あぱかば・ブログ篇

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2010年 07月 23日

それぞれティーンエイジャー

きのうは「コシヒカリ」の誕生日で、いっしょに買い物に出た。
「誕生日は、手巻き寿司が食べたい!」と言っていたから、吉祥寺の行きつけの魚屋へ行き、好きなネタを選ばせる。
動物がなんでも大好きな「コシヒカリ」は、パック詰めされていない、丸の魚を見ると
「ぜんぶほしい!ぜんぶおいしそう!ぜんぶおもしろい!」
と、幼児のように興奮して、生きているみる貝の水槽に手を入れたがったり、仰向けに並べてあるめずらしい深海魚の腹を指で触ってみたがる。
「売り物なんだからいじったらダメ。」
と注意して、まぐろの赤身やかんぱちなどいろいろ注文していく。

いままで見たこともないほど大きなシャコが、生で売っていた。
「これなーに!エビ?エビじゃないの?これがいい、これいじってみたーい!」
と言うので、生のシャコをこしらえたことはないが、やってみることにした。
めずらしい食材(人によってはゲテモノと呼ぶ)を見つけたら、買わずにはいられない習性だから。



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「すごーい!すごーい、きれい!おもしろい!エビみたい!でも見たことないー!」
また一つオトナになったはずだが幼児並みの大騒ぎな娘。

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「グロい!グロいよー!この、尻尾とか意味ワカンナイ手みたいなのとか!」
ゲテ系にはいつも「グロい」と連発するくせに、つねにきちんと写真を撮る「アキタコマチ」。
しかも結局は一番役に立つ。

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10分間、塩ゆですると魚屋のおじさんに言われたが、10分ではややゆですぎのような気がした。
夕方、写真部の合宿から帰ってきたばかりでクタクタの「アキタコマチ」だが、入学以来、忘れかけていた写真を撮る熱意を思い出したようで、ゆであげたところを熱心に撮っていた。

「もう撮影はいいから、殻むいてよ。」
と冷血な私。
「両脇をハサミで切り開いて、ぱかっと開けろって魚屋で聞いた。」
と言いつつ、自分ではなにもせずに子供たちに任せきり。
「アキタコマチ」が奮闘して、「ああ、こうやるとうまく開く。」とコツをつかんだらしい。

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「こうして指を入れて……」(「アキタコマチ」の手)

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「ぱかっ!」(「コシヒカリ」の手)
「ほら、こうすると尻尾の中までキレイに身がとれる。このもしゃもしゃした足は、適当にむしっちゃっていいのかな?」
少しゆですぎで、味はさほどでもなかったが、下ごしらえはおもしろかったらしい。

夫と「ササニシキ」も帰ってきて、手巻き寿司を食べて、ケーキにろうそくを3本立てる。
今日のマッチ擦り係は「ササニシキ」(誕生日のケーキには、3人で順番にマッチを擦る)。
サ:「3本?」
コ:「うん、13歳の3。」
サ:「『コシヒカリ』もティーンエイジャーですか。オレはとっくにティーンエイジャーだけど。」

私は、大変恥ずかしいのだが、“ティーンエイジャー”というのは10歳からだと思い込んでいた。
日本語でいう“十代”と同じで。
「ササニシキ」に「13歳からはティーンがつくからティーンエイジャーなんだよ」と言われて、初めて知ったのだ。

ケーキのろうそくを消したら「ササニシキ」がプレゼントを出してきた。
予想外のことに一同驚き。
でもよく思い返してみると、長男は弟と妹に、なんだかんだいってもたいてい誕生日プレゼントをあげている。
しかもたいていが本だ。
3人のなかでは読書家の兄は、あとのふたりがあまりにも読書量の少ないことをよく「情けない」と言っている。
驚く「コシヒカリ」が包みを開けると、長編青春小説『一瞬の風になれ(佐藤多佳子)』だった。
「これはオレが高1のときに友だちが貸してくれて、読んだ本だ。青春小説は青春時代に読まなきゃ意味がない。簡単だから読みなさい。」
「ありがとう。」
私は少し「ササニシキ」を見直したし、感動した。

「どうするのオマエ。」
と、「アキタコマチ」を小突くと、
「うーん、オレ、合宿があったしなんにも用意してなかった。まさか『ササニシキ』お兄ちゃんが用意していたとは……あ、でもD40あげたんだ。あれがプレゼントだ。」

「アキタコマチ」は、Nikon D40を、中古カメラ店に売るのをやめて、「コシヒカリ」に譲っていたのだった。
自分にとっての最初の愛機は、やはり手放したくなかったのだろう。

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「コシヒカリ」の部屋の手作りの椅子と、片付け途中の押し入れの中。
「アキタコマチ」からなにも手ほどきされていないのに、カメラを渡せばたちまちこれくらいは撮ってしまうんだな。
兄もうかうかしていられない。
ケーキを食べながら、
「お父さん、オレ、写真部で暗室も使えるから、フィルムカメラもやりたい。」
と、合宿帰りの熱意をそのまま伝えると、夫は
「馬鹿野郎ライカを使うなんて10年早えよ(次男は、夫の祖父の形見を狙っている)。お前はもっと先にやらなきゃいけないことがあるんだ。」
と頑固親父な答え。
「でもフィルムもひととおりやりたいって言ってるんだから、ライカはともかくとしても、あなたの(Nikon)FEかFE2をオーバーホールに出してあげなよ。」
と助け船を出すと、いろいろと語り始める。
「俺のFEは、俺が高1のときに初めて持ったカメラで、あれでさんざん撮って、大学に入ってからFE2を買ったんだ。暗室もやったし、パネルの張り込みもやったんだよ。俺にはやっぱりあのカメラには思い入れがあるんだ。俺にとっては大事なものなんだ。だからお前が中途半端な気持ちで使わせろとか言って、ろくすっぽ撮りもしないなんていう扱いは、してほしくないんだよ。云々」

「それはそうだけど、あなただって大学時代はほとんど写真なんか撮ってなかったじゃん。」
過去を知る強みでさらに次男へ助け船を出してやる。
夫:「うん、たしかに離れていた時期は長かった。だけどなんでもかんでも、すぐに与えられると思ったらダメだ。ちょろちょろっとズームレンズだけ使って撮れた気になってるくらいじゃ、うまくなんかならねえよ。どうなんだ。やるのか。」
ア:「うん。」
私:「まあ、やりたいって言ってるんだから、あなたもオーバーホールのこと考えておきなよ。」

夏休みらしい、家族でいろんな会話を交わした日だった。
あの子たちは、幸せだなあ……と、思う。
きょうだいの仲もいいし、誕生日も、楽しく祝って。
私はどうだっただろう。
私の13歳の誕生日、どんなだっただろう?
思い出そうとしても、まるっきり思い出せない。
姉はすでに短大生だったはずだし、今の娘と同じこの日を、どんなふうに祝ったのかな。
うちの子供には、それぞれ、“シャコをむいた日(「コシヒカリ」)”として、“ティーンエイジャーになった妹のために本を渡した日(「ササニシキ」)”として、“お父さんとカメラの話をした日(「アキタコマチ」)”として、残るのだろうなあ。
なんだかうらやましい。

by apakaba | 2010-07-23 15:32 | 子供 | Comments(3)
Commented by 那由他 at 2010-07-23 18:10 x
コシヒカリちゃんのお誕生日、おめでとうございます。

ティーンエイジャーと十代、同じような場面で使われますが、英語と日本語で中身が違うのが、豆知識っぽく教えてもらった記憶が有ります。
ところで、九州に居た頃、居酒屋さんで食べたメカジャhttp://www.zukan-bouz.com/sonota/wansokurui/wansokurui.html、コシヒカリちゃんのお好みに合うのではと思い、URLを貼ります。他にも、アゲマキとかタイラギとか・・・ウミタケはかなり変な貝です。こちらhttp://www.city.kashima.saga.jp/kankou/kg_ariakekai.htmlの下のほうに写真が・・・
Commented by minmei316 at 2010-07-23 18:37
魚屋でシャコを選ぶコシヒカリちゃん
いいキャラだな~
食べたいというより、いじりたいわけですね・・・
いいキャラだ~
お誕生日おめでとうございます
Commented by apakaba at 2010-07-23 20:52
ティーンエイジャーレス。
那由他さん、ありがとうございます。
まだだいぶ子供っぽい子供ですね。
今「コシヒカリ」にご紹介の写真を見せたら、「うわーおいしそう。食べたい。」とめずらしがっていました。

minmeiさん、ありがとうございます。
触ってみたくてしょうがない子なので、「この前、ヘビに噛まれちゃった。」とか平気で言い、こっちが驚きます。
野生動物は素手で触ったらいけないとあれほど言っているのに……ナウシカ気分にも困りますわ。


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