あぱかば・ブログ篇

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2008年 12月 13日

美声が色っぽいのではなく

クルマの中で、ヴァネッサ・パラディの3rdアルバム『Vanessa Paradis(ビー・マイ・ベイビー)』をよく聴いている。
レニー・クラヴィッツ色がガリガリ出ていて、最近の気に入り。

私は音楽を聴くとき、かなりボリュームを上げて聴くほうだが、音を大きくしたときに感じる彼女の声、というか、彼女の呼吸にはふにゃふにゃっとなる。
マイクに口を近づけて、一声めを発する直前に、「ヒュゥーッ」と息を吸い込む音(ブレス音)が入る。
あれがなんとも、たまらん。
私にとって、ブレス音が耳障りに感じられる歌手も多い。
でもヴァネッサ・パラディの場合は、あの「ヒュゥーッ」は、あとに続く歌声への期待を高めてくれる以上の魅力を持っている。
一言でいうととってもいやらしい感じがする。

人と人がいたら、通常の距離では息の音は聞こえない。
耳元ちかくに息をする音を感じるとすれば、それはそうとう、相手とパーソナルな関係に進んでいるということだ。
マイクがブレスを拾い、ボリュームを上げて聴くから、まるで耳元すぐちかくにヴァネッサ・パラディがいるように……しかもベッドなどの非常にパーソナルな空間で、私の耳だけに声を吹き込んでくれるように……、感じられる。
あぁ〜ん、たまらんわこのブレス音。
妄想突っ走りすぎでしょうか。

声は、色っぽさの大切な要素だ。
声は目に見えないし触れない。
発せられたそばから、消え去っていく。
それだけに、深い官能での“イメージ”と親密に関わる。

ヴァネッサ・パラディの声は、美声とは言い難い。
豊かに声が響くわけでもないし、すきっ歯から漏れる空気のせいか、なにかガラスをひっかくような、ギンとくるような音が、声に混じる。
いわゆる“セクシーなハスキーヴォイス”というのとも、ちょっとイメージがちがう。
“可愛いロリータヴォイス”とも、ちょっとちがう。
でも、なんとも魅力がある声なんだなあ。
ちっとも美人じゃないのに、なぜか目が離せないルックスとぴったりマッチしている、やっぱり色気がある、この人。

“声が割れている女”というのも、美声ではないゆえに惹きつけられる。
辻邦生の『西行花伝』に出てくるヒロインはまさにこの声だ。
西行が生涯をかけて慕い続けた、母親ほども年の離れた高貴の女性である“女院(にょいん)”の声が、小説中にくり返し描写されている。
「高いと低いのふたつに割れたようなお声」その声に、西行はどうしようもなく惹きつけられる。

声が割れている女がよくわかりませんか?
たとえば、ええと。
賀来千香子とかさとう珠緒とか、岡田美里(堺正章の元夫人)とか……堺正章が「チューボーですよ!」にさとう珠緒をゲストに呼び、
「なんか、あなたの声が……!声が元のかみさんに似てる……!」
とビックリしていたのは、真実味にあふれていた。
イマドキでいうなら、小林麻耶・麻央姉妹が、ばっちり割れてる!
どちらかというと女優やアナウンサー向きではない悪声だと思うが、あの割れた悪声こそが、コケティッシュな魅力にもなっているでしょ。

「なっているでしょ」
夫に聞くと、
「そうかー?まったく興味ないね。」
彼は低めの通りのいい声が好みなので、割れた声の女の魅力がさっぱりわからないらしい。
これがわかると、『西行花伝』の女院の魔性もさらにフィジカルに感じられると思うのだが?
声の色気、どうよ?

by apakaba | 2008-12-13 16:28 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(10)
Commented by のこのこ at 2008-12-13 23:11 x
のこのこは声がイイ。とか、電話のあと眠れなくなった。とか、声が可愛いね。とか、色っぽい声。とか、声優になれそう。とか
声に関するほめ言葉ならいろいろあったけど、「だけど実物がなあ~。」というその後に続く言葉を飲み込んでだり吐き出されたり。
トホホ。

割れてる声、あまりピンと来ないけど音楽的に半音階よりもっと細かい四分の1音みたいな魅力があるんだろうな。
共鳴できずに揺らぐんだわ。うなるというか。聞いてると神経がかき乱されるんだよね。
Commented by apakaba at 2008-12-13 23:24
あ!
今気づいた。
私はこれまで一度も、のこのこさんと電話でしゃべったことがありません!
電話のあと眠れなくなったなんて、すごいわーーーーーーー!
眠らせないわよーってか。きゃああ。

男でも、声だけがいい男って、いるけど。たしかに。
「実物がなあ」なんて言わないよ。
声を褒めるだけ。
「実物がなあ」とか言ってたヤツは、それだけメロメロだったんだろう。
それも特技だよねえ。うひひだねえ。

>割れてる声、あまりピンと来ないけど

こ。こんなに具体例を挙げているのに……小林姉妹みたいな声だよう。
シャベリ声のなかに、ちょっとずつ息も混ざってしまうような声。
Commented by キョヤジ at 2008-12-14 00:49 x
ミタニマキの素の時の低い、有る意味「ドス」の効いた声と、興の乗った時の甲高い声のギャップも興味深いぞ、と。(笑)
Commented by apakaba at 2008-12-14 16:15
あー私は音域広いんですよ。
声の高いオンナがとてもニガテなので、できるだけ低音で話すように心がけているというのもあるな。
Commented by sora at 2008-12-14 19:57 x
割れている声?
うーん。ちょっと分らないなぁ。ハスキーでも無いんだよねぇ。
甲高い?いろんな周波数が混じっているってことなんだよね?

異性の声の好みかぁ。あまり考えたことないなぁ。
苦手な声はあるかもしれない・・。

自分の声ってよく分らないよね。僕の声は会社の内線でも、携帯でも、すぐに「僕」と分るらしい。

何か特徴があるとも思えないし・・。
Commented by apakaba at 2008-12-14 20:32
soraさん、こ、こんなにいっぱい具体例を挙げているのに!
まだわからんのかーこの子はーバシバシバシ(ちょうちゃく)

そうですね、周波数が混じっているというのがわかりやすいかな。
とりあえずテレビをつけて、「週刊賃貸」CMとか「チューボーですよ!」とかを見て。
小林姉妹の声が割れてる声。

>異性の声の好みかぁ。あまり考えたことないなぁ。

好きになるとその人の声が好きにもなるので。
そんなもんじゃないかな?
やっぱりセットだからねえ。
でもその人をぜんぜん好きじゃなくても「いい声だー」って感じちゃうときはある。

>すぐに「僕」と分るらしい。

声の質というより話し方ではないのか。
やっぱりセットだからねえ。
Commented by kaneniwa at 2008-12-14 23:33
本題ではないかもしれませんが、
私はギタリストが左手の手のひらがネックを
移動する時の 「キュッ」 という音が好きです。

Waltz for Debbyに入っている皿を洗う音も好きです。

アナログレコードに針を降ろした瞬間のパチパチ音も
好きです。

グレン・グールドの弾きながら出すうめき声も好きです。

一般的に 「ノイズ」 と呼ばれている音で好きなものが
いっぱいあります。

どうも、息づかいが聞こえてくるようなものは好きみたいです。

対極の世界にあるのが、銀行のATMやカーナビの
コンピュータの合成音の無機質な女性の声で、
私が悪夢を見るときには、必ずといっていいほど、
この息遣いというものがまったく聞こえない合成音が
頭のなかで響いています。

BYマーヒー
Commented by apakaba at 2008-12-15 08:12
マーヒーさん、わかります。
Waltz for Debbyはざわめきも入っていて、ライヴだなあという雰囲気がいいですね。
グールドを初めて聴いたとき「ん?なんだこの音は?」って惹きつけられました。
グールドのバッハはとても好きです。

本題ではないかもしれませんが、自転車のタイヤについている、糸のように細いゴムのびらびらしたヤツ(おわかりだろうか)、あれとか好きではないですか。
なんの役目も果たさないけどいとしいというモノ。
Commented by のこのこ at 2008-12-15 13:08 x
ああ私は声が高い女です。涙

好きな人が嫌だと言うものは自分も嫌になるよね。逆もしかり。無意識のうちに相手色に染まっていくのがほんとのパートナーだとよく思う。
声、小林姉妹がわかんねーもんピンとこないわ。ハスキーでもなく、まあいいたい話はわかるよ(笑)

女は耳で恋をするとは石田純一の名言だけど、私の場合は声が素敵と思った男は生理的にダメ、見た目含め生理的にいいと思った男は声がダメでした。そういやその男、声割れてたような。遙か昔で思い出せん。(笑)
そういやなにか一つでも違和感があると結婚はダメ、とはマキさんの名言だわ。
Commented by apakaba at 2008-12-15 15:10
のこのこさん、声高いかなあ?
私の思ってる声の高いオンナって、もっともっと、キャンキャンしてる声。
テレビのレポーターとか、若い女子アナみたいなの。
ああいうのが耳障りでキビシイわ。

>私の場合は声が素敵と思った男は生理的にダメ、見た目含め生理的にいいと思った男は声がダメでした。

はっはっはっは!笑ってごめん。
でもキモチワルイヤツで美声の男っているよね!
バリトンバリバリ〜ってね。


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