2009年 04月 22日

髪型を変えに行く(そしてその道中の音楽)

髪型を変えようと思っていて、ここ数日、街ゆく女性のアタマをずっとチェックしてきた。
気付いたのが、とくに若い人は、「みんな、けっこうエコノミーなアタマをしているのね?」ということ。
とりあえずカラーは入れているが、だらっと伸ばしっぱなし・ナナメ前髪のミディアムロングを、そのままか、ひとつに束ねているくらい。
髪型と呼べるほどの髪型を、していないのだな。
私が若かったころみたいに、女性は全員ソバージュとか、全員サーファーカットとか、全員聖子ちゃんとか、そういう現象は今では見られない。
過度な流行はつねに滑稽さを伴うので、今の女性たちの脱力ヘアスタイルは、いいと思う。
しかしお金をかけていないことは一目瞭然だ。
不況アタマと命名。

夕方に予約が取れたので、クルマで片道1時間の美容室へ。
往きはきのうにつづいてSteve WinwoodのBack in the High Lifeと、U2のHow To Dismantle An Atomic Bombをかける。

15年くらい前からなじみの美容師さんは、あまり短く切らないで、カットとパーマでイメチェンを図ったらどうかというので従うことにした。
短くしすぎると老けるからねえ。

きのう、「髪を短くしようと思う」と子供たちに言ったら猛反対に遭ってびっくりした。
次男は「髪を短くするとおばさんぽくなる」と決めつけるし、とくに娘の「コシヒカリ」は、私の髪に前からなぜかとても執着している。
私の、長くてツヤツヤの髪(私は髪だけは艶やかで年を取らない)が憧れのようで、よく触ったり、「三つ編みやらせて」と言って遊んだりしていた。
今日も出かける直前に
「おかーさん行っちゃうの!待って待って!写真撮らせて!」
と、あわてて携帯カメラとコンパクトカメラで撮っていた。

自分が子供だったころ、母親の髪の毛なんか気にしたこともなかった。
ただ、母は白髪の少ない髪だったのに、50歳くらいで大病を患ったあとに白髪が激増したため、初めて白髪染めをしてきたとき、“お母さんの真っ黒だった髪が茶色くなった。おばさんぽいなあ”と思った覚えがある。
年齢も違うけれど、私の冷淡さと較べて、娘は「やだやだおかーさん、髪切らないで!」といやに執着する。

「じゃあどんな感じのスタイルがいいでしょうか?」
美容師さんに尋ねてみると、
「逆にこの長さを生かして、ところどころランダムに短い毛束を作って……わかりやすく言うと、麻丘めぐみがやっていたような……」
「ああ、『愛と誠』みたいな……?」
「そうそう、ああいうバツンとした段をいくつか大胆に入れてですね……」

(一体このたとえは、本当にわかりやすいのでしょうか?)

「毛束になる段をいくつか、おもしろおかしく作って、そこにパーマをかけるとなかなかおもしろいと思います。」

(この、“おもしろおかしく”というのがとても気に入ったので、彼の提案を採用した。)

たしかにおもしろおかしい髪型になって、いつもながらさすがの腕前だと感心する。

帰りにはU2の残りと、美容師さんとの会話で出たからZEPのⅣをかける。
Ⅳを1枚分全部聴くことはふだんはあまりないのだが、意外と夜のドライブに合うなと思った。
とくにThe Battle Of Evermoreの演奏は、暗闇の荒野を走っているような気分へと誘われる。
頼りないヘッドライトに浮かぶ未舗装道路に目をこらして、こらしているつもりがいつの間にか意識がよそへ、暗闇のほうへ、飛び去っていくようなドライブ。
本当は工事中の山手通りを爆走しているのだが。
それにしても、Stairway To Heavenという曲は、音楽史に100年残る曲だな……とも思う。
“聞き流す”ということを決して許さない曲。
Ooh, it makes me wonder……が始まる直前のギターからは、もうどこかちがう場所へ連れて行かれる。
それがどこなのか……この曲は、あらゆる場所へ連れて行く。
たとえば、停電ばかりのどこかの国の安宿の部屋。
豆電球の下、ガタガタの椅子で片膝を抱えて、なにもしていないひとりきりの自分が見える。
ざらざらしたテーブルで日記を書く。
爪に詰まった土埃を、もう一方の手の爪で取る。
でもちょっと髪の間に指を入れて、頭を搔くと、またたちまち爪が真っ黒になっている。
なぜこんな景色が見えるのか、とても不思議だ。

この曲のことを、前にも書いた。
ツェッペリンⅣは人生のあらゆる局面にマッチするというのを、5年前に書いたことを、聴いているうちに思い出した。
あのときは、今6年生の「コシヒカリ」はまだ幼稚園児だったのか……と、年月の速さに泣きたくなる。

それにしても、音楽を聴いて泣きそうになったり意識が別のところへ行ってしまったりでは危ない。
Ⅳが終わったので、最後はこれも夜にぴったりのアルバムでDonald FagenのThe Nightflyで締めた。

by apakaba | 2009-04-22 23:19 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(6)
Commented by のこのこ at 2009-04-23 09:11 x
短くて茶髪はオバサンぽいとかピンクはデブダサでダメとか毎度よくケンカ売ってくれるよなあ~(笑)

でもアナタのその驚きの綺麗な髪は何よりの財産よね。やっぱり切ったらもったいないわよ。私も二十代までは自慢の黒髪だったのになあ、ホントにうらやましいわ。

それにしても美容師さん、よく浅丘めぐみとか愛と誠とか通じたよね! 私の年代でもギリギリというかリアルタイムでは全くわかんないのに。
その新しい髪型、子供たちの評判はどうだったのかな。
また写真撮ってもらって是非見せてくださ~い!
Commented by apakaba at 2009-04-23 10:39
のこのこさん、

>短くて茶髪はオバサンぽいとかピンクはデブダサでダメとか毎度よくケンカ売ってくれるよなあ~(笑)

なにをおっしゃるやら。
今イチバンピカピカで幸せに輝いている人気者がおほほ。

私って本当にめんどくさがりで自分を雑に扱ってしまうので、たまには髪型でも変えないとカビ生えそうでさ。
ネイルもメンドクサイ、マスカラもメンドクサイ、ヘアカラーもメンドクサイ、朝、着替えるのすら面倒で面倒で。
ほんと、腐女子だよ典型的な。
午後まで顔も洗わずパジャマでいるとかヘーキだもんね(お客さんも家に上げちゃう)。

あ、美容師さんは50近い人なのでまったく問題ないです。

「コシヒカリ」はがっかりしていました。
「アキタコマチ」は無言。
「ササニシキ」はアイロンあてただけだと勘違いしていた。
夫は無関心。またーく興味ナシ。
写真はここにはあげないよー!
Commented by ogawa at 2009-04-23 21:09 x
なかなか素敵はカットをされたようで。
私も学生時代から切ってもらっている美容室に通っています。
もう30年か・・・

「ツェッペリンⅣは人生のあらゆる局面にマッチする」する文章。
初めて眞紀さんの文章にコメントを書いた記事ですね。
もう5年経つのですね・・・時の流れは速いなぁ。
Commented by apakaba at 2009-04-23 21:29
ogawaさん、学生時代からってすごい!
私も、今の美容師さんが店を閉めたりしたらこの先どうしよう?と、夫とともに(いっしょに通っているので)今から困っています。

ネットのつきあいって時間の感覚が独特というか、いつの間にやら時が経っていることに驚きますねえ。
Commented by ぴよ at 2009-04-23 22:25 x
のこさんと同じく、ピンクのニット買って髪の毛をつい最近すごく短くしてパーマ掛けたおばちゃんでーす(涙)
「ラーメン大好き小池さん」みたいな可愛い髪形なのにぃ!
・・・そもそも小池さんの髪型が可愛いかどうかが論点でしょうか。

車で1時間も掛けて行くなんて、その美容院は本当に眞紀さんと相性が抜群なのね。相思相愛の美容院があるって幸せな事よ。
ぴよは高校からずーっと「mod's hair」の某支店に通っていて、結婚後東京に来たので青山の本店に行けばいいものを、何故か実家近くのその支店に電話で予約を入れては毎回新幹線に乗ってヘアカットしに通っていました。
まあ、実家に帰る理由が欲しかっただけなんですがね(苦笑)
ちなみにその支店は結婚後数年して潰れた。何故潰れる!

ツェッペリンで盛り上がれるのって、もしかしたら私達の世代くらいまでなのかなぁ?私達の世代より上の人達の宝物っていうイメージなんですよ。
ジョン・ボーナムが亡くなった時は本当にショックだったよなぁ。
Commented by apakaba at 2009-04-23 22:48
あのー髪が短いとおばさんぽいと言ったのは、あたしじゃなくて息子ですから!
小池さんは表情がかわいくないからねえ(ナゼ、真面目に検討)

お気に入りの店がなくなるって本当につらいね。
飲み屋とか定食屋とかでも。
mod's hair青山本店なんて私には敷居が高すぎて無理だわ、いえ、たとえ支店でも!
美容院はカットの技術も大事だけど、接客でストレス感じるともうイヤ。
この美容師さんはほんとナイスだよ。

ZEPは日本では我々世代より上だけど、イギリスでは、今でも、男性ボーカルの人気投票で一位を獲得するのはロバート・プラントなんだって!
(まあ、彼も芸歴長い人だけど)
イギリスの至宝なんでしょう、あのハイトーンヴォイスは。


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