2009年 06月 02日

神宮の森

先日の明治神宮で、ひとつ忘れがたい体験をした。
広大な敷地内にある神宮会館でパーティーがあり、7時半ごろに終了した。
原宿駅へ向かうために参道を歩いたのだが、そのときの暗さが。

真っ暗闇だった。
街灯もほとんど灯っていない。
細かい砂利道なのでヒールのついた靴では歩きにくく、片一方が脱げてしまったのだが、脱げた自分の靴も見えないほどに暗い。
「うそ!暗ーい!」
「江戸時代かよ!」
「東京の真ん中に、こんなに暗いところがあるんだね。前を歩いてる人が、亡霊の行進みたいに見える!」
とか話していたが、この神宮の森は、つくられてからまだわずか80年しか経っていないのだ。
明治神宮のサイト内、明治神宮の自然・見どころのページによれば、この森を造営するにあたって、時の総理大臣だった大隈重信は「スギを植えよう」と言い張ったとか。
よかった、杉林じゃなくて、照葉樹林になって。
東京の真ん中に、スギの人工林は似合わないもの。

東京は不思議なところだ。
住むようになってから、たびたび思う。
終日ひとで押し合いへし合いになっている原宿駅のすぐ脇に、どんな山奥よりも真っ暗な闇が横たわっていたなんて。
あの暗闇は、閉園時刻を過ぎても明治神宮のなかにとどまる用事がないと体験できないけれど、夏の夜にでも一般に開放して「都会の真っ暗闇体験」とかできたらいいのにな。
東京ならではのおもしろさを、知ってもらう機会になるんじゃないかなあと思った。

by apakaba | 2009-06-02 18:34 | 生活の話題 | Comments(4)
Commented by kaneniwa at 2009-06-02 20:11
大隈重信は早稲田大学をつくるだけじゃなくて
杉の森もつくろうとしていたのですね。

ただ、育つのが早い杉の植林の大ブームが
ちょうど明治時代のその頃からだそうなんです。

全国で、ブナ林などが杉林にとって代り、
今の花粉症などの原因のひとつになっています。

BYマーヒー

Commented by apakaba at 2009-06-02 22:36
マーヒーさん、ブナ林にスギ林がとってかわったんですね(「に」と「が」が逆で意味が正反対になってしまいますね)。
大隈さんのイメージする、「鎮守の森」にはきっとスギがぴったりだったんだろうな。
その気持ちもなんとなくわかるけど(高野山の奥の院とか)。
まあ、私は落葉広葉樹の森が好きだけど。
Commented by sora at 2009-06-03 07:27 x
東京に住んで長いけど、明治神宮に行ったのは昨年が初めてでした。

あまりにも暗くて、撮影に苦心した覚えがあります。暗がりの参道を抜けて、ぱっと本殿が現れる。
とても神々しい雰囲気でしたよ。

原宿の雑踏と明治神宮を無節操な都市計画の為せる業なのかどうかビミョーですが。
そこが東京の良さなのかもしれませんね。

井の頭公園もかなり暗いよね。

キャンプで富士の杉林の中を散策しました。
とても暗い森でした。
直線美というか、あのすくっとした木々の間を歩くと気持ちもすくっとする感じがするなぁ。
その美しさに惹かれて杉林を沢山撮ってきました。
難しい被写体だったけど。
Commented by apakaba at 2009-06-03 08:09
soraさん、私も実は3年くらい前に明治神宮に行ったのが初めてでしたよ。意外と行かないのよね。
ちょうど菖蒲が見頃で「きれい!きれい!」と感激したのですよ。
あ、ちなみにそちらでお尋ねのあった「あやめと菖蒲のちがい」ですが、あやめは乾燥した地面で育ち、菖蒲は湿地が好きなので別の種類です。
あやめを菖蒲と書くのはたんなる当て字で、混乱するだけですね。
漢字って厄介ね。
しょうゆに油を使っていないのに「醤油」と油の字が当てられるようなものかな。

井の頭公園も暗いですねえー。
東京には天皇関係の森がたくさんあるので、ありがたいことです。
東京に広大な緑をくれてありがとう天皇家!って思います。

スギは、自生するものはいいけど、安易な植林では森がだめになってしまいます。保水力がなくてね。
私は、日本の山奥の杉林を見ると、「こんなところまで植林したのか」と暗い気持ちになってしまいます。


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