2010年 05月 20日
第12回のつづき。 [3日目・午前11時] シンガポールはごく小さな国だけれど、旅行者向けのアクティビティは供給過剰なくらいに充実している。 ここに家族連れで再訪したら、きっと今とまったくちがう行き先を選んで遊んでいることだろう。 遊園地や動植物園、ビーチ、ナントカセンター・カントカシアターといった巨大施設。 しかし、一人でそんな場所へのこのこ出かけて行ってキャーキャー遊べるわけでもない。 観光リキシャに乗るのもためらわれる。 徒歩圏内で、街を見ているだけで時が過ぎていく。 異常な短期滞在なので、これでも十分すぎる楽しさだ。 もしももっと滞在日数が長かったら、もっといろんなところへ足を伸ばしていただろう。 この、花輪屋(という名称か)の写真を、寄ったり引いたりして何カットも撮った。 (春休みの近況報告にも、構図違いで載せている。) 遠くのスポットに出かけることは叶わないが、べつにかまわない。 ヒンドゥー教で、マリーゴールドは生命力や健康の象徴であり、神に捧げる花。 ヴァラナシの裏路地(あそこはどこが表でどこが裏だか不明だが)には、小さな祭壇のマリーゴールドがだんだんと腐っていく甘ったるいにおいが立ちこめていた。 雨季のシンガポールの曇天の下でも輝く、太陽の黄色だ! シンガポールに来てやりたかったことのひとつ、アーユルヴェーダオイルマッサージの店をさがして、リトルインディアを歩き回った。 うろうろ当てどなく歩いていたら、本当にあった。 勇んで入ってみると、男性スタッフが数人出てきた。 うれしさのあまり、勝手に施術室を撮るワタシ!興奮しています。 ところが、私の顔を見た男性たちは皆困った表情。 「ええとー。今日は女性のドクターが不在で、男性しか残っていません。だから、今日は男性のお客さんしか施術できません。」 なんということなのーーーーーーッ。 さがし歩いてやっと見つけたのにー! 私はべつに、男性にマッサージされるのはまったくちっとも抵抗ないんですが! ここは、女性の身体には男性は触らないという決まりらしい。 激しく落胆。 写真まで撮っちゃったよ。 「ここでオイルだらだらーっとやったのー見て見てー」 と、帰国したら自慢しようと思っていたのに…… 謝るスタッフにガックリと別れを告げ、完全に当てが外れてヨロヨロと外に出る。 これならサロン自体が見つからなかったほうがマシだった。トホホ。 カヤトーストとお粥と、朝ごはんを2回食べたからまだお昼ごはんには早い。 これからどこに行こう。 なんかおいしそうだけれど、お腹空いてないし。 目的なくただ歩いていたら、いつの間にか目にも鮮やかな建物に着いた。 ウワー、なんてきれい! ちょうど、ぱぁぁーっと雲が切れて、まぶしい。 ここに来ようと思って歩いてきたのではなかったから、虚を突かれてビックリ。 マスジッド・アブドゥル・ガフールというモスクだった。 前夜、アラブストリートのサルタン・モスクで、気の抜けた写真ばかり撮ってしまい、大変不満足だった(第10回)。 “イスラーム美術を撮るときには、きちっとシンメトリーにするか、角度をつけるなら思いきりつけたほうがよさが出るのだと反省”したので、それを踏まえてみる。 シンメトリーあるいは角度を思いきり……うまく撮れてるのか? 外はこれくらいにして、中へ入ってみた。 ああ、予想どおりのモスク内部の光景! ああ、予想どおりのモスク内部の光景! ほんとにまったくよ〜〜〜。 外は灼熱。 涼しいモスクに入ったら心地よくなる気持ちも、わかるが。 女性用の礼拝所へ。 イラストつきの注意書きがあり、礼拝に際しての決まりごとがいろいろと出ていた。 私からすると似たようなレベルに見えるが、髪を隠すベールの長さや覆い方も細かく規定されている。 ここにいた男性が全員眠りこけていたからそのまま入ってきてしまったが、私はこの姿で大丈夫だったのか? 一応ロングのワンピースだが、髪は覆っていなかったな。 だけど門を一歩出れば俗世間! 髪を隠す?肌を隠す?カンケーないわよ!な観光美女。 花には宗教はもっと関係ありません。 どこに咲いていても、花輪になっても美しい。 陽が出ると暑いけど、南国の花は陽射しがよく似合う。 (第14回へつづく)
by apakaba
| 2010-05-20 13:31
| シンガポール2010
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Comments(6)
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minmei316 at 2010-05-20 17:08
兼六園は雨がよく似合いますが
南国の花たちは陽射しがよく似合いますか そうだろうな~ そうに違いない ってか、アーユルヴェーダオイルマッサージ!残念 ってか、まだ?? いいですとも。私もここまできたら最後までお付き合いいたしますよ 毎回つっこんでさしあげましょう 「まだ?」ってね
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apakaba at 2010-05-20 21:18
minmeiさん、つきあいのいい読者猛歓迎中ー!
(と、言いながら、次回にはカタがつくかというヨカン
モスクの雰囲気良いなぁ!
レンズはどんなの付けていったのですか? さて、写真を見返していくと、表通り?のモスクや商店街だけではなく、路地、そして人の服まで、“色”が豊富よね。特に原色がまぶしいというか、見ていて、楽しさや元気が湧いてきます。なのに、我が国はなんで、ワビサビ、ウグイス色とか桜色とか、ぱっとしない色が多いのかな(思い込みか?)お隣の韓国も原色バリバリよ。真ピンクとかのパンツをおばちゃんたちは普通にはいているもんね~
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apakaba at 2010-05-22 22:28
グッドバランスさんありがとうございます。
もっとどっさり撮ったのだけど、そんなに建物ばかりじゃ飽きるかと思ってだいぶ減らしました。 レンズはもともと家にあったNikonのアリモノです。 何ミリとかぜんぜん分かってないもん。 それでも撮れちゃうんだからほんと、今のカメラってすごい。 >真ピンクとかのパンツをおばちゃんたちは普通にはいているもんね~ あひー。 そのおばちゃんは私だ。 写真の腕がなくても、天気(光)がだいぶ味方してくれますね。 天気がいいと上手に見えちゃう。 2カット目、手前を歩くインド人のおばさんだけに日光が当たっているのとか好きです。
シンガポールは意外に好きな国のひとつです。
しかし、長期滞在するような場所ではないのも事実。 リトルインディアやアラブストリートあたりでぶらぶらして、さっと切り上げるのが、この国との上手なつきあいかただと思います。 ムスリムとヒンズーと中国系、その他がこの国ほどうまくやっていってる国はないかもしれませんね。
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apakaba at 2010-05-28 21:48
あれ!
午後の幽霊さん、たいへんご無沙汰しております。 私はシンガポールをまともに歩いたのが初めてだったので、とにかくなんでもおもしろいという感覚でした(なにしろ、2日半だし)。 例によってだらだら長い不人気連載ですが、どうか最後までおつきあいください〜。 |
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以前はエイビーロード「たびナレ」や「一生モノ https://issyoumono.com/」などでウェブライターをしていたが今は公立中学校学習支援教員のみ。 子供のHNは、長男「ササニシキ」(弁護士)、次男「アキタコマチ」(フランス料理店料理人)、長女「コシヒカリ」(ライター・編集者) by 三谷眞紀 カレンダー
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