2010年 03月 18日
その6のつづき。 牛の赤い目からは、涙が流れているように見えた。 角度を変えると、口元に笑みを湛えているように見えた。 学問の神様である北野天満宮には、2月の入試シーズン真っ盛りのためでもあるのか、人波が押し寄せている。 この京都で、もっともっといろんなところを廻りたいのはやまやまだが、私自身も受験生ふたりを放り出して旅行に来ている身である。そろそろ時間切れだ。 名物の梅を期待し、ここを最後にして帰ることにした。 2月中旬、梅は三分咲きだった。 それでも臘梅はよく咲いていて、香りを振りまいている。 色は地味だが香りはひときわ華やかで、通る人は皆、足を止めて胸に早春の香りを吸い込んでいた。 しかし写真を撮る人の多いこと、その真剣なことには、自分も興奮してバシバシ撮っているくせに、苦笑してしまう。 いつからこんなにカメラ人口が増えちゃったんでしょう? 花を付けている木が少ないため、咲いている木のそばに人が集中する。 ほんとはあんまり咲いていないけれどどうにか梅の咲いたうれしさを表現したい!いっぱい咲いているように見せたい!と、人々のがんばる様子が微笑ましい。 『京都の空間意匠』という本を読んだことをきっかけに、ほんの短時間ながら、けっこうたくさんのスポットを廻ったな。 若いころのような放浪型の長旅はできないけれど、今のような学習型旅行も楽しい。 ここ数年、一泊程度でいろんなところを駆け回っている。 近江八幡・ヴォーリズ探訪の旅 大阪滞在24時間 神戸・北野観光 〜“異国の中の異教徒”と『細雪』を追う〜 旅立て新婚旅行! 広島・岡山旅行 ……こうして並べてみると、東京から西へ向かう旅に集中していますな。 西方浄土デスカ。 次回はがらっと目先のちがう学習型旅行をしたいな。 最後の食事は、北野天満宮からすぐのTO-FU CAFE FUJINOという店で、豆腐や湯葉、生麩などを盛り合わせたプレート。 こういうの好きー! おいしかった!
by apakaba
| 2010-03-18 11:42
| 国内旅行
|
Comments(8)
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ogawa
at 2010-03-18 22:19
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梅の走りですねぇ。
春の兆しの京都。 あと一週間したら桜・・・春はもうすぐですね。
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apakaba at 2010-03-18 23:27
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f--kforever at 2010-03-20 23:20
豆腐系の料理、おいしそうですねぇ^^。それにしても、牛はほんと、涙流してそう。何が悲しいんでしょうね。そんなことはおいといて、ああ、京都行きてぇって気分満載になるブログでありました。ありがとうございましたm(_ _)m
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apakaba at 2010-03-23 21:13
いえいえ。こちらこそショボイ連載に付き合っていただいてありがとうございました!
豆腐の店は、食べ盛りの男子には物足りないでしょうけど、味はどれもおいしかったですねえ。 まー私がゆばとか生麩とか大好きだからというのもあるな。 京都は、街の懐の深さが凄いなといつも思います。
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ぴよ
at 2010-03-25 08:44
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完結してたので一気読みしました。
本に触発される旅、というのは面白いですね。 私は旅に出て、戻って来てからその地について書かれた本を探して 読むという事はあるんですが、よくよく考えたらその逆はなかったなと。 もしかしたら読んで旅立ちたいと強く願う程の本に巡り会っていないだけなのかも。 和泉式部のくだりでは読みながらコチラもワクドキしました♪ 平安の世を自由奔放に生きた才女に対する敬愛が伝わるいい文だなぁ~と。 本を読んでその地を訪ねたいと思ったことは今までなかったけど 眞紀さんのこの紀行文を読んで、春の京都を訪ねたくなりましたワ♪
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那由他
at 2010-03-26 16:48
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眞紀さんのご紹介の「京都の空間意匠」、図書館にリクエストしたのが、今日、連絡があり借りてきました。
まず、本の方を読んで眞紀さんの文を読ませてもらいますね。 よかったよ~と、本を薦めてもらうのは、本との出会いのきっかけになるのでありがたいです。 一緒にリクエストしていた「おひとり京都の愉しみ」(柏井壽 著) http://www.excellentstore.bne.jp/ec/pd/view_detail/4334035264 も借りてきました。偶然ですが、同じ光文社新書でした。
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apakaba at 2010-03-26 22:54
ぴよさん、つまんない旅行記にどうもありがとう。
私はけっこう本がもとで旅立つことが多いなあ。 フランスに3回つづけて行ったのも、本がきっかけだったし。 最近、エキサイトブログで「ネームカード」というものを作るだけで1G無料になったので、気が大きくなって写真満載にしています。 和泉式部のことはいつか書きたかったから、貴船に行けて本当によかったわ。 京都は何回行っても楽しいです。
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apakaba at 2010-03-26 22:58
那由他さん、やっと届きましたか!よかった。
早く読んでくれるといいなと思っていました。 今、読んでいる本は光文社じゃなくて集英社新書ですが、新しい新書(新しい新書?)ってけっこうおもしろいのが多いですね。 やっぱり「今」な感じで。 京都の人で京都が「つくられた街(テーマパークっぽいウソ臭さ)」と評して嫌っている人もいます。 その感覚もよくわかるけど、やっぱりホンモノのよさもいっぱいあると思うので、私はまだまだ通いつづけますわ。 |
アバウト
以前はエイビーロード「たびナレ」や「一生モノ https://issyoumono.com/」などでウェブライターをしていたが今は公立中学校学習支援教員のみ。 子供のHNは、長男「ササニシキ」(弁護士)、次男「アキタコマチ」(フランス料理店料理人)、長女「コシヒカリ」(ライター・編集者) by 三谷眞紀 カレンダー
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