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あぱかば・ブログ篇

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2008年 11月 04日

いい写真とは

ゆうべ、次男の「アキタコマチ」につきあって、長いことPCのモニターをにらんでいた。

再来週に、大阪でグループ写真展が開催される。
「アキタコマチ」もメンバーの一員として参加する。
子供にしては破格のスペースをもらってしまい、うれしがったのもつかの間、「オレ、そんなに出せる作品ない。」

「だってこんなの大きく伸ばすような写真じゃないもん……小さいサイズでいいよ。どうしよう、ずらーっと小さい写真をたくさん並べるのにしようかなー。」
「小さい写真は見栄えしないからダメ。せっかく大きくスペースをもらってるんだから。大きくすればかっこよく見えるよ。」
「うーん、でもさー。大きくするとブレとか気になるじゃん?食べ物写真とか大きくしてもしょうがないし……花の写真とかは気に入ってるけど、オレって正直言って撮るパターンが決まっちゃってるし。」
「あー。そうね、パターンが見えてるね。でも写真って、大きくするのは意義あることだよ。
人が見て“いいなあ”と思う写真と、自分が気に入ってる写真がちがうということもあるしね。あんたはホラ、その場が楽しい雰囲気だとできたものもいいような感じがして、時間がなかったり、気持ちが乗っていないで撮るとできたものもあんまりよくないように思いこんでない?意外とそうでもないんだよ。これとか、これとかも、よく撮れてると思うよ。」
「そうそう、その場その場では“撮れた!”って思ってても、あとでちゃんと見てみると案外そうでもなかったりするしねえー。ああどうしようオレ。」

「ようするに、ドラマを感じられる写真がほしいんでしょ?」
「そうそう!」
「でもなかなかドラマを感じる写真は難しいよ。とくに広角で撮る観光地の写真なんかだと、本当に大変なことだよ。」

こういうとき、ストックがないのは辛い。
初心者のご多分に漏れず、息子も“寄り”に凝っていて、思いきり寄ったカットが多く、ひとつひとつはおもしろいが並べてみるとやや飽きる。
この夏のバリ旅行の写真も“寄り”中心だ。
“引き”の広い風景をドラマチックに撮ることがいかに難しいか、自分のバリ写真を見て痛感したらしい。

正常に、成長しているねえ。
小学生でカメラを持ち、はじめのうちはただ有頂天で「オレってイケテル?!」と突っ走ってきたが、写真を知るにつれて自分の力量のなさを知って自問するようになる。
ベテランの大人にひとり混じって、対等に渡り合えるはずはないけれど、すこしでも近づきたいという気持ちでいっぱいになっている。
「ああオレ、だめだ、出せる写真なんかない!」
と頭を抱えて悩むのは、かわいいものだ。

どうにかこうにか、セレクトできた。

力のある写真とは、どういうものなんだろう。
息子の撮る写真で「いいな」と思うのは、斬新な構図、人の自然な表情(子供相手だから被写体も無防備)、人のアドバイスを素直に聞き、片意地を張らずに真似してみること。
力のない作品しか出せなくて恥をかくことさえも、やっぱり力になっていく。
でも、ヴィジョンズ オブ アメリカ完結でも書いたけど、現場性があれば、それは“いい写真”なんじゃない?


いい写真とは_c0042704_22374788.jpg


いい写真とは_c0042704_2238950.jpg


きのう、吉祥寺に夫とふたりで出かけて、ぶらぶら洋服を見て、ブーツを買ってもらって、ヨドバシでプリンタやらノートパソコンやらを見て回った。

お昼に、たまたま見つけた台湾料理の店に初めて入ってみた。
(月和茶という、今年の4月にオープンしたばかりの店で、リピート必至。とても気に入った。)

上は、いちじくのコンポート。
いちじくはきんもくせいの香りのお茶で煮てあり、ブラックタピオカとかクコの実とかが散らしてあり、アジアンな雰囲気にあふれたデザートで、夫は「うまい!うまい!」と喜んでいた。
カメラがなかったので i Phoneで撮影している。

帰宅してから息子に見せると、思ったとおり、
「こんな写真ぜんぜんダメ。ごはん食ってるおかーさんなんか撮って意味ワカンナイし。携帯写真の画像なんか、一眼に較べたら見てられない。」
と、取り合わない。
こういう写真が、いかに大事か、キミにはまだわかるまい。

by apakaba | 2008-11-04 23:18 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(12)
Commented by ぴよ at 2008-11-05 00:03 x
アキタコマチ、すげーなー。
ぴよは中学生の頃に一眼レフカメラ買ってもらって、中学・高校はずーっとその一眼レフを旅行に行く度に持って行って撮影してたけど、どれもこれも友達がどどーんと真ん中に入ってピースサインしてる写真ばっかりだし。
「広角が」「寄りが」「構図が」なんて考えもしなかった。
だから写真歴は長くても未だに初心者よ。とほほ・・・

写真は機材や技術も大切だけど、撮る人・撮られる人・撮る対象物への思い入れも大切だと思うのね。
基本はやっぱり「写真を撮る事」と「その対象物」への愛が大事なんじゃないかと思うの!
・・・と、自分に技術がないので精神論でシメてみる(涙)
Commented by apakaba at 2008-11-05 09:14
ぴよさん、いやー精神論に行くしかないっつーか、テクで勝負しないのならリッパな鑑賞者になってヤル!ってとこあるじゃない?
私なんかまさにそれですよ。

息子は中学校生活が忙しくて(彼らってキホン、部活か試験に追われてるでしょ)写真を撮ることもあまりないし、写真展に行ったりすることもあまりないけど、いつでも「いい写真を撮りたいなあ」という気持ちは持っているらしい。
部活の帰り道、空がきれいだと、「ああ、今カメラを持っていたらなあ」と思うんだって。
Commented by KABUN at 2008-11-05 18:01 x
なんでもいいねん。
ピンボケ大歓迎!
そこに何があるかは、わしらが見て勝手に考える
Commented by apakaba at 2008-11-05 18:22
ゥアリガトウ!
Commented by ogawa at 2008-11-05 21:52 x
ともかく写真のデータ届くの待ってるし。
どんな写真があるのか楽しみ。
元気が出る写真セレクトするから。

あとは見る人しだい。
Commented by apakaba at 2008-11-05 22:06
ゥアリガトウ!
速達よー!太っ腹!
Commented by qoo at 2008-11-06 00:24 x
大人の意見に振り回されるなーーーーー!!!
自分のうふふん♪の写真でいいのだっ♪
コレ観てみてーーー!!って

オトナは勝手にコジツケ物語を
みつけよーとするからねーーーっと
伝言をお願い致します。
Commented by apakaba at 2008-11-06 01:12
ゥアリガトウ!
隊長のことは「オトナ」と思ってないようです!

ん?


いいのかそれ???
Commented by RedLily at 2008-11-06 01:15 x
自分が元気になる写真なら、きっと見る人も元気になりまっせー
ってなわけで、お気に入りから選び中、迷い中ー
けど、迷ってる時間もないーーー

気持ちわかりますわー☆
Commented by apakaba at 2008-11-06 09:58
ゥアリガトウ!

って。ん?どなただろう。
もしかして、メンバーの方だったのですね。
失礼しました。
本人は来られませんが、どうぞよろしくお願いします。
私は行くので、会場でお会いできれば!
RedLilyさんの作品も楽しみにしていますよ。

REALでも毎回、頭を抱えて悩んでいます。
大先輩たちの写真を見て、感じるところが多いみたいですよ。
Commented by のこのこ at 2008-11-07 17:04 x
それにしてもアキタコマチは恵まれているよね。
我々が中高生のころなんて写真好きでも展示して人に見てもらうなんてせいぜい文化祭程度で、写真が上手い人に見てもらってああだこうだ、といろんな刺激を受けるなんてこと、ありえなかったもんね。
しかもただの写真好きとはランクが全然違う・・・誰がみてもこの人すごい!と思うレベルの方々と交流できるんだもんね。
自分を取り巻く環境ってのも才能のうちだよね。開花してプロとかなっちゃったらどうする? ・・・金はもうからなそうだけど。指長いし。(笑)
 
Commented by apakaba at 2008-11-08 07:41
のこのこさん、フィルムカメラ時代とは裾野の広さもちがうし、これから新しいものを撮って頭角を現すなんて本当に大変なことだと思うけど、好きならつづけたらいいと思う。
カネは儲からなさそうだよね。

でもほんと、よそでも書いたとおり、まだひとりではなにもできないけど、周りの大人を動かしてしまう力は持っているんだ。
人とつながれるのはなにをするにしても一番大事なことだもん。


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