あぱかば・ブログ篇

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2009年 08月 01日

最後の昭和の男・福山雅治

6月に発売されたニューアルバム『残響』の中で、私が「こ、これは!」と聴き入ってしまったのが「ながれ星」だ。

イントロ、歌詞、間奏、リフレインするさび……どこをどうとっても、“昭和のかほり”だ!
この、なんとも、湿っぽーい歌の世界。
場末のスナック的曲調。
さびしーい女。

「少し酔ったみたい 帰ろうかな まだ呑もうかな」
……たまらんねえ。
聴いているだけで、やすやすと歌のなかのヒロインになりきれてしまう。

いっしょに収録されているシングルカットの「化身」も別の雰囲気で昭和のかほりがプンプンするが(アン・ルイス風じゃないですか?)、私には「ながれ星」のほうが、よりずるずる歌の世界に引きずられていった。

福山雅治は、たぐいまれな人だと思う。
ルックスはあのとおりなのに、作る歌があまりにもイマドキの若いヤツの曲とかけ離れている。
ああいう世界を作れる人って、彼のあとにはもう出てこないでのはないかと思う。
昭和歌謡がいつでもお茶の間に流れていて、アメリカンロックにあこがれ、カッコイイ男になるためにはガキのころからギターをいじらねばと信じてた……という、我々の世代にばっちりはまるのです。

ゆうべ飲んでいるときに、私が
「あのさー『残響』の中のさ、「ながれ星」ってあるじゃん。」
というと、夫が
「あーあの昭和っぽいヤツだろ?」
と即座に答えたので、“やっぱり!この人もそう思ってたんだ!”とうれしくなった。
うちは5人全員で福山を聴いている状態なのだが、世代をまたいで同じ人の歌を聴いていることも奇妙だと思う。
たとえば私と私の親の世代は、けっして同じ歌手の音楽を聴いたりはしなかった。
世代間格差がちぢまっているのはたしかだろうけれど、それ以上に、福山がそういう歌を作る人だから、ということに因るところが大きいように思う。
だって他のJ-POPな人々の歌など、私たちにはとうてい聴くに堪えないもの。

子供たちからすると、彼の昭和風の歌はどのように聞こえているのだろう?
とくに古くさくてイヤだとは思っていないようだ。
でも、「ながれ星」のような曲を聴いたときに感じる、心の奥に忘れていたチャンネルをかちゃかちゃっと(手回しチャンネルなの)回して、「ハイ、ここね。昭和ね。」と、パッと時代を映されるような感覚は、彼らにはないだろうな。
子供たちからすると、カッコよくておもしろいあんちゃん風。
我々の世代からすると、「よくまあうまいこと昭和っぽさを再現すること。やっぱりあんたは同世代の仲間だよ!」と思ってしまう存在。
福山が、昭和最後の歌い手だ。

by apakaba | 2009-08-01 01:05 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(5)
Commented by kaneniwa at 2009-08-01 01:11
福山雅治 が 銀座カンカン娘をカヴァーしているのを
聞いたことがありますが、 昭和のレトロさを歌うのでは
なく、昭和の時代の新しさを表現していて好感を
もったことがあります。

BYマーヒー
Commented by apakaba at 2009-08-01 01:17
銀座カンカン娘はほんっとうにカッコイイですね!
出だしは軽く小さくて、どんどん華やかにバァァ〜〜〜ッと、昭和の大輪の花が開いていくような。

すべてのすぐれた歌手に共通することですけど、いい歌手って、カバーの力が素晴らしいんですよねえ。
元歌のよさに思いを馳せさせつつ、自分らしさをグッと出して、かんこつだったい(なんでひらがなよ?)

それにひきかえ、先日、矢野顕子の名曲「ひとつだけ」を桜井和寿がカバーしているのを聴きましたが、まったくぶちこわしでした。
キヨシローがカバーして矢野顕子といっしょに唄う「ひとつだけ」は、100%泣いてしまうのに。
Commented by apakaba at 2009-08-01 09:12
あっまちがえた!
「東京ブギウギ」だった!
Commented by kaneniwa at 2009-08-01 21:20
えっ? 買い物ブギ?

BYマーヒー
Commented by apakaba at 2009-08-01 23:41
ちがうってー。
服部良一トリビュートアルバムに福山が「東京ブギウギ」で参加していたのです。


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