は、うーん敢闘賞。真面目さはよく出ているが芝居が一本調子になりすぎ?狂気へ進みきれず。ファムファタール美代吉は笑也の見目がかなりいい線。だが芝居が通り一遍で異常性を出しきれず。以前の雀右衛門では見目は少し落ちるも芝居が抜群だった(続

2)とことんクズな女の美代吉がこの話の見せ場だと思うが。誰かやってください。ただし魚惣は歌六よりも猿弥がはまっていた。浮世風呂、なんですかねこの踊りは……よくわからないが幕開けのシルエットはカッコいい。弁慶上使、あいかわらず変な話だ……変な話も吉右衛門で説得される。(続

3)一度だけ契った相手が弁慶と知ったときの雀右衛門のあのシーンは、なんともかとも。長々とムフフな音楽が続き、過去の一夜がよみがえっているらしいのだが、居心地が悪い……今後の課題という感じ。あのムフフタイムを乗り越えると、雀右衛門の新しい芝居になる気がする。(終わり
2017年 06月 07日

團菊祭五月大歌舞伎連続ツイート

ライターの仕事に加えて新しい仕事を始めてから、ブログを書く時間がとにかくない。
ほそぼそと記録をつけていく。


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5月5日、團菊祭歌舞伎座昼の部、石切梶原。新・彦三郎さん、おめでとうございます。真面目で見目のよい梶原。松緑がだいぶ持っていってたけど良し。吉野山、海老蔵の狐忠信はきっとああだろうという予想通り、ああだった。うん、まるっきり狐じゃなくて海老のまま…誰か彼に狐になれって教えて!(続

2)菊之助の静御前は10年以上前にも見たが、完璧な見栄え。あの時にはこの若さでこれほどやれるかと驚いたが、ちょっと伸び悩み気味?美貌は良し。魚屋宗五郎、待ってました菊五郎宗五郎。大好きです!菊之助がこの域に達するのは何十年先か。時蔵とのペアは毎度スゴイ!しかし、思いっきり(続

3)笑った後で泣かされる。妹の生きていたあの頃をふりかえるくだり。見事。女房時蔵の愛情深さにも打たれる。名作。ブラボー黙阿弥。そして寺嶋家ご長男さん、お見事なデビュー。余裕綽々の舞台度胸、笑顔が愛らしい上に大物感たっぷり。これは期待大!だがあの子の円熟期に、私はこの世にいない(続


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4)5月6日、続けて歌舞伎座夜の部。壽曽我対面。劇中襲名披露で喝采。襲名披露はいいなあ。しょっちゅう見る演目だけど菊五郎が颯爽としていてほとんどカッコいい。怪物ですかあの人は。伽羅先代萩、菊之助が政岡にチャレンジ。痛恨の飯炊きシーン全カットにはがっかりしたが、今回に限っては(続

5)カットでよかったかも。荷が重すぎる気が。なにしろ玉三郎のあの飯炊きが目の裏に残っているうちは難しすぎる。だが菊之助は予想以上の大健闘だった。政岡をやることの気迫がビリビリ。母親らしい情愛を玉三郎以上に感じさせ、別の政岡像が立ち上がる。海老蔵登場からはいきなり海老蔵ショーへ(続

6)この演目の面白さは前半女だらけ、後半男だらけとまるっきり変わること。海老蔵の仁木弾正はばっちり。はまるときは大ハマリする海老蔵。深みも因縁も何もない、ただナチュラルに悪いだけの奴。吉右衛門がやったときは、弾正の悪党ぶりに深い情念を感じさせ、最期は殺した千松と同じ場所、同じ(続

7)姿で果てるところに、この芝居の壮絶な因縁を覚えたものだが。そんなのは一切ナシ。ただもう底なしに悪い奴、それが海老蔵の弾正。おもしろい役者だ。扱いかねる男。浅草祭、松緑は踊りがうまいなあ〜。運動神経抜群なんだろう。亀蔵もいいのだけど、松緑の方が頑張りを感じない。つまりうまい(終


# by apakaba | 2017-06-07 18:14 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(0)
2017年 05月 28日

「アキタコマチ」の最後のディナーへ


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ウニとコンソメジュレ、にんじんのムース。次男作。
ウニを敬遠しがちな「コシヒカリ」もぺろぺろと平らげた


ご無沙汰でございます。
新しい仕事を始めてから、ブログを書く時間がぜんぜんなくなってしまった。
いろんなことがあるから書きたいけど、その気力と体力が残ってない〜。
せめて子供の話題だけでも。


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宮古直送のサクラマスは、片面だけを軽く焼く。
レンズ豆にはコリアンダーなどのエスニックな風味づけが似合う。



次男「アキタコマチ」はフランス料理のコックだが、勤め先のレストランが、諸般の事情により5月いっぱいで閉店することになった。
4月に告知が出ると、閉店を惜しむ常連のお客さんや、「興味はあったけど閉店するなら一度行ってみよう」という新規のお客さんがどんどん予約を入れてきて、ランチもディナーも殺人的な忙しさとなった。


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このお店のスペシャリテ、コンソメスープ。
他店ではまず口にすることはできないであろう味。


実は、閉店の今なのでカミングアウトすると、このレストランは掛け値無しのすばらしい料理を出すのだが、コックの数が異常に少なかった。
息子が就職した2年前の春には、シェフとスーシェフ(二番手シェフ)の二人の下、3人目として働き始めたが、スーシェフは1年もたたないうちに退職してしまった。
そのため、この1年以上、ずっとシェフと息子の二人きりで料理を作ってきた。
街のラーメン屋や洋食屋などの店に何人の料理人がいるかを考えたら、36席のフレンチレストランを二人で回すのがいかに過酷かは想像がつく。
たとえばホテルのレストランなどだったらパセリのみじん切りから始めていたはずのひよっこが、「オレが実質スーシェフとか!」


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アマダイ。腰を抜かすおいしさ。
うろこを逆立ててぱりぱりに焼き、身の方はやっと火が通るだけに仕立てる。
身の厚みに関わらず均一な(やっとの)火通し、神業だ。
ソースの濃さ、味わいの奥行き、採算度外視。


シェフは、まるで息子を育てるように、この2年間ですべての技を「アキタコマチ」に注いでくれた。
他のどこでも味わえないコンソメスープの作り方は、他の誰にも教えてこなかった。前のスーシェフにさえ。
まさに一子相伝の教育には、心から感謝している。
そして、新しい勤め先もしっかり用意してくださった。
こんどのお店は、私のお小遣いでは手が届かない、日本でも屈指のフレンチレストランだ。


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口直しのグラニテは、ルビーグレープフルーツ?
ここまででだいぶ飲んで、忘れてしまった。


ゆうべ、家族で最後のディナーへ行ってきた。
息子が作ったものを、コック姿の本人から直接説明を受けて食べるという機会も、もう最後かもしれない。
いつ来てもおいしかったが、ゆうべは特に、気迫のこもった調理場からのメッセージをダイレクトに受け取るような時間だった。


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乳飲み仔羊。
煮込み、コンフィ、ステーキの3種類の調理法で(ピエール・ガニェールか!)。
今流行りの、やたらと盛り付けがファンタスティックなレストランとは一線を画す質実剛健な料理。
このあとは、食べ物とは思えない香りを発するチーズと、ポートワイン。



小学生から高校生までの間は私が料理を教えたけれど、そのあとは、調理学校とバイト先の人気パブ、そして就職先のレストランで育ててもらった。
ありがたいこと。
すべての関係者に、お礼を言いたい。

5月いっぱいで閉店したら、7月から新しいレストランに移る。
6月は、ひとりであちこち海外旅行へ行くという。
幸あれ。
あ、長男の司法試験も終わってます。まあ受かるでしょう。
ということは……6月の我が家は、無職の男が二人か!
ありゃりゃあ〜〜〜〜。


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ぐるぐるとまわっているように見える人生も、実はちょっとずつ、進んでいる。



# by apakaba | 2017-05-28 12:47 | 子供 | Comments(0)
2017年 04月 09日

ピル服用後、絶不調

男性が読んでも、最初から最後まで何が何だかさっぱりわからない話。
でも情報共有のこの時代、健康や病気に関するブログには、私もとても助かっている。
今まさに苦しんでいる、生理とピルのことを書いておくことにした。

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ソウルで最後に食べたのは冷麺でした


「いたたたたた。今日もまだおっぱいが痛い……」
顔をしかめながら起き上がる毎日。
もう十日ほど、おっぱいが激しく痛い。

先月、ソウルへ行ってきた。
私は生理がとても重い。
生理痛もひどいが、それ以上に出血が多くて、ほとんど外出できない。
トイレの用が1時間ともたないので、楽しみにしていた飲み会もキャンセルするレベル。
履いていたズボンに次々と血がついて、1日のうちに3回取り替えたこともある。
ひどい日は夜中にシーツを剥がして血を洗ったりする。
ホテルや飛行機内でこんなことになったら大変だ。
ソウルに行く日程は、ばっちり生理の予定に当たっていた。

そのため、中用量ピルで生理を遅らせることにした。
これまでも、旅行の日程に当たるときはピルを飲んでずらしたことが何度かあるが、いずれも「次の生理を早める」方法をとってきた。
予定が前からわかっていれば、この方法は失敗が少なく、副作用も少ない。
しかし、今回のソウル行きは急に決めたので、早める方法が間に合わなかったのだ。
それで初めて、「旅行中は生理が来ないように、遅らせる」方法をとってみた。

遅らせる方法は、私のように日が迫ってしまえば仕方がないが、早めるよりも副作用が強く出やすい。
服用期間中、ずっと吐き気がする人もいるらしいが、私はソウルでは元気いっぱいでもりもり食べていた。
帰国して服用をやめたとたんに生理が来て、いつもより長く出血が続いた。
やっと止まったと思ったら、それと入れ替わるようにして、胸の激痛が始まったのである。

初めはピルの副作用と気付かず、ブラジャーの布地が肌に合っていないのかと思った。
ブラジャーで覆っている箇所が痛む。前だけでなく、背中までぐるりと、ひりひり、ずきずきと痛い。
ピルの副作用だと思い当たって、数日はがまんしていたが、「いたたたたた……」とうめき声が出るほど痛い。
一週間以上、強い痛みが続くので、義母に相談してみた。
夫の叔父一家が産婦人科医で、私もピルを出してもらったりしている。
義母はそこで働いているので、痛み止めなど飲んでもいいのかどうか、聞いてもらうことにした。

電話で義母に痛みを訴えると、「どこらへんがどんなふうに痛いの?」と尋ねてくる。
「ええとー、すっごく痛いにきびみたいな感じ。ひどく膿んだ、おっぱいの大きさのにきびがあったら、痛いでしょう。」
「そりゃ痛いわね……。痛みはどんな感じ、張ってるような感じ?」
「いやもうトシですから。張ってはきませんよ〜あははははは。もう大きくなりませんからー。」
「ははあ……それで場所としてはどうなの。胸のどのあたりが主に痛いの?」
「ええと(そう言われて、初めて気づいたが)下の方。」
「下とは?」
「うーん、乳首より下半分、上の方は痛くなくて、“南半球”ってとこかな!」
「はあ……。」
わかりやすく表現しようとしつつも、うまいこと言って少しウケようとする悲しい性。

ピルを長く飲み続けると、血栓ができてしまう人もいるというが、たった一週間かそこら飲んだだけで血栓ができるなどはありえないので、やはりホルモンバランスが大きく崩れて、このように痛みが出てくるとのこと。
次の生理が来るまでは治らないから、痛み止めを飲んで様子見ということになった。
そうだろうとは思っていたけど、ああ、苦しい。
やっぱり、生理とはよくいったもので、生命体として生きているうえでの理りであり、それを人為的に操作するから痛いことも出てくるわけね。
ピルを飲む目的は人それぞれだから、ピルを飲んではいけないとは思わない。
ただまあ、私のような理由の人は、何かしら別の工夫をすべきだと思う。
懲りた!
遅らせる方法!
もうしないよ!


# by apakaba | 2017-04-09 23:32 | 健康・病気 | Comments(2)
2017年 04月 08日

四月大歌舞伎、連続ツイート&ロバート・メイプルソープ展

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パクチーと春菊のサラダ


4月4日、歌舞伎座夜の部、傾城反魂香。繰り返し見ている芝居だが、吉右衛門は今回が一番いいように思う。3月の国立劇場の立ち回りではやや軽く感じられた芝居が、吃又では味方となる軽み。菊之助の女房は真心がこもる表情ながらも、やっぱりちょっと美人すぎ?もう少し世話っぽさが出ても。(続

2)帯屋、うむむむ〜白状すると、私は、上方歌舞伎が……苦手なんです……江戸歌舞伎の方が合う。藤十郎の風貌、異様な若さにたじろぐ。14歳の娘に手を出し妊娠させるのもありえそうな優男ぶり、だが、如何にしても台詞の不明瞭さ、声量の足りなさは。役者は、声が出なければ。孫の壱太郎、(続

3)舌が長いのか、才気を感じるいい芝居なのにやっぱり台詞が不明瞭、残念。女形の時の声の方がうまく響いている。美女でもないが妙な魅力がある少女、ああいう女って手強いですね。少女の恋でもない段階まで関係が進んでいることも匂わせる。染五郎、楽しげだがう〜む。見目が少しステキすぎかな(続

4)奴道成寺、猿之助は踊りがうまいなあ。多くの女形が、踊ること(動き)に精一杯で、周りへオーラを発するまでに達しないのに、猿之助が踊ると場を支配する力がすごい。客席がピンとする。だがこの演目では道成寺という「物語」の必然性は限りなく薄まる。やはりオリジナルは物語が完璧である。(続


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おまけ)同じ銀座のシャネル・ネクサス・ホールで開催中のロバート・メイプルソープ展へも。学生のころ衝撃を受けたきりのメイプルソープ、今にして見ると、あの頃の感覚とはなんだか違う。女性をただの美しい物体のように撮る客観性と、男性を執拗に撮りまくる粘着性、ゲイならではの力とは思うが(続

2)今見ると、男性の撮り方は愛と嘲笑的諧謔性とがないまぜでは?むしろ滑稽味が感じられた。同族嫌悪でもあるのか。ストレートの男が撮る女は性的な存在だが、メイプルソープの女はまったく性的ではなく、だからといって男を撮っても、やっぱり性的とも言い難い。ねじれ。孤独。芸術の手前の冷笑(続

3)肉体の写真に較べて、花などの静物写真は完璧な美をたたえている。プリントの美しさにもうっとり。プリントはいいなあ。何十年もたってから同じ写真家を見るのは意義あることだと思った。シャネル・ネクサス・ホールは初めて来たが、すばらしいホールなんだなあ。入場無料とは太っ腹。(おしまい)


# by apakaba | 2017-04-08 23:11 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(0)
2017年 04月 02日

香港フード合宿・後編

ふと気づけば、前回の投稿から2ヶ月以上も空いてしまった。
その間に、エイビーロードの記事でこのフード合宿のことを書いたので、それでなんとなく満足してしまった。
でも中編までというのもなんなので、最後まで作ろう。

コックの次男を連れた香港フード合宿の最後は、やっぱり本人の専門のフランス料理で。
私たちが何度も訪れている、ミシュラン二つ星の「カプリス」だ。
ここではいつもアラカルトにしているが、今回は勉強という目的でフルコースにしてみた。
もうフルコースなんて何年も食べていなかったけれど、やっぱりフルコースにしてよかった!
組み立てがすばらしい。
ワインのセレクトも、息子に任せてみた。

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まあ、このクラスになると、「おいしいってことくらい、見ればわかりますよね!?」という品々が並ぶのだが、この魚だけはいたって平凡であった。
やはり魚の扱いは、日本人シェフが世界一だと思う。
日本の一流フレンチで食べる魚料理は本当においしいな。
「アキタコマチ」の勤め先の魚は、立ち上がるほどにおいしい。


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メインの肉が、豚の三枚肉というところが、どこか中華圏の雰囲気が漂っていて楽しい。
わりと硬めなキャベツが敷いてあって、軽くてナイスなメイン。

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ここまで、「アキタコマチ」は例によって「うまい!」「さすが、グランメゾンの仕事!」などと感激していた。
チーズを追加すると、この品揃え。
サービスの副チーフがチーズの説明をしつつ切り分けてくれたので、
「実は息子がコックで、東京のフレンチレストランで働いているんです。」
と話してみた。
すると、このあと予想もしなかったとんでもない展開に!!!!!

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副チーフは日本から来た若いコックの感激ぶりにとても喜んでくれ、「厨房を案内しましょうか。奥のセラーもいかがですか?」と、息子を連れて行ってしまったのである。
最新型の機器を備えた厨房で、きびきび働くスタッフの脇を通り、年代物のワインやチーズを保管するセラーにまで通してくれて、写真も撮らせてくれたという。

私たちは遠慮して席で待っていた。
一緒についていけば行けたと思うが、私たちはただ食べるだけのお客。
プロ以外が足を踏み入れる場所ではない。
「アキタコマチ」は、世界レベルの厨房を見学し、感無量の表情で戻ってきた。
(英語も話せないのに)いろいろ質問し、副チーフの名刺ももらって、「自分の携帯番号直通だからいつでも電話していい」と言ってもらったという。

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「あんなすごいチーズのセラーは初めて見た……わらが敷いてあるとか……4年熟成のコンテチーズとか! ありえないでしょ!」とひとり興奮する「アキタコマチ」。
おそらく、シェフ自らが目の前で調理してもてなすような上得意の顧客など、わずかなお客さんが入れる場所なのだろう。
それを、いくら私たちが何度も行っているとはいえ、ひょっこり来ただけのまだ若造のコックのために、ここまでしてくれるとは。


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フード合宿のしめくくりにふさわしい、超一流の料理とサービスだった。
二泊三日で、食べて食べて食べるだけの合宿で、私は、ふたつのことが心に残った。
ひとつは、香港の人々が、若い料理人の来訪に、礼を尽くしてもてなしてくれたこと。
やはり、料理の世界という同業者どうし、響くものがあるのだろうか。
これには、親としてすべての店にあらためてお礼を言いたいくらいに感激した。
もうひとつは、私たち夫婦も食べるのが好きでかなりおいしいものを食べに行っているが、プロ(で話すのがうまいやつ)を連れて行くと、楽しさが段違いになるということ。
おいしいと思うその味は、どうやって作られているのか?
それを解析してもらうと、料理というものが科学であり芸術であることがよくわかる。
パクッと一瞬で口の中に消える、そのひとくちに、どれだけのことが込められているか、今までよりもずっとよくわかるようになった。
実り多い旅だった。
そして夫は、「来年の正月も行こうぜ、恒例にしよう!」とか言っていた……そんなに出せません。お金をくださーい。
(終わり)


# by apakaba | 2017-04-02 15:23 | 食べたり飲んだり | Comments(0)
2017年 04月 01日

新年度です

今日から新年度。
毎年、年度替わりには、家族の身辺の変化を川底の石のように(←安部公房『砂の女』からのパクリ)見上げているばかりだった私だが、今年度はかなり身辺が変わる!
公立中学校の「学習支援教員」になり、来週から働き始めるからだ。


今一番楽しみなのは、給食!
夫に作っているので、自分の分もお弁当にしてもいいのだが、自分が作ったお弁当って本当につまらない。
私が子供だったころとはちがい、いまどきの給食はおいしい。
一食たった300円程度で食べられるなんて幸せすぎて怖い。
あとは、上履きを買って、学校のセンセイっぽい服をちょっと買って、研修に出たりして準備。
身辺が変わるってうれしいことだな〜。


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先月、近隣の小学校で保護者向けに開催された、発達障害児について学習するセミナーに出てみた。
せっかく採用されたんだから、ちゃんと勉強して、役に立とう。

それにしても、昨年度に始めた、土日に中学生に勉強を教えるボランティアを通して痛感したことがある。
国語(母国語)の軽んじられようたるや。
私は中学高校の国語科が専門だが、中学生英語なら教えられるので英語もよく見ていた。
学校指定のドリル教材があるので、その例文を読んでみると……

「名前、何?」
「かばんの中に、何入ってる?」
「これ、あんまりおいしくない。」
「英語、私には難しいよー。」
「消しゴム何個持ってる?」
「ぼくのラケット使って。」
「チョコレート!」

……がくぜん。
たしかに、英作文には役に立つかもしれない。
会話(口語)をそのまま頭の中で英文に変換するにはね。
だが、勉強というものは、教科を横断して学んでこそ、真の力になる。
この英語教材。国語力は完全無視ですかああそうですか。
助詞はどこへ行ったんですか?
こんな文を読まされ続けるなんて、最悪だ。
そう感じるのは、国語科だからなの?
(ちなみに最後の「チョコレート!」の正解は、「It's a chocolate!」である。)

私は、国語を教えたい。
受験にあんまり必要のない科目でも。
思考を広げ、深める大切な手段が、国語だ。
土日のボランティアは続けるが、週日に私が担当するのは、通常の学級にいるのが困難な子供に限られる。
それでもその子供たちが、もしも自分の内面について思考し、表現する術を持たずに苦しみを抱えているとしたら……国語を勉強することで、苦しさから抜け出すための穴を、少し広げられるかもしれない。
私にも困難が待ち構えているだろうけれど、やっぱり楽しみだ!


# by apakaba | 2017-04-01 22:46 | 生活の話題 | Comments(0)
2017年 03月 31日

歌舞伎座三月夜の部、国立劇場ツイート

3月のうちに3月中に見た歌舞伎はメモしておくことにした。
めずらしく連続投稿。
ここしばらく、仕事ばっかりでぜんぜんブログを書いていないしね〜。

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こちらは国立劇場の舞台。


三月大歌舞伎夜の部、引窓。幸四郎はもうやれる役が決まってきている。セリフをただ軽く流している。流すだけでも可笑しみがあるから、笑うシーンではないのに、観客がつい笑ってしまう。あれは芝居全体を壊す。かなり扱いかねる役者。早く白鴎になってください。しかし相撲取りがヤクザ稼業(続

2)すれすれだった時代。今も「興行」ではあるが、暗い影は当時に及ぶまい。けいせい浜真砂、また奇妙な芝居だねえ。なんで五右衛門が女ですか。藤十郎って一体おいくつなの。罰ゲームじみた装束の仁左衛門ほんの数分の登場、仁左衛門なら何を着てもよろし。4年ぶりの助六、4年ぶりのドキドキ。(続

3)口上の最中から、あの袖の奥にはあの絶世の助六が控えていると思うだけで胸がしめつけられるほどの高揚感。こんな芝居はめったにない。海老蔵助六、余人をもって代えがたしとはこのこと。不世出の美貌。千両役者。壮大な大根役者。ほんとに不思議な男だ。団十郎助六時代には花道が退屈で退屈で(続

4)「いつまで傘を開けたり閉めたりしてるんだ、とっとと舞台へ出てくれ」とまで思っていたのに、海老蔵の花道はいつまでもずっと花道にいてほしいと願うほど。観客全員うっとり。逆に言えば「セリフは下手だから喋るな」ってことだが。セリフはだいぶうまくなったがこれ以上の上達はないか?(続

5)雀右衛門揚巻、先代雀右衛門おばあさん(?)時代に見たのでそれに比べたら美しいが、玉三郎揚巻に比べるのは酷。ちょっと世話女房っぽい。くわんぺらはミスキャスト。歌六では真面目に演じすぎ、あれは幸四郎や仁左衛門がやるから生きる。白酒売菊五郎は自在の境地。この芝居の真髄は(続

6)コメディーなのに、今回はコメディーがうまい人が菊五郎以外いず(海老蔵も下手)残念。今になると、勘三郎より三津五郎の抜けた穴の大きさを思い知る。4年前、三津五郎の通人は絶品だった。出てきただけでワーッと沸く。勘三郎の代わりはいても三津五郎の代わりはいないのでは?それにしても(続

7)先代の団十郎から、生き写しの海老蔵まで、美貌の助六を見ることのなかった人々(団十郎助六時代)は、助六という芝居がよくわからなかったのでは?今から歌舞伎を見る人は幸せだ。海老蔵の助六を、まだこれからもずーっと見られるのだから。引っ込みの海老蔵の、決意した表情は瞠目。ガンバレ(終

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団十郎が植樹したという熊谷桜。
国立劇場はさくらまつりの期間中でした。




国立劇場、通し狂言伊賀越道中双六。前回の上演も見たが、やっぱり妙な話だ。こちらの歌六はよし。雀右衛門もよろし。この二人、3月は国立劇場と歌舞伎座を掛け持ちして大変な忙しさだ。吉右衛門は年だなあと感じる。体が、動かなくなっている様子ではなく、逆に軽くなっている。年とともに、(続

2)殺陣では若い者が動いて大幹部クラスはあまり動かずやっつける方が様になるが、吉右衛門は自分が動いてしまい、動きにグッと重さをつけることができなくなっているので、腰が軽く見える。やはりもう鬼平ではないなあ。そろそろ立ち回りは卒業では。菊之助の白塗りやよし。役にも合っている。(終)


# by apakaba | 2017-03-31 16:25 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(0)
2017年 03月 31日

歌舞伎座、二月昼夜、三月昼の部ツイート

ふと見返してみたら、昨年9月以来、歌舞伎ツイートをまったくしていなかった。
毎月欠かさず見に行っているのに〜。
今年の2月からの分だけでも、書いておく。

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2月3日の初日。
帰りに寄ったポーラミュージアムアネックスでやっていた青木美歌個展。



猿若祭二月大歌舞伎昼の部、猿若江戸の初櫓。勘九郎の足さばきの軽さよ。宙から吊られているいるように、軽々と舞台を踏む。大商蛭子島、女好きな頼朝松緑は適役なのかよくわからない。長い割にはさしたる見所なし。四千両小判梅葉、やっぱり黙阿弥が好きだなあ。菊五郎は黙阿弥にばっちりはまる。(続

2)一番の見せ場の大牢シーンは、妙に長く、様式美(美というかなんというか)が興味深い。男祭り状態の牢獄、テレビなどの取材もなかった時代、さぞ一般大衆の目には恐ろしく、奇異で、のぞいてはいけない世界を覗くような気持ちになったことだろう。扇獅子、うん、正直いって忘れちゃったごめん(続

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3)二月夜の部、門出二人桃太郎。中村屋さん、おめでとうございます!兄桃太郎はばっちり歌舞伎になっているぞ。弟桃太郎はまだ人形みたいだ。何を見ても感慨深い。この子達が歌舞伎座で大役をやるころには、私は生きているのか。パパ勘九郎はじめ皆さん、うれしそう〜。贅沢な犬猿雉も大ハマりだ(続

4)異様なメイクの犬染五郎、メイクなしでいけそうな猿松緑、やたら生真面目な羽ばたきの雉菊之助、3人どれもこの役以外ありえないほど。特に菊之助の生真面目な羽ばたき姿が忘れられない。絵本太閤記、うーむ多くは言うまい。芝翫がアレなので、全体に退屈に。がんばれ。梅ごよみ待ってました!(続

5)菊之助の美貌は非の打ち所なし。演技もはまっている。出色は勘九郎の最近めずらしい女形。そこそこの美貌といい性格といい、いるねこういう女、と思わせる説得力ある存在感。児太郎も同じく。男が最後に選ぶのは結局このタイプか〜とうなずかされる。だから女二人の「しらけるねえ」が最高。(終)


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三月大歌舞伎昼の部、明君行状記。初日のせいか、梅玉はセリフが入ってないような。明君というか普通に梅玉じゃないか。しゃべってるのが。亀三郎との熱の差が……梅玉は毎月ほんとに忙しい。話も、真山青果はいつもおもしろくない。なんであんなになんでも言葉で説明するのか。説明のための台本。(続

2)義経千本桜碇知盛、待ってました仁左衛門知盛。比類なき美しさ。後半血まみれも、いつもより血糊が多めな気がします。銀平女房は玉三郎以上の人は見ていないが。巳之助くんもいい役がついてる。安徳帝右近の美しさは知盛がひれ伏したくなる実在感あり。それにつけてもこの話を見るたびに、(続

3)平家物語という物語の凄さをひしひしと感じずにいられない。「浪の下にも都のさぶろうぞ」と安徳帝に言い聞かせ自害していくシーン、女房たちの着物が海に漂うビジュアルなど想像すると果てしない気分になる。やはり名作中の名作。当たり前だが平家物語あっての歌舞伎作品だ。読破まで遠いが〜(続

4)どんつく、ご贔屓巳之助くんが踊ってます。今月いい役がついてる。早く八十助にしてあげてー。しかし松緑も踊りがいいねえ。あの人たちの運動神経ってなんなんだろう。海老蔵謎の表情な若旦那、彼ってどうしていつもああいう妙な表情なんだろう。夜の部にやってくれるからいいんだけど。(終)

# by apakaba | 2017-03-31 15:16 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(0)
2017年 03月 30日

3月の子供たちのこと

最近の子供たちの話題など。

先日、「ササニシキ」が大学院を卒業したらしい。
「お前の卒業式っていつ」と聞いても、今月になるまで「よくわかんない。」と答えてきた「ササニシキ」だが、一週間くらい前に「28日。」という。
「ふーん。卒業式には出るの。」
「出ない。」
「なんで。」
「時間がない。」
「じゃあ卒業証書はどうやってもらうのよ。」
「わかんない。」
勉強に忙しくて、卒業式にも出る時間がないらしい。
6年前の大学入学式のときには、両方の祖父母が出席してしまうという派手な喜びようだったのに(私は出席しませんよ)、卒業はひっそりしたものだ。

27日、「お前明日卒業式でしょう。」というと、「うふふっ。おかーさん、なんでそんなの覚えてるの。」
「そりゃ当たり前だよ。かわいい子供の卒業式くらい覚えてるでしょう。」
「うひひ。そんなこと言ってー。」
私が子供のことに本当に興味がない親だと思い込んでいるらしい。

きのう、一応卒業パーティーをした。
「アキタコマチ」がパエリアを作った。

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具材が多すぎてコメが見えないけれど、私が作るのとはまるっきり別レベルの味。
当たり前だけど。
「ササニシキ」は卒業後も引き続き大学の図書館を使って勉強をし、私たちが食後のケーキを食べているころにやっと帰ってきた。
法科大学院というのは実に奇妙なもので、司法試験を待たずに卒業させてしまう。
だからとうとう無職の男になっちゃった。
卒業おめでとうという言葉も、なんだか出てきにくい状況。
でも親としては、また一人、子供がもう学生じゃなくなったんだと思うと、それなりに感慨深い。


「アキタコマチ」も、ここのところとても大変だった。
勤め先のシェフが、日頃の無理がたたって、怪我の感染症から発熱して入院してしまった。
一気に「アキタコマチ」に責任がかかってきた。
もともとスタッフの数が少なすぎることが、シェフが倒れた原因だ。
しかし、「アキタコマチ」がこの大ピンチをうまく切り抜ければ「なーんだ、お前だけでもどうにかなるもんだなわっはっは」という楽観的な結論になるだろうし、失敗をすれば「なーんだ、やっぱりお前は半人前だな」との評価になるだろうというダブルバインド。
まあ「アキタコマチ」の性格だから、意地でもやり遂げたけど。
シェフももう復帰してくださったので、「わっはっは」めでたしめでたし、ということに落ち着きつつある。


「コシヒカリ」は滑ったり転んだりの台湾ひとり旅から戻ってきた。
旅行記を書いていたので、また掲載していく予定。


台湾から帰ってきて、友達と遊びに行った帰り、中央線のホームで、人が落ちて死ぬところを見てしまったという。
夜のホームですぐ隣に並んでいた酔っ払いの男性が、自らホームに頭から落ちていった。
連れの人か他人かわからないが、その隣にいたメガネの男性が、すぐに緊急停止ボタンを押したが、ホームに入ってきた電車がスピードを落としきれず、そのまま轢いてしまったという。
メガネの男性はメガネを外して駅の階段に座りこみ、頭を抱えていたという。
ショックを受けて帰ってきた。

毎日、子供たちにもいろんなことがある。
それを日々聞いている。


# by apakaba | 2017-03-30 11:32 | 子供 | Comments(0)