あぱかば・ブログ篇

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2010年 07月 09日

東京都写真美術館から

おとといの夜、「アキタコマチ」が、
「明日、学校の校外学習で、東京都写真美術館に行くんだ。」
と言っていた。
次男は、写真やグラフィックの勉強を専門にやる高校に入ったはいいが、入学してもほとんど写真も撮らず、突然ベースをやると言い始めたりして(子供たちの6月参照)、迷走気味である。
迷走は若さの特権、瞑想はジジイの特権ということで、あまり口出しせずに静観しているが、たまに「せっかく定期券もあるんだし都会の学校なんだから、帰りがけに都写美でも行ってきたら?」とは口にしていた。
学校で連れて行ってくれるとは、さすが。ヤルな。

「へえ!よかったじゃない。なにを見るの。」
世界報道写真展2010というのは必ず見なくちゃいけなくて、レポート提出。自由解散だからそのまま帰ってもいいし、他の展示を見てもいいの。全部の展示を見ても共通券があるから、タダなんだ。」
「すごいね、うらやましい。ありがとう東京都だね。」

きのう、興奮して帰ってきた。
「ただいま!すごかったよ。感動した!」
目がランランと輝いている。
「報道写真展、すごかった!初めて見たあんなの。絶対に撮れない。」
世界報道写真展は毎年やっていて、何度も見たことがあるよ……と、こっちは思っているが、そんな私におかまいなしに、頼んでもいないのに説明を始める。
スポーツとか、自然とか、いろんな部門があって、自然部門のカワセミの写真はすごかった!
あんなの誰にも撮れない!こーんなに大きいパネルで。
あと、報道部門で血だらけの写真とか……、戦争の写真とか!
すごかった……!!!
おかーさんも見るといいよ!それで図録買ってきて!

高校生になってから、ぶらぶらと暮らしている息子が、初めて報道写真という分野に衝撃を受けて興奮している姿を見て、なんともいえない気持ちになった。

ひとつにはもちろん、うれしい気持ち。
ベースを弾くのもいいことだが、やはり写真を志して狭き門を突破して入学したのだから、本業で(というのは大げさだけど)刺激を受けるべきだと思う。
もうひとつは、この子はまだ本当に写真の初学者なんだということを思い出したことだ。
カメラを持つという行為として並べば、もちろん機械を操作する腕は息子のほうがまさっているが、でも写真ってそれだけではない。
うまくなりたければ、見なければ。
いろんな種類の、いろんなうまい写真を。

私からすると、「世界報道写真展なんて、今さら」というのが正直な感覚だ。
水準以上のものはそろっていても、昔に見た“あの1枚”という感動にはほど遠い。
なにを見ても、小粒だなあと思ってしまう。
でもそれは、こっちが新鮮な気持ちを失っているせいもあると思う。
たんに、最初に目を輝かせて見た“あの1枚”の思い出に、縛られているだけなのかもしれない。
考えてみれば、私が『ちょっとピンぼけ』を読んで感銘を受けたのも息子と同じ高1のころだ(16歳の女の子が『ちょっとピンぼけ』を読む時代だったのですかね)。
息子は、カメラを持ち始めたのは早くても、見て学ぶことは、今からスタートするのだね。
見たこともなかったものを見て、目がランランと輝く体験を、最後にしたのはいつだろう?
ああいう目は、忘れたくないなあー。

by apakaba | 2010-07-09 18:50 | 子供 | Comments(4)
Commented by ogawa at 2010-07-09 22:19 x
連日のコメントはやめようと思っていたのですが、アキタコマチ君と世界報道写真展の話なら一言。

世界報道写真展は、アキタコマチ君にとっては刺激的な世界だったでしょうね。
【REAL】と違う世界がわかっただけでも彼には刺激的だよね。
今の報道写真展は小粒だなと思うけど、初心者にはどうやって撮るのかわからないのと、その場面に自分がいることがイメージできない・・・だから印象が強くなるのかな。
企画展の「ポートレート」には行かなかったのかな?

私は高1のとき、眞紀さんも書いているように「ちょっとピンぼけ」で吹っ飛んで、そして青木富喜子の「ライカでグッドバイ」を読んで報道写真家になろうと決意したものでした。

世界報道写真展の写真はテクニカルとしては、いずれ撮れるようになります。しかし、その場に身をおけるかどうかは努力の世界ですね。
いろんな写真を見て刺激を受けて成長してほしいな。
Commented by apakaba at 2010-07-09 23:02
いえ、コメントは連日大歓迎です!
こちらこそ気障とか書いてすみません。サイアクのレスだわね。

ほんと、こうも子供に囲まれていると、毎日のように「若いってスバラシイ」と思わされる暮らしですよ。
自分のモノの見方とか考え方が、子供に較べるとずっと長く生きてきていることによっていつの間にか培われてきたんだなーということを思い知るし。そしてそれが必ずしも「よきこと」とも言い切れないということも学びます。

「ポートレイト」にも「古屋誠一」にも行ったらしい。タダだから。


>私は高1のとき、眞紀さんも書いているように「ちょっとピンぼけ」で吹っ飛んで、そして青木富喜子の「ライカでグッドバイ」を読んで報道写真家になろうと決意したものでした。

当時の高校生はそれくらいは読むのが常識でしたね。
Commented by みかち at 2010-07-12 17:44 x
今さらのコメントで申し訳ないけど、そうか、今「世界報道写真展」か!
これは絶対に観に行かねば。

私なんて、何度見ても、その度感動しちゃうわ。
私みたいな素人から言わせてもらえば、普段遠くにあるものを
身近に考えさせてもらえる、貴重な機会です。

それにしても、蛙の子は蛙というか。
自分の若い頃と比べて云々言いつつも、しっかり血が受け継がれているのが嬉しいね~。
Commented by apakaba at 2010-07-12 18:52
みかちさん、今さらコメントいつでも歓迎です。
以前、「恵比寿に出没すること多し」という自己紹介を読んだから、「都写美にも行ってるのかな?」と思ってました。
いい企画展をやってるときと、そうでもないときがあるけど、おおむね好きですあそこ。

子供はねー。ちょっとずつ似てるところを受け継いでいるんでしょうね。3人いると3人それぞれに。


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