あぱかば・ブログ篇

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2010年 09月 18日

「コシヒカリ」の、初めての浴衣

2週間前に、「コシヒカリ」が、近所の神社のお祭りに浴衣を着て行くときゅうに言い始めたから大慌てだった。
夫の実家に預けてあった、私が中学生から高校生くらいに着ていた浴衣を受け取りに行き、義母の下駄を貸してもらった(私の下駄では小さすぎる)。
私の着物は、すべて夫の実家できれいに保管してくれている。

私は着付けができないので隣に住む母にやってもらう。
初めて着るから、ぶっつけ本番では不安なので、2週間前にだいたいの着付けと髪のセットもやってみた。

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先ほど、帰宅したところ。
ちょっと半幅が曲がり気味かな?

この浴衣は、母が縫った。
私は娘のころ、この浴衣が大好きだった。
菊の花だが、しだれやなぎの花火みたいに見える。
菊の花が好きだし、花火はしだれやなぎが好きだから。

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髪のセットも、母がやった。
母は私とちがってなんでもできる、というより母親がなんでもできると、娘は頼ってしまって逆になんにもしない子になる。
ちなみに写っている髪飾りは、全部、一人息子しかいない義母が私に買ってくれたものである。

2週間前、練習として着付けてみたら、あまりにもかわいくておかーさん感激。
「かわいいー!かわいいー!」
しか、私の口からは出てきません。
表に出て、「アキタコマチ」が撮影をして、おじいちゃんはレフ板で娘の顔を明るくして、私と母は「かわいいかわいい」。
親バカを通り越して、バカご一行さまです。わかってます。
でもこればかりは、男の子にはない感激だわ。
自分の昔の浴衣を娘が着るなんて。
そんな日が来るなんて。

きのう、「コシヒカリ」は弱気になって、「下駄をやめて、ビーサン(ビーチサンダル)で行こうかな……友だちもビーサンとか言ってたし……」と言い出した。

私「それは、ダメよ。」
コ「どうして?もしも足が痛くなったら、イヤだもん。」
私「うーん、そういうのって、美意識の問題なのよね。よく夏の間に、愚かな恰好をしている女の子がいたでしょ。バカボンみたいに裾を短ーくしている人とか。花魁みたいに、襟を異常に抜いて着てる人とか。髪の毛が肩にかかっているのも、おかーさんは嫌だな。あと、イマドキの浴衣でレースとかがびらびらついているのも、どうかと思う。
やっぱり、和服というものは、スタンダードを知らないと。
浴衣にビーサンが許されるのは、おかーさんの感覚では、まあ、幼児まで。
もしも足が痛くなるのが不安なら、絆創膏をたくさん持っていって、それでも不安なら一応ビーサンを用意していったら?帰り道でこっそり履き替えればいいじゃない。
でも、和洋問わず、ファッションというものは、“楽”なだけじゃダメで、いつもとちがう恰好をしようと思えばそれなりに気合いを入れて無理もしないとね。」
コ「うーん、わかった、でもカバンは?わたし、プールに行くときのバッグでいいかと思ってるんだ。」
私「だめよあんなスポーツバッグじゃ!じゃあ、おかーさんがこの前買ったインド製のかごバッグを貸してあげるから。」

結局、お友だちもみんなちゃんと下駄を履いてきたらしい。

私は今日、夫の実家に用事があって出かけていて、着付けも見ず、見送りもしなかった。
実家へ向かいながら、運転している途中でどうしても心配になって、路肩に停めて娘に電話を入れた。
「あのね歩き方だけど、大股で歩こうとしたら崩れるからね。いつもより歩幅を小さくするんだよ。あと、ふだんのように足をまっすぐ前に出そうとしても裾がからまってくるから、少し内股気味で回すようにするとうまく裾がさばけるからね。
つま先が外を向いていると見苦しいから、立っているときや歩くときはつま先に気をつけるんだよ。
着崩れた着物姿ほどみっともないものはないからね。おばあちゃんに、崩れたらどこを引っ張ったらいいか、聞いておきなさい。
あと金魚すくいのときは袖を濡らさないように、そのときだけは腕まくりしてもいいからね。
あと、どんなに暑くても襟元をはだけたらだめだよ。
うちわか扇子があったら、持っていきなさい。
うちわがよければ、帯の後ろに差してもいいからね。
とにかく着崩れないように、いつも気にしてね。がんばって。」

往復の運転中、ずっと“大丈夫かなあ、絶望的に着崩れたりしていないだろうか。胸が締めつけられて苦しくて、困っていないだろうか。”と、気になって気になってしかたがない。
でも“もしどうしようもなく困ったら電話が来るはず。助けを求めていないのだから、大丈夫。”と自分に言い聞かせた。

門限に、金魚を提げて上機嫌で帰ってきた。
きれいに着ていて、まったく着崩れていない。よかった……!
かわいいかわいい女の子。
今日のこの浴衣姿に、義母と、母と、私のいろんなモノが託されているって、わかっているかなあ?

by apakaba | 2010-09-18 22:40 | 子供 | Comments(13)
Commented by kaneniwa at 2010-09-19 00:59
うちの小学校6年生の長女も母親と背の高さが同じぐらいに
なり、同じことが私の家でも起こっています。
ついつい、娘を妻の名前で呼んだりしてしまいました。

しかし、この浴衣の菊のデザイン、いいなと思います。
洗練されています。
クールです。

BYマーヒー

Commented by Amano at 2010-09-19 08:45 x
実に上品でいい柄ですね~~~。
帯もキリッとしまってナイスです。

和装は上品に着こなさないとネ。
Commented by apakaba at 2010-09-19 12:41
マーヒーさん、私はもうとっくに娘に体の大きさを抜かれました。
私よりずっとがっちりしていて、頼もしいです。
でも女の子って、お父さんに似ていると思っても、最終的にはお母さんに似てきますよね。
お父さんはとまどいつつも、それがうれし恥ずかしって感覚でしょうか。
(うちの夫は今でも「俺に似ている」とがんばっていますが)

この浴衣の生地は、おそらく安物でたいしたモノではないと思いますが、とにかく好きでした。
私が中学生のときに初めて誂えてくれた友禅の着物も、濃い青の着物でした。
とてもとても気に入っていました。
袖が長い若い子用なので、これもまさに娘にぴったりです。
Commented by apakaba at 2010-09-19 12:48
Amanoさん、ありがとうございます。
白地に桔梗の花のデザインもあったけど、「娘はこっちを気に入るだろうな」と思ったらやっぱりこっちを選びましたね。
それにがさつな娘には、白地はちと汚れが不安。
イカ焼きだのソース焼きそばだのを垂らすからねえ。
案の定、汚して帰ってきました。
でも紺地だから目立ちません!

そうそう、バカボン並みの裾の短さとか、女郎みたいな襟の抜き方とか、まったく意味ワカリマセン。
歩き方も下品な子が多くて嫌になります。
姿勢は悪いは、かかとはひきずるは。
和装というよりコスプレですな。

私もこの夏に浴衣を着て出かけようと思っていたけど、あまりの猛暑ぶりに怖じ気づいているうちに、機会を逸した!
浴衣って暑いんだもん!
Commented by ogawa at 2010-09-19 17:52 x
コシヒカリちゃんの浴衣姿かわいいですね。
やはり女の子は浴衣や着物を着ると変わりますね。

この夏も京都駅で花火大会の浴衣の若い女の子をやまほど見ましたが、こんな着方あり?という女の子多かったですね。
着方は自由なんだという考え方もあるでしょうが、キリッとした美しさでなく、なんとなくだらしないイメージにしか見えないのは本人にとっても損だと思うのですけどね。

先週、娘が振袖を着たら母も妻も大喜びでした。
本人は慣れなくて歩くのもやっとでしたが。
やはり着物はいいものです。
Commented by apakaba at 2010-09-19 18:06
ogawaさん、ありがとうございます。
後ろ姿でも愛らしいです(親バカです)

そうそう、まさに「だらしない」雰囲気が漂うのは、なぜなんでしょうね?
浴衣は流行っているからたくさん見るけど、カメラを向けて写真に収めたいような子がいません。
きっと、ああいうお嬢さんたちには、私のような老婆心のカタマリのような母親がアドバイスしていないのでしょう。
やはり、和服姿は姿勢がよくなければ。
背中が丸まり、首が前に出ているイマドキの女の子は見苦しいです。

ogawaさんのお嬢さんもおめでとうございます。

>先週、娘が振袖を着たら母も妻も大喜びでした。

うーむーいい話だ。しみじみ。
最初からスタスタ歩ける人なんていません。
いつか慣れるのだ!ガンバレーーー。
Commented by agsmatters05 at 2010-09-20 05:56
いいお話ですね。こうやって伝統が継承されていくんだ・・・と他人事のような感想しか書けないのが、実はちと哀しいんですけどね。まあ、それはさておいて、

車を停めて電話を・・というところは、ついおかしくて笑い声を出してしまいました。奇抜なデザイン。日本の和服のしとやかさの中に大胆な、思い切ったデザインで、こちらの人たち、生徒たちみせたら、ため息まじりでいっぺんにみんなとりこになってしまうと思います。
Commented by apakaba at 2010-09-21 00:10
浴衣レス。
ミチさん、ありがとうございます。
伝統って、きっと目に見えないところで、意識にのぼらないところで、いつの間にか受け継がれていくのだと思います。
着物を着るとかは「これぞ伝統」と思いやすいけれど、もっと地味に、毎日の生活のなかで育つのだろうなあ……(だといいな。)

私も、心配で電話をするというところが、いかにも愚かな母親らしくて気に入っています。
我ながら、息子ドモにはしない行動であることよ、と。
娘は「困っているかな」という心配が、そのころの自分にダイレクトにつながるから(鼻緒が痛いとか帯が苦しいとか、ちょっと動き過ぎて崩れたとか)、心配も具体的なんですよねえ。

和服の柄は、たしかに奇抜・大胆なものが意外に多いですよね!
さすがよく心得ていらっしゃるわ。
女性のゲストとお話するのは、こういうところが楽しいです。
Commented by グッドバランス at 2010-09-21 04:55 x
いいなぁ。
感動なさったことでしょう。
今夏は、我が家も、甥っ子が私の小さい頃の浴衣を着て、盆踊りへ出かけました。感慨無量です。それは、他人にはわからんことで、いいのです。

着物の着方については、皆様言われる通りですね。
基本を知っての着崩しと、だらしないのとでは、一目瞭然です。
かわいそうなのは、きちんと教えてくれる人がそばにいないことです。着物を着ようとする気持ちには賛同しますので。着物を通じて、親子の会話が復活した、なんてイイと思うけどなぁ。

Commented by minmei316 at 2010-09-21 11:57
ステキな浴衣ですね センスいいな~
お母さんが着てお嬢さんが着て、そして是非お嬢さんが子供さんを生んだらその子にも着て欲しいですね
きっと、この浴衣を作られたお母様も喜ぶでしょうね・・・
じつはわたくしひそかに、娘の成人の際には娘に着せる着物を縫ってみたいと思っております。ええ。素人にできるわけないと言われるのは承知です・・・。子供が小さいときにいくつか作った浴衣のように一筋縄ではいかないことも承知です。でも、でもでも、作りたいと密かに思っているのです・・・


着物はフリルがついた時点で、あれはもう着物ではありません
着物は艶っぽくしっとり、そして雅に・・・ですね
Commented by えみぞう at 2010-09-21 21:18 x
かわいいなあ(よそさまのおこさんなのにデレデレ)
洋服と違って着物は流行り廃りがないから代々受け継がれていくのが
いいなあと思います。

実は私の相方が着物の染色をしてまして、着付け・着物と帯の合わせ方にうるさいうるさい。
私がろくに着付けが出来ないもので習いに行こうかなと言い出したら
「こんな事に金使うなっ自分で家で練習しろっ」とうるさいうるさい。
で、練習してたら「お前・・・センスないなあ(ため息)」うるさいうるさい。
Commented by apakaba at 2010-09-21 22:11
浴衣レス。
グッドバランスさん、やはり、同性の子供のつながりというのは、格別だと思いますね。
この世に二つの性があって、よかったねえ〜。

しかし、レースやフリルの意味不明浴衣コスプレはまだ「若さの暴走というところで納得するとしても、「異常な襟の抜き方」「異常な丈の短さ」だけは、どうしても解せませんねえ。
あれはいったい、誰が教えて(着付けて)いるのだ?自己流か?

minmeiさん、ありがとうございます!
何世代にも卸せるところが、いいところですね。
浴衣はやや消耗品だけど、正絹の着物も山ほどあるので……(保管が……)
器用なminmeiさんなら、絶対になんでも縫えますって。
私の母も、和裁、洋裁、髪結いの真似事まで、なんでもできました。あ、過去形じゃなくて今でも。
だって和裁ってカーブだらけの洋裁に較べて、「イケる」って感じがしませんか?←完璧なるシロート考え
Commented by apakaba at 2010-09-21 22:17
浴衣つづき。
えみぞうさん、「若い女の子」は無条件にかわいい!という不変の真理を、見せつけられる毎日でございます。
昔々の着物でも、小物にうまく今っぽいモノを合わせれば、すぐに生き生きとよみがえるのですよね。
あれは本当にすばらしいと思うわ。
いくら洋服が、たとえば「80年代ファッションリバイバル」とかいったって、じゃあ80年代にフツーに着ていたものを後生大事にとっておいて引っ張り出してみても、なんかヘン。
やっぱり無理なんですよね。

相方氏のお仕事には興味津々です。
でも、いろんなことに「うるさいうるさい」からこそ、染色という神経を使う仕事ができるんでしょう。


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