2008年 10月 27日

旅立て逃避行!

先月、知り合いと連絡がとれなくて少し困っていた。
至急に確認したいことがあったのに、自宅に電話しても留守、携帯電話・携帯メールも返信が返ってこない。

数日過ぎてからやっと携帯メールで連絡が来た。
携帯で用件の確認だけをすませて、そのまま日が過ぎた。
先週、その人と会うと、私の顔を見るなり「ごめんねぇ!」と謝ってくる。
私はすっかり先月のことは忘れていた。

「なにが?ああ、この前のこと?あれで大丈夫だったの?ちょっと心配してたよ。」
「ごめんねミタニさん。私が全部悪いの!私ね、実はあのとき逃避行しちゃってたの!」
「…………、とうひこう?デスカ?」
「そうなの。なんだかなにもかもがイヤになっちゃって。子供を連れて……家を出て旅をしてたの。」
「えええええーっ!すっごーい!すごい勇気。」
「あっ、いや、あの、イヤというのは別に夫がイヤとか家庭がイヤとかいうことじゃないのよ。ただまあいろいろとぐじゃぐじゃしててみんな捨てたいって思っちゃって。私あのとき大阪に行ってたの。」
「大阪!」
「そう、新幹線の切符を買ったのも3日前とかそんな感じで、ばたばたと発作的に決めちゃったの。それで……旅をしてきたのよ……。」
「ひゃああー。そうだったの……!」

彼女はおっとり落ち着いた、優しいお母さんといった雰囲気の人で、沈着で機転が利いて頼りになって、私はいつも甘えさせてもらっていた。
だから、急に連絡が付かなくなったときはたしかに焦った。
困ったときの確認はいつでも彼女に聞けばいいや……と思っていたところもあったから。
だからこそ、そんな人から飛び出す“発作的”“逃避行”“旅に出て”とは、思いもかけない言葉ばかりで、私は感心のあまり「ひゃあー」とか「ええーっ」とか叫ぶしかなかった。

「うん、ミタニさんと連絡とらなきゃいけなかったことも、実はそのときはすぽーんと頭から抜け落ちちゃってて、帰ってからメール見て青くなっちゃった。本当にごめんね。
あの件には、ミタニさんにぜんぜん落ち度はなかったのよ。私が忘れてたのがいけなかったの。ごめんね本当に、迷惑かけて。」
「いいのよ。あの日は結局大丈夫だったみたいだし。しかしすごいね。いやぁ〜、すごいわ。それでその……イヤになっちゃったってコトは、リフレッシュできたの?」
「うん。もうすっかり。」
「そうだったの……それはよかったねえ。」

イヤなコトの内容には、お互いにまったく触れなかった。

あの日、返信の来ない電話やメールを何度も何度もしてとまどっていたこともすっかり忘れ、いいなあ……こういうのって……とつくづく思ってしまった。

もし職場にこんなことをする人がいたら、当然、みんな迷惑するだろう。
でも、なんだかんだいって、その日はその人なしで回っていくだろう。

もしもその人にとって、“逃避行”がすべての義理に勝るのであれば、旅立て!
携帯を不携帯にして、一番早い切符を買って、行け!
私にはそんな勇気ないけど……同じ主婦がやってくれると、痛快なのだ!

by apakaba | 2008-10-27 22:20 | 生活の話題 | Comments(6)
Commented by nokorakuda at 2008-10-28 13:14
結婚した次の日には結婚したことを後悔したワタシの母は兄が1歳の時に家出をして、飛行機に飛び乗って博多から大阪に逃避行。
4日ぐらいで自分で戻っちゃったらしいけど、よーやったよな。(笑)
「あの時に別れていたらあんたは生まれていなかった」と母。
まー、そのとおりだわ。
父と別れる野望はかなわなかった母には悪いけれど、産んでくれてありがとう。ワタシは幸せにやっとります。あはははは。
Commented by soleil-1gou at 2008-10-28 13:27
オイラは幼稚園の頃
おかんの逃避行のお供にさせられました ( ̄w ̄)ぷ

オイラも時々、現実から逃げたくなります(笑)
Commented by キョヤジ at 2008-10-28 15:29 x
「赤ん坊連れネパール」
「子連れヨルシリ」
も相当なものだと思うけどな。

あ、ありゃ黙って出た訳じゃないか、はは。
Commented by apakaba at 2008-10-29 10:14
旅立てレス。
のこのこさん、お母さんもやったのかー。
そして大阪へ。大阪は逃避行向きの土地柄なのか?
あまり風光明媚な観光地より、ほっといてくれそうな感じの土地の方がいいのかな。とか分析してもしょうがないか。
でもお母さんにもいろんな葛藤があったのね。
自分がコドモだとわかんないけど、大人になると気持ちもわかるよねえ。

それいゆさん、あっ……おかんもでしたね……
だんだん、親と子という枠でなくて、女と女で向き合うようになりますね。
きのう、ちょうどそちらを読んでいて「モテ期かあ、いいなあ」とか思っていました。
現実から逃げたいという気持ちって誰にでもある感情だし、それを笑ったり、責めることはできないと思う。
多かれ少なかれ、絶対みんなどこかでいっとき現実から逃げて、それで均衡を保っているものだと思うから。

キョヤジさん、あれはただの旅行ですのよ。
とうひこうじゃ、ないんですのよー。
私は逃避行はけっこうこまめにやっているので(ナイショ)、デカイ逃避行をしなくて済んでいます。
Commented by k国 at 2008-11-04 18:30 x
独り者の頃は、仕事に飽きると辞めて、行き当たりばったり旅をして
適当なところで仕事を見つけて働いた、そしてまた旅と何度か繰り返しましたが、23歳で年貢を納めました。
あれも逃避行の一部と言えなくもない、と自己判断。
Commented by apakaba at 2008-11-05 08:57
逃避行レス。K国さん、人の脳には「空間移動」がとても大事だそうで、目の前の風景が移り変わっていくことが、脳の活性化には有効らしいです。
だからルームランナーで何キロ走っても脳には効果ないらしい。
そういう欲求は、人間は本能的に持っているものだと思いますね。
その欲求を飼い慣らして、気づかないように押し込めて、社会的存在として生きている……と。
でもたまには逃避行に走りたいよなーーーー。


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