あぱかば・ブログ篇

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2009年 09月 19日

子供に笑わされる体験

隣に住む母から青りんごをもらったので、今朝「コシヒカリ」がむいて食べました。
「おかーさん、このりんご、いつの間に買ってきたの?」
「ああ、それはお隣のおばあちゃんが持ってきてくれたの。おじいちゃんが『俺は赤くないりんごは好きじゃないんだ』って言って食べないんだって。せっかく買ったのに!って怒ってたよ。」
「ふーん。そんなの先にむいておいて、『はい。おりんごよー』って知らんぷりしておじいちゃんに出せば、気が付かないで食べちゃうのに。」
「えっ!あんた頭がいいねえ。よく悪知恵を働かせるねえ!アハハハ!」

赤いりんごと青いりんごは風味がちがう、とか、そもそもりんごはたくさんの種類があって、皆それぞれ味がちがうのだ、という難しい話は置いておいて、私は、娘の機転(悪知恵)に感心しました。
きっと、ここまで読んだ人のなかにも「自分もそう思いついた」という人はたくさんいると思います。
私はあまりこういう知恵がぱっと働かないほうなので、子供らしい思いつきにはいちいち「へえ!」と感じ入ってしまいます。

私は、自宅で子供に勉強を教える仕事をしています。
小学生が中心ですが、希望があれば幼児の生徒も受け付けています。
一番小さいのは3歳の男の子です。
このごろになって、ひらがなを書く練習に入りました。
“の”が出てきて、
「ここにぐるっと“の”を書いてね。お手本をていねいになぞってね。」
と指し示すと、“の”の手本を見たとたんにその子が「わっ!」と叫びました。
「あーっ!“の”は、“つ”の、おともだちだ!」

不思議なことを言います。
「“あ”と“め”は、にてるね。」とか「“い”と“り”はそっくり。」とか言う子供はよくいますが。

実際はまだ舌足らずな口で「“の”ぁ“ちゅ”のおとまぁちらー!」と言ったのですが、幼児の発音には慣れている私は
「“の”は“つ”のお友だち?どうしてだろう?」
と聞いてみました。
「“の”ぉなかに、“ちゅ”ぅが、はいってっから!(=“の”の中に、“つ”が入っているから)」
“の”の字の後半部分というのか、ぐるんとまわすところが“つ”に類似していると言いたかったようでした。
こんな小さい子供に、月謝をとって勉強をさせるなんて、いったいなにを教えたらいいんでしょう。と思ってしまうこともありますが、こういう言葉を聞くと、子供にとっては、勉強と遊びの区別などなくて、ただもうなんでも発見することがおもしろいんだなあと実感します。
大人の目にはもう見えないことが、子供には見えていて、それを子供の表現で伝えようとします。
「おともだちだ!」なんて、絶対に大人からは出せない伝え方です。

でも子供が相手だと、大人もせっぱつまった状況になれば、子供みたいな発想ができるものです。
もう5年前、「コシヒカリ」が今みたいに悪知恵を働かせていなくて、天使のようにかわいかった時代、漢字を電話で説明するのに困り果て、とっさに自分でも「私、天才!」と得意になったエピソードがあります。
「井」という漢字はどう書くの。と題して書きました。
我ながらこの機転は傑作だったと思っていましたが、先日この話を娘にしたら、まったく忘れていました。

子供と関わっていると、こんなふうに、毎日笑い転げたり感心したりの連続です。
仕事でも家庭でも子供が相手なので、「(うちの子も、よその子も)みんな、かわいいなあー本当に」とつくづく思います。
よく、ある程度の年齢のいった女性をさして、「あの人はいかにも“お母さん”らしいね。」「うん、お母さんっぽい雰囲気があるよね。」と言ったりすることがありますが、きっとお母さんらしさというのは、子供に笑わせてもらった回数でだんだん身についていくものではないでしょうか。
大人との会話で笑うことと、子供がもたらしてくれる笑顔は質がちがうように思います。
温かいけどせつなさが混じる笑い。
やがて成長とともに失われるからせつないけれど、やっぱり温かい笑い。
子供に笑わされることは、一見シンプルそのもののようでいて、実は重層的な体験です。

by apakaba | 2009-09-19 13:40 | 子供 | Comments(2)
Commented by sora at 2009-09-22 17:01 x
僕は子供との会話でも笑わせてもらっているけど、絵でも結構笑えるんだよね。

どーして、この図柄がココにある?でも理由があるんだよね。

話しを聞いてみると、あぁ、そういえばあの時、あれが確かにあったけど、時系列的にも、本題とはズレているんだけど、キミの記憶的には、時系列関係なく、これは、本題と強く結びついていて、そして、それには重要な意味が込められているんだ・・と。

笑えるんだよね。子供の絵は。言葉では表せないものを表現してくれるんだよね。

家族を描いてくれるのはいいんだけど、父である僕が一番小さく描かれる時期が長く続いた。存在が薄いのかと反省したけど(笑)。

Commented by apakaba at 2009-09-22 23:01
soraさん、絵ねえーおもしろいよね。
捨てられないんだよねこれが。
でも、きりがないから写真に収めて捨てたりしてたな。
子供が大人に較べて劣っていることなんかなくて、ただ言葉を使っての表現が追いついていないだけなんだと思わされることがありませんか。

僕の絵が小さいってアハハ……(なんか、せつじつ!)
物理的に接している時間の長さに比例してしまった時期かな。


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