2005年 04月 12日
メインサイトをリニューアルして一ヶ月近く経つが、文章量の多い旅行記だけ、なかなか新デザインに移す時間がとれずにいた。 新学期になってから「アキタコマチ」が病気でずっと休んでいるので、私も家に缶詰。 この際、手つかずだった旅行記の欄を改装しちゃおう。 サイトに最初に載せたイスラエル旅行記を、半分くらい改装したところ。 何年も前に書いたものなので、読み返しては粗を手直ししているが、いつの間にか読みふけっていたりする。 自分で書いたのに「うま〜い!」と思っていたりするからおめでたい。 『 我々のほかに、観光客など一人も見あたらない。 “グランドキャニオンのように雄大な景勝地”という、手垢まみれの惹句(じゃっく)とともに、一億年前と変わらない景色が、眼前にうち捨てられている。 なんの音もしない。 自分のしゃべる声が、乾いた大気に瞬時に飲み込まれていく。 舌の上に、ゆうべのビールや、ワインやチーズやパンや、この国で口にしてきたさまざまな味が、不意に蘇る。 ——中東和平交渉は、いまどうなっていたっけ?—— この地の、豊かさと混沌を同時に思い、そのどちらもから完全に解き放たれた景色の前で、私はこの国を、とても愛しいものに感じる。(第10話)』 うわここかっこいい、誰が書いたの?! ぅあ、アタシじゃん! とか。 「ササニシキ」は、祖父母が撮ったホームビデオを見ていて、自分のおどけている場面が出てくるとずっと爆笑している。 何度も同じ箇所の自分を見て、本気で大受けしている。 明石家さんまみたい。 明石家さんまが、自分の出ている番組の録画を見て、涙が出るほど自分でウケているというのは有名な話だ。 DVDの特典で、「監督自身によるコメンタリー」がよくある。 あれを聞きながら本編を見返していると、 「このシーンの、あっ、ここ、この俳優のこの目がいいね」 「彼の後ろから当たっている照明の色がすばらしい」 「この大きなビルが主人公の心の閉塞感を表しているんだ」 など、ただならぬ思い入れを持って作品を見ていることがわかる。 反省とオメデタさ、冷静さと思い入れ。 なにが欠けても、モノは作れない。 私レベルでも、「ササニシキ」レベルでも、さんまレベルでも、一流映画監督のレベルでも。 とりあえず、せこせこリニューアルをつづけているので、ゼヒ見に来てください!
by apakaba
| 2005-04-12 10:13
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Comments(7)
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のこのこ
at 2005-04-12 21:55
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すごいなぁ。ほんと、かっこいい文章だ。
私も最初にあぱかぱ旅行記読んだのがイスラエルだったけど、すげぇ。って思った。 >なんの音もしない。 >自分のしゃべる声が、乾いた大気に瞬時に飲み込まれていく。 眞紀さんの声は大気に飲みこまれていったのですね。 ヨルダンのバラ色の砂漠でのことですが、だ~れもいない砂漠で岩の上にのぼって、絵葉書を書いていたとき、ボールペンの先がハガキに当たる音が響き渡るんですよ。コツコツコツ・・って。 風の音以外は本当に全く音の無い世界で、 私が小さく発した音がどこまでも響いていく、あの感覚はすごかったな。 朝、岩の上に登って、遠~くにいた人に「サバフルヘイル!(おはよう!)」と叫んだら、砂漠じゅうに響いて遠~くにいる人が気づいて手をふってくれました。 う~ん、思い出すなぁ。 私が感じたのは 反省とオメデタさ、冷静さと思い入れ。 なにが欠けても、モノは作れない。 なんの音もしない。 自分のしゃべる声が、乾いた大気に瞬時に飲み込まれていく。
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のこのこ
at 2005-04-12 22:02
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あ。「私が感じたのは」以降を消すのわすれた。(汗)
じゃぁ続きを。(笑) 「反省とオメデタさ、冷静さと思い入れ。なにが欠けても、モノは作れない。」 これ、ほんとそう思います。私、モノを作るのが小さい頃からほんっとに好きで、おかあさんに「見て見て!」って言って褒めてもらうのがほんとにうれしくていつもそんなことしてた。いまでもおんなじ。 それは「オメデタさ」なんだけど、自分では反省もしてるし冷静に考えてるし、思い入れもじゃんじゃんわいてくるし。 私もがんばろう~っと。
ふーむ、のこのこさんがデカイ声で叫ぶ、それはきっとデカかったのでしょう。
いえ冗談はさておき、いい話です。 昔、登山が得意で、いくつか山に登っていました。 山の上のほうに来ると、麓から見ていたときには想像もしなかったような景色があって、「くたびれたー。でも、苦労しただけあるなあ」と思ったものです。 これはここまで来た人でないと絶対わからないなーと。 砂漠も、景色だけじゃなく、乾燥とか風とか太陽の光とかひっくるめて砂漠でしょう。 あれは体験しないとわかりにくい感覚だね。 自分の作ったものがなんであれ(文章でも服でも絵でも料理でも)、「私なんて、ダメだわ」とばっかり思ってたら次に行けませんね。 どこかで「どうだ!」って自負がないとね。 「どうだ!」→「ダメだぁ」→「どうだ!」→「ダメだぁ」の繰り返しで、ちょっとずつうまくなっていっている気がします。
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花岡じった
at 2005-04-14 00:26
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まぁ、おいらもたまに自分の旅行記を読み直すが。。。
誤字が多いのぅ。。。 その場で直せば良いのだが・・・つい次回に! 俺も自分で気に入っている文章が有るのだが・・・・ お笑い系です。(悲) 文章力やボキャブラがある人は羨ましいですわ。 「セックス調査団」 調査するより・・・ダイレクトに。。。
じったさんの「俺様」っていうのが、ワタクシ的にとてもツボに入ってるの。
そして、たびたびカメラに惜しげもなく見せる、魂抜かれたような表情。 すてき。 >調査するより・・・ダイレクトに。。。 ワシが呼ばれてる?のか?!(ない、ない)
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紫陽花。
at 2005-04-15 20:05
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私も、眞紀旅行記に悩殺された一人です。こ、こんなに上手い文章を書く人が何故ここにいつまでも留まっているのかと、今もまだ疑問ですが。時代はエキセントリックな内容を求めているのかもしれませんね。
紫陽花。さんありがとうございます。
近いうちに、出版コンクールに出して息子の入院費用を稼ぎたいと思います(現実的……)。 |
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以前はエイビーロード「たびナレ」や「一生モノ https://issyoumono.com/」などでウェブライターをしていたが今は公立中学校学習支援教員のみ。 子供のHNは、長男「ササニシキ」(弁護士)、次男「アキタコマチ」(フランス料理店料理人)、長女「コシヒカリ」(ライター・編集者) by 三谷眞紀 カレンダー
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