あぱかば・ブログ篇

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2010年 04月 08日

人生の節目、ジェイミー・カラムの歌声は流れる

ゆうべ、JCBホールで行われた「JAMIE CULLUM JAPAN TOUR 2010」へ行ってきた。
昨年12月にアダルトになったJAMIE CULLUM『The Persuit』への賛辞と題してレビューを書いた。
その後、来日公演があることを知り、夫に日頃の感謝を込めてチケットを取っていた。

ニューアルバム『The Persuit』を聴きながら、この人はライヴだったらどんなにすばらしいだろう、と期待はしていたが、期待をはるかに超える最高のコンサートだった。
セクシーで元気いっぱいな彼が、ますます大好きになった!

彼のジャズを聴いていると、“人生は、これでいいのさ”という、楽天的で肯定的な、明るい気持ちになる。

ジェイミー・カラムのアレンジは“今”の気分だけでなく、かつて過去に置いてきた、さまざまなめくるめく思い出のシーンを思い起こさせるような、人の感情の細かいひだの間を自由自在に行き来するような音を以て、原曲にオマージュを捧げながらも野心的に彼からの回答を出す。
彼が「 I wanna take you away 」と唄うと男の歌になる。
あの声で「 I 」を発音するとき、荒っぽく肩を抱かれてどこかへ連れ去られていくような感覚になる。


前回のレビューにこう書いたが、そうやって人生の来し方行く末を短い歌の間にひろげて見せながら、最後には「これでいいよな。」という気分になるのだ。
生きていることが好きになる音楽なのだ。

地元の居酒屋へ戻って、遅い夕食。
夫は、
「『High and dry』をやってくれた。俺は、泣いたよ。涙が出た。」
と言っていた。
『High and dry』は、これも夫が大ファンであるレディオヘッドの名曲で、ジェイミー・カラムがだいぶ前のアルバムでカバーをしている。
「昔の歌だから、やらないかな、やってくれるとうれしいなあって思っていたんだけど、やってくれたねえ。
トム・ヨーク(レディオヘッドのカリスマ的ボーカル)が唄うと、絶望的なさびしい歌になるのに、彼(ジェイミー・カラム)が唄うと、“うん、まあ、これでいいじゃないか。”って、なぜか明るい感じになるんだよな。全然ちがう、感覚になるんだ。あれがすごいよ。あのカバーは。」

驚いた。
お互い、まったく同じ感覚を覚えていたのか。
あのホールにいた全員が、同じ気分で帰途についたのだろう。

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ジェイミー・カラムと無関係な、唐突な写真ですが。
実はきのうは「アキタコマチ」と「コシヒカリ」の、入学式だった。
重なってしまったので下の子優先で、「コシヒカリ」の中学へ行ってきた。
春らしい、新しい明るい着物。
(自分の家の前ではないのだけど、天気が悪かったので、少しでもバックに花を入れて明るくしたかったのです。)

夜はコンサートに出かけると子供たちに言うと、進学祝いに、子供3人ですき焼きをやりたいという。
「ササニシキ」もいよいよ予備校が始まる。
予備校に祝・進学ってことで。
財布も戻ってきたことだし。
拾ってくれた方に「ササニシキ」が電話をかけて、「お礼のお金をお送りしたい」と言うと、断られたと言う。
拾い主は年配の女性で、
「きのう(拾った日)は、あたしの誕生日だったのよ!いいことをしなくちゃと思ったのよ!」
と言ってくれたそうだ。
誕生日に善行を積んだわけか。
財布が戻ってきたのもよかったけれど、そのおばさんの話も、いい話だったね。

ひとりで入学式から帰ってきた「アキタコマチ」は、得意そうに「生徒手帳見る?」と言う。

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なんだこれー!
i Podをコピーした表紙!
これが生徒手帳だなんて……!

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裏表紙。
Kは高校のイニシャル。

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裏表紙拡大図。
アートクラフト科、マシンクラフト科など、それぞれの専科のロゴまで i Podのデザインを完全にもじっている!
おもしろすぎるぞこの高校!
このデザインも生徒の作品に決まってるし。
「あんた本当におもしろい学校を選んだねえ。これ最高じゃないの。がんばって勉強しなよ。」

いよいよ、それぞれの新生活が本格的に始まったきのうという日に、ジェイミー・カラムの「人生は、これで上々だよ」と言いたげな歌声は、ほかの誰よりもふさわしかった。

by apakaba | 2010-04-08 15:55 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(6)
Commented by saltyspeedy at 2010-04-09 00:38
ジェイミー・カラム、知りませんでしたが、私も『High and Dry』が大好きなので、さっそく聴いてみました。いいですねえ。生で聴くとすごくいいんだろうなあ、という気がします。他の曲も聴いてみたいです。
『High and Dry』のカバーと言えば、『モーターサイクル・ダイアリーズ』の主題曲を歌ったJorge Drexlerも、ギター一本で弾き語りをやっていて、私はこれで泣いています。よろしければYoutubeにありますので・・・と他所様のコメント欄で思わず宣伝行為。(笑)

ササニシキ君の広島旅行記も楽しく拝見しています。
若いっていいなあという気持ちになります。吸い取り紙のように吸収できるんですね。

アキタコマチ君の高校は、私が以前勤めていた事務所のボスの母校で、90年記念誌の編集デザインのお手伝いをさせていただいたことのある学校のようです。いい学校ですよね。がんばって下さい。
Commented by ぽめ at 2010-04-09 07:53 x
私は昨日のZeppのライブに行きました。仕事があってJCBは両親に行ってもらいましたが、あの曲を歌ったなんて!! 聴きたかったぁ(ノ゚O゚)ノ

でも、Zeppではグラントリノをさらっと歌ってくれて思わず涙…。ビールを飲みながらノリノリで歌ってくれる彼の姿を(私の低身長の為に)なかなか見られなくても、声が聴けただけでも幸せでした。
Commented by apakaba at 2010-04-09 09:19
ayaさん、レディオヘッドの『High and Dry』いいですよね!
偶然、たった今、J-WAVEでかかりました。
レディオヘッドだとロック、ジェイミー・カラムだとジャズになるのですね。
ジェイミー・カラムは、スタジオ収録でもまるでライブアルバムみたいな感じになるのです。

宣伝行為大歓迎です!どうもありがとうございます。
Jorge Drexlerほんとにすてきですね。

>アキタコマチ君の高校は、私が以前勤めていた事務所のボスの母校で、90年記念誌の編集デザインのお手伝いをさせていただいたことのある学校のようです。

え、そうなんですか!
裏表紙拡大図に103rdと書いてあるとおり、建学103年を迎えたようです。
おもしろい先輩に囲まれてさっそくエンジョイしているようですよ。
今日はひろしまの続きを載せますね。
Commented by apakaba at 2010-04-09 09:28
ぽめさん、コメントありがとうございます!
コンサートに行った人からコメントいただけるなんて、すっごくすっごーーくうれしいです!
ネット上で、山ほど書かれたであろうライヴ記から、ココを選んで下さってありがとうございます!

Zeppはスタンディングですよね。
JCBホールでは、皆さんアンコールまでずっと座っていました。
MCで、何度もジェイミーが桜のことを言うのがうれしかったです。
日本の最も美しいシーズンに来ることができて、最高だよ……とか。
今年の寒さで足踏みして、桜もジェイミーを待ってたよ!と思えました。

グラントリノ来ましたか。嗚呼。
JCBではやらなかったなあ。
あれはホントに、ぐっと涙が込み上げるほどいい曲ですよね。
映画の最後に流れたときにはもう……
JCBでは、ほかのメンバーが水など飲んでいるのに彼だけは一滴の水も飲まずに唄いきりました。
それにもビックリしたけど、最終日はビールありだったのですね。
最後だからリラックスした気分になれたのかもしれませんね。
そんな姿もいいな。

http://apakaba.exblog.jp/13157136/

http://apakaba.exblog.jp/5465099/

ジェイミー・カラム関連記事です。是非!
Commented by f--kforever at 2010-04-11 21:47
こんばんは。てんこ盛りな内容でしたが、まずは、財布戻ってきてよかったですね。次にアキタコマチ君の生徒手帳、俺もほしいくらいかっこいいですね。
ところで、ジェイミー・カラム、トム・ヨークとの違いを確かめてみることから聴いてみようかなと思います。小学生と音楽の学習をはじめるときに、いろんな曲を聴いてもらいながら、オリエンテーションをします。子供たちって、英語の曲でも言葉は分からなくても、声色から曲想なんかを感じ取ることができるんですよね。なんで、俺もトムとの違いを感じ取ってみようと思います。
すみません、長くなりました。最後に、明るいお着物の色が入学式にぴったりですね。お子様たちのご入学おめでとうございました。
Commented by apakaba at 2010-04-12 09:29
f--kforeverさん、復活しましたね。何より。
いろいろとコメントありがとうございます。
特に、誰も見ちゃいない着物への言及、痛み入ります。

レディオヘッドの原曲はロックの作り、ジェイミー・カラムはジャズの作りですが、両方ともスゴイです。
これぞカバー真骨頂って感じです。
ジェイミー・カラムの換骨奪胎っぷりは、どのカバーでも類を見ないですわ。

音楽って、ある程度の年齢になると、どうしても昔なじみのものばかり選んでしまう人が多いけど、 f--kforeverさんのように、新しい人の曲をどんどん聴いていく姿勢はとても好きです。
私も、昔の名曲は大事にしつつ、新しい才能を楽しませてほしいタイプだから。


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