2009年 12月 04日

感謝しています

広島・岡山旅行記を完結させてから、しばし書く気ダウン。
受験生がふたりいて、朝早い夫と夜型の受験生たちの両方に生活を合わせるのが堪えるためと、小学校の委員会活動などの用事が込み合っていたためである。
なにより、せっかく久しぶりに一生懸命書いてきた連載に、はなはだ反応が薄かったからだ。
(コメントくれた方ありがとうございました。)

更新すればアクセスは上がるし、アクセス数とコメント数が正比例ではないことは、よそのブログなどを見てもわかっているけれど、私はアクセス数よりも、読む人が読んでくれて、もしそれが批判だとしても感想や意見を知らせてくれるほうがうれしいタイプなので、「やっぱり、つまらなかったのだな。」とがっかりした。

それで気分転換に、女同士を毛糸でつなぐ夢、というより野望を書いてからなかなか進まなかったマフラーを、だらだらネットを見る時間をカットして編み始めた。
やらなきゃ冬が終わっちゃうしね。

編み目記号もなにもかも忘れ果てていたところからの再開なので四苦八苦し、隣の母に教えてもらったりしてどうにか軌道に乗った。
「やったー!思い出した!楽しいわー!」
すっかりうれしくなって、きのう2時間くらい編んじゃった。

しかし久方ぶりにやってみてわかったけれど、模様編みのつづく編み物って、やりながらでは本も読めず、お風呂にも入れず、当然ネットや映画を見ながらやることもできず、音楽でもかけながらやるしかないのね。
必然的に、編み物にまつわるいろんな昔のことなどを思い出したり、心に自然と浮かんでくる物事を自分で反芻しながら編んでいくしかない。
編み物というのはなかなか内省的な趣味だな。
いかに今の自分が、目からせわしない刺激を受けて暮らしているのかがわかったよ。

昔、母からも編み方を教わったけれど、なぜかよく覚えているのは、伯母が教えてくれた思い出だった。
「おばちゃんは左利きだから、ふつうと逆回りに編むんだよ。」
「お前はずいぶん手が固いね(編み方がきついという意味)。ほら見てごらん、おばちゃんなんかうーんとゆるゆるに編むよ。これだとゲージが変わるからね。お前の手(編み方)だと、できあがりが小さくなっちまう。」
もうとっくに亡くなった伯母には、娘がいなかったから、私が編み物を聞いてくるのは嫌ではなかったのかもしれないな。

編み物は、はじめはネットに較べてあまりにものんびり時間が流れるのがもどかしく感じるが、つれづれと思い出が湧いてくるのが楽しい。
永久に編んでしまいそうなのを自制し、テーブルに編みかけを置いて、買い物に出た。

戻ってきたら、えらい惨事になっていた。
コーシローが、毛糸玉をメチャクチャにこんがらかしてしまっていた!
犬は、動物のにおいのする暖かいものにじゃれつくのが大好き。
留守中に、牙や前足でさんざんほどき、ひっくりかえって体をなすりつけて恍惚としている様子がすぐに浮かぶ。
そして私は、こんがらかった毛糸をほどくのが、大の苦手!
衝動的に、この一玉まるごと捨ててしまいたくなるが、これはなかなか高級な糸だったのでそれももったいない。
泣きべそになっていると、娘の「コシヒカリ」が、
「うわー、コーシローやっちゃったね!わたしがほどいてあげましょうか。」
と言う。
「え、でもこれすごいよ。大変よ。おかーさんもうイヤー!やりたくないー!」
「まあまあ。わたしにまかせなさい。」
この会話ではどっちが子供だかわからない。

1時間半かけて、すっかりきれいにほどいて巻き直してくれた。

私はこういう根気強いことが本当に苦手なので、自分と娘との性格のちがいに驚いた。
「ありがとう!もうダメかと思ってた。」
「うん、いいの。わたしこういうこと好きだから。がんばって編んで仕上げてね。」
「ありがとう!がんばるね!今度、お礼になにか買ってあげるね。」
というやりとりをしながら、昔にもこんなことがあったなと思い出していた。
当時つきあっていた男の子に、セーターだかなにかを作っている途中、やっぱりなにかのはずみに糸がからんでしまい、「ぎゃああもう無理!」と私が騒いだ。
彼はまるで今の娘のように、「まあまあ」となだめながら、コツコツほどいてくれた。
あの人は、どうしているだろう。

「おかーさんって、編み物できるんだね。」
「昔はなんでもできたんだけどねえ。でも、これが初めて自分用に作るのよ、今まで人にあげたことしかなかったの。」
「え。そうだったの!誰に作ってたの?」
「昔つきあってた男の子とか(そろそろお年ごろの娘は、そこでパッと目がまん丸)。あと、子供たちにも昔は。」
「へえー!」

そうか、編み物は、本もテレビもネットも見ることができないけど、おしゃべりはできるんだな。

旅行記のことがすっかり頭から遠ざかっていた。
夜になってメールチェックをすると、ある人からのメール。
広島・岡山旅行記の感想を、とても、とても、とてもていねいに書いていただいていた。
コメント欄に書いてほしかったと一瞬思うが、コメント欄ではこんなにていねいには書ききれないだろう。
つまらなかったのだなとがっかりしていた気持ちが吹き飛んだ!

昔も今も、いろんな人にお世話になっているものだなと思ったわ。
母や、伯母や、娘や、昔のカレや、ていねいにコメントをくれる人や……直接のコンタクトがなくても、ほかにもどっさりと。
長く生きれば、だれでも同じなんだろうけど、ふだんは意識しないもんね。
やっぱり編み物を再開してよかったなあ。

c0042704_9135970.jpg


毛糸玉では絶望にたたき落としてくれたこの犬にも、感謝?

by apakaba | 2009-12-04 09:25 | 生活の話題 | Comments(4)
Commented by キョヤジ at 2009-12-04 20:00 x
旅行記云々じゃなくて、こっちにコメントする気力がないだけ~。
そんだけ~。
Commented by apakaba at 2009-12-04 20:08
おじさんてひどい〜。
そんだけ〜。
Commented by キョヤジ at 2009-12-04 22:21 x
ひどいだなんて言っちゃイヤン♪

旅行記を読んで「へぇ~」と思っても、それを文章に紡ぐ作業って大変なんだよねぇ。
その気力が今、無いのよ。
そゆこと。
Commented by apakaba at 2009-12-04 22:32
いろいろとつらいとこなのね……


<< アダルトになったJAMIE C...      広島・岡山旅行その8(完結) ... >>