2008年 12月 29日

年の瀬、買い出し、歌謡曲

長い読者のかたはご存じのとおり、私は毎年完全におせちを手作りするので(かまぼこは買いますが)、12月の中頃くらいからすでに気分がどんより。
めんどくさいじゃん。
めんどくさいけど買うほうがイヤだというだけ。
だってすっごくおいしいんだよ。

クリスマスのごちそうを作るのもすんで、ついに今年もおせちのことを考えなければならなくなったのね。

面倒だからついついギリギリまで買い出しに行かず、栗きんとんのための水あめやくちなしの実が売り切れて半べそかいたり、田作りのためのごまめがぜんぜん足りなかったり、煮しめの飾りのきぬさやを買い忘れて「なんか、彩りが悪いなあ……」と盛り下がったり。数えきれない失敗をしてきました。
ここ数年は、ちゃんと早めにおせちのリストを作って、買い忘れのないようにしている。
主婦になって20年ちかくたつのに、ほんと、いつまでも段取りの悪い人間だわ私って。

元旦に親戚の新年会へ行くので、昆布巻きと伊達巻きをたくさん作って持っていくわ。
あと、食後用にケーキでも焼いていけばカッコがつくでしょう。

ひとりでクルマをあちこちに走らせて、リストを確認しながら買い物をする。
車内で歌謡曲を流す。
ふだんから歌謡曲は好きだけど、年末には圧倒的に歌謡曲が似合う。
なんでだろう?
やっぱり、私の小さいころには日本人がみんな見ていた、レコード大賞や紅白歌合戦を思い出すからなのだろうな。

堺正章の名曲「さらば恋人」と「街の灯り」を、つくづく完璧な詞と曲であることよ……と感嘆する。
つづいてちあきなおみの「喝采」を渾身の歌真似で唄ってみるが、この人の歌のすばらしさには、何度生まれ変わったとしても追いつけない。
ワンフレーズどころか、一音一音ごとが珠玉。
いつものように幕が開き……の「い」も「つ」も「も」も、それぞれひとつひとつの音からすでにきらきらきらっとパヴェダイヤのような輝きがこぼれてくるようだ。
本当にすばらしい。完璧な歌手だちあきなおみは。

年の瀬の歌謡曲は幼い女の子だった時代に引き戻されるけど、「喝采」のすばらしさは当時にはわからなかったなあ。

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暮れてゆく1年。
日暮れに向けて歩く。

by apakaba | 2008-12-29 21:56 | 生活の話題 | Comments(9)
Commented by kajikko at 2008-12-29 22:38 x
「喝采」いいよね。ちあきなおみはiTunesに入れなきゃと思いつつ、入れてない。「さらば恋人」もしかり。
歌謡曲がすたれてしまったのは、つくづく惜しいよなあ。
Commented by ogawa at 2008-12-29 22:56 x
おせちの仕込みご苦労さまです。
ウチは買うのと作るのと半々です。
買うほうは今日、錦市場で仕入れてきました。

私は最近歌謡曲というか70年代フォークをよく聞いています。
「いちご白書をもう一度」「花嫁」「ささやかなこの人生」「君と歩いた青春」とか・・・こちらもなかなかいいものです。

先日ひさしぶりに「喝采」を聞いてちょっと感動しました。
ちなみに「街の灯」は、関西では電力会社のCMに使われていて良い雰囲気ですよ。
Commented by ぴよ at 2008-12-30 02:27 x
「喝采」はちあきなおみさんの歌声よりも、ママのカラオケの熱唱が記憶に貼り付いているぴよです。
ママが大好きな曲なんだ。一緒にカラオケに行くと必ずこの歌は歌いますよ。後はペギー葉山の「南国土佐を後にして」
ジャンル違い過ぎる?年寄りだから許してよ(苦笑)

おせち、自作した事ありません@結婚16年
百貨店でおせちを注文した事はある。ここ最近は年越しで旅行に行くのでおせちを買う必要もないし。
ママも昔はおせち作ってたけど、パパが死んでからはおせちは百貨店で注文するようになった。自分の好物だけは沢山欲しいから自分で追加で作ってるみたいですね。
黒豆の煮物と田作りを今日作ってた。

結局「こんな豪華なおせちが♪」と喜んでくれる人がいるからこそ頑張って作れるという事よね。
眞紀さん、偉いなぁ~。ぴよにはそんな気力ないぞ。自分が遊ぶ事だけで一杯一杯だぞ(苦笑)
よいお年をお迎え下さいな。おせち作り頑張れー!
Commented by kaneniwa at 2008-12-30 07:42
私も、「喝采」 に関しては、実際のちあきなおみよりも
義理の姉さん(妻の姉)のカラオケでのパフォーマンスが
忘れられません。

彼女の 「喝采」は、ちょっとJAZZテイストというか、
ゴスペルテイストというか、
音程は外さないままに微妙なビブラートを
絶妙に効かせ、カラオケでの他の客の話し声を
黙らせてしまう力をもっています。
(彼女本人曰く 「天使が通る」 )

それは音楽的にも絶賛できるものであるのはもちろん、
歌に込められた物語の語り部となる中世の吟遊詩人
のようでもあります。

最後の決めのポーズにもいささかの迷いがなく、
歌い終わった後にマイクが静に天に掲げられます。

そして、彼女の唇は

「ありがとうございました・・・」

と静に動いています。

もう、最高なんです。

BYマーヒー
Commented by キョヤジ at 2008-12-30 15:21 x
喝采ぃ?
語ると長くなるのでやめておこう。
さらば。
Commented by 那由他 at 2008-12-30 21:54 x
「喝采」いい歌ですね。
ちあきなおみさん、ポルトガルのファドを歌っておられるそうですね。
「喝采」には、面白い思い出があります。
私の母が、鼻歌混じりに歌っていて、「あれは3年前、止めるあなた駅に残し・・」の次で、本当は「走り始めた汽車に」なんですが、「走り出した汽車」と歌うつもりで、「走り出し」まで歌ってしまって、メロディにあわせるため「走り出したる汽車にぃ~」と歌詞を変えて歌った私の母、可笑しい人です。
その血はしっかり私に流れてます。
Commented by apakaba at 2008-12-31 00:52
歌謡曲レス。
kajikkoさん、「心にのこる名曲」っていうシリーズをi Podに入れておくと大変便利よ。
ニッポン人には歌謡曲。

ogawaさん、ogawa家の手作りおせちはどんなのだろう?
うちとはぜんぜんちがうモノが出るのかなあーとか思ったり。
やっぱり、距離が離れていると、ひとくちに「おせち」といっても、微妙にちがうんだろうしね。

70年代フォークも、悪くないけど、私にとっては圧倒的魅力があるのは歌謡曲なんです。
フォークの連中は人生への“凄味”に欠ける。
歌謡曲の歌手の重さ・暗さ・そして凄味。圧倒的歌唱力。
成長期といえど根本的には暗かったニッポン。
フォークは「凄くなりたくなかった人たち」という点では歌謡曲のアンチテーゼになりえるかも。

「喝采」を大音量で聴くと、一音一音への切り込みの凄さにぞくっと来ますよ。
「街の灯り」の詞も本当にいいけどね。
Commented by apakaba at 2008-12-31 00:59
歌謡曲つづき。
ぴよさん、ママの熱唱は思いきりインプットされちゃいそう!
「南国土佐をあとにして」もいいよね。
おせちはさ、まあ、毎年書いてるけど、1年間手抜きをしてきた罪滅ぼしということで。
年にいっぺん見せつけておくと「うちのおかーさんはリッパな人だ」と思ってもらえるじゃん。

マーヒーさん、おねえさまの姿をうつしとった文章がまったくお見事です。
ちあきなおみ以上のものかもしれません!
そこにはやはり、おねえさまの「人生の凄味」が存在するのだと思われます。
ところで来年あたり、マーヒーさんが当地へいらっしゃらないかなあと期待しています。
なんかそばまで来ても声もかけてくれないしー。
こっちから出向こうかなあ。
マーヒーさん謁見を来年の目標のひとつにしようかな。とか思ってます。

キョヤジさん、さらば。
あれ、なにも語ってない……?
Commented by apakaba at 2008-12-31 01:02
歌謡曲さらにつづき。
那由他さん、ファドをしっかりと聴いたことがないので、一度体験してみたいなあと思っています。
人の声は、すばらしい歌声だとほんとに感動しますからね。

ああ、お母様は惜しかったですねえ。
しかし本当の歌詞は「動き始めた汽車に」です。
ということは、「動き出したる汽車に」とか唄ってしまわれたのかな?
歌詞をアドリブで歌えるのもプロの歌手の芸のうちというけど……


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