2010年 09月 21日
娘は金魚すくいが大好きだ。 先日のお祭りのとき(「コシヒカリ」の、初めての浴衣)も2匹持ち帰ってきた。 娘が小さいときから、私はいっさい手を出さずに世話は本人にさせているが、ちゃんと数年は生きている。 でもこの2匹は、見たとたん「これは、ムリかな」と思った。 娘はいつものように、「名前をつける!」と張り切っている。 前の金魚は小さ過ぎて、まだ体の赤い色もきれいに出ていないくらいの子供だった。 だから「幼名を牛若丸にする。赤くなってきたら、義経にする。」と言って、そう名付けていた。 うちの子供たちは、金魚の名前をつけるといちいち紙に「命名・何々」と書いてしばらく貼り付けている(「アキタコマチ」も何年か前に「命名・紅丸(べにまる)」と書いてたんすに貼っていた)。 「でも今回の金魚はちょっとムリかもよ。下手に名前をつけるより、何日か待って持ちこたえそうならつける、ってことにしたら?なんか、名前をつけて死んじゃうのって、よけいに悲しくない?」 私が言うと、しょんぼりしている。 娘からすると、これまでお祭りの金魚はつねに長生きしてきたから、“お祭り金魚はすぐ死ぬ”というのが信じられないらしい。 「でも……、つけようよ。2匹だから、双子ってことにしよう。誰か双子の有名人、いないかな?……ベトちゃんドクちゃんにしよう!きめた!」 あきれ返る兄二人。 「そんな名前じゃますます……(長生きは)……」 「いいの!どっちがどっちって決めないで、先に死んじゃったらそっちがベトちゃん。生き残ったほうがドクちゃんってことにする!」 なんという命名の仕方なの。 おおかた、小学校時代に図書の時間にでも本を見て、感銘を受けたのだろう。 「体がくっついてたけど切り離したんだよ。ひとりは死んじゃったけど、もうひとりは生き残ったんだよ。だから、金魚のどっちかがだめでも、1匹は残るかもしれない。」 願いむなしく、きのう、1匹浮かんでいた。 「あ!ベトちゃんだめだった。」 と、あいかわらず迷いなく(“この子には敵わない”)ぼしゃっと水に手を突っ込んで死んだ金魚を手づかみする。 私は、調理するための魚ならなんともないのに、死んだ金魚はどうしても気持ちが悪くて手づかみはできない。 矛盾しているとわかっているけど。 そして今朝、ドクちゃんも天に召されている。 娘が学校から帰ってきたら、がっかりするだろう。嗚呼。 *ほんもののドクちゃん、いやドクさん、こんなところで名前をつけてしまい、本当に申し訳ありませんでした。お詫びいたします。
by apakaba
| 2010-09-21 13:22
| 子供
|
Comments(10)
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タカモト
at 2010-09-21 22:40
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いいんぢゃねーの、そんなもんで。
それでも彼女は「その子らをどこかで知ってた」訳だし。 子供はある意味怖いけど無邪気と言うか・・・(笑) 我々が同じ感覚で名づけるなら「金さん銀さん」だけど。(笑) まー守り的で。(あはは)
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apakaba at 2010-09-21 22:44
昔、夫が「笹錦」「虎子光」ってつけてたなあ(「BE FREE!」読んでた?)
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ぴよ
at 2010-09-21 23:44
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まあ、逝ってしまいそうだったから「ベトちゃん」「ドクちゃん」
と敢えて名付けたのだろうと。むしろ結構ネーミングセンスいいんじゃない? これで「じゃあ【まなちゃん・かなちゃん】にしよう!」とか言い出したら をいをいお前何かあの双子に恨みでもあんのか?ってツッコミ入れたく なっちゃうじゃないか(苦笑)
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apakaba at 2010-09-22 00:08
私も、「アホながら、アホレベルでけっこう社会派だ」と少し(親バカ)思ったのだけど、こういうことって、書くと「ドクさんご本人がなんと思うか」とかちょっと外れたポイントで憤慨をする人がいるでしょう。
ポイントなのは「枯葉剤のことを図書室で知って感銘を受けていた」ことなのにね。 そして「たとえ片一方になってしまったとしても生き残ってほしい。」と願っていたところなのだけど。
平成生まれの子がベトちゃんドクちゃんをご存じなんですね!40代の私でさえリアルタイムには知りません。自分が生まれた頃にこういう人たちがいたのを後々graph等で知りました。
その時の気持ち。「かわいそうだな、枯葉剤って怖いな」と同時に「なぜ彼らだけが、日本で手術を受けられたんだろう?」でした。それは追求しちゃいけないことなんでしょうね。 眞紀様の締めの発言も、私は有って良かったと思います。確かに「噛みついてくる奴」はいますからねぇ。「**さんに悪い」とか横を見てしまう意識。人に罪悪感を植えつけて、優越なポジションに立とうとする輩は確かに存在します。「私は傷ついた・・・、あなたのあの発言で・・・」とね。横眼の姿勢はニュースでも「欧米では**」の論調も依然あるし。 突出した存在になりたければ海外に行くしかないですな。または海外で評価を受けて逆輸入の形。ミュージシャンのYMO(坂本龍一さんとか)などはその典型ですね。彼らはもともと実力はあったが、評価する力がメディアに無かった。芸術家にはそのパターンが多いのではなかろうか。 いろいろ考えさせられた文でした。ありがとうございます
うちも、この間お祭りですくった金魚の「おさら」と「うみ」を
「私が」育てています。 お祭りの金魚って、すぐに死んじゃうイメージがあったから むしろ生き延びていることにびっくり。 案外、たくましいのだねー。 ところで、下のコシヒカリちゃんの浴衣姿、本当に可愛かった。 妊娠前から、絶対に男の子が欲しいと思っていた私だけれど 初めて(!)、女の子が欲しいと思いました。 ああ!是非正面から見てみたい~~。
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apakaba at 2010-09-23 11:59
グッドバランスさん、ええッ、キミ40代か!(まずそこに驚いてみる)
いまの学校は、戦争関連の話は図書の時間などによく採り上げるみたいです。 最近のことでは、シエラレオネの少年兵の話とかも!(アホなオトナよりよほど社会派な小学生たち!) 私のブログのレベルでは、ほとんどなにを書いても問題にされることはないと思うけど一応、無駄な横槍を受けたくないので。 しばらく通して読んでくれていれば、娘がどんなに捨て身の生き物好きで、命をだいじに思っている子かわかるはずだけど、この記事一つだけしか見ていなかったら「死にかけている金魚にその名前って!」と憤慨されてもしかたないもんね。 称賛と非難は、有名になるのと正比例ですよね。 YMOは、いろいろと早かったなー。
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apakaba at 2010-09-23 12:03
みかちさん、「おさら」と「うみ」って、すっごくポエティックでいいな!
子供にしかつけられない命名だわ〜。 うちも、長男が小さいころは名付け名人でした。 ご子息くんの年齢ではまだ世話は難しいから、小学生になったら、任せられるでしょう。 うちも、子供が小さかったころ、あらゆるモノを飼ったよ。 とくに虫。虫メンドクサイ!なついてもくれないし! 娘の浴衣ありがとうございます! もうね、親バカ炸裂中につき危険です下がってください。
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那由他
at 2010-09-23 14:35
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金魚すくいの金魚、だいたい夏の終わりには、死んでしまうことが多いのですね。
うちでは、名前を付けたことはありません。たんに「金魚」と呼んでました。薄情ですね(^^; 友達の家では、何年も年を越して、「鯉?」と思うくらい大きくなったのがいました。友達は、どうせすぐ死んじゃうだろうと、バケツに入れて玄関においておいたのが、二匹とも、元気で生き続けました。面倒だからとバケツ住まいのままで、普通にエサやりと水換えくらいしか世話してないのに、と言ってました。個体差というか、生命力のある金魚だったのでしょうね。この大きくなった金魚も名無しのごんべぇのまま。(^^; ところで、ドクさん(もう29歳ならドクちゃんとは呼べないし)のお子さんも偶然なのか双子さんなんですね。もうすぐ1歳・・・。 ドクさん、春に来日しておられましたね。 http://kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P20100430000143&genre=O1&area=Z10 家族を得て、幸せに暮らしておられると思いますが、「昔の人」になることなく、枯葉剤の恐ろしさを後世に告げ知らせることを使命としておられるのでしょうね。
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apakaba at 2010-09-23 14:57
子供同士で名前を付ける会議で盛り上がるのが楽しいみたいです。
いくつになっても、ワーワーと騒いでいろんな名前を考えています。 うちの子供って子供っぽいんですよね。 ドクさんは活躍なさっているのですよね。 結婚して子供もできた、というニュースをうれしく見た覚えがあります。 |
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以前はエイビーロード「たびナレ」や「一生モノ https://issyoumono.com/」などでウェブライターをしていたが今は公立中学校学習支援教員のみ。 子供のHNは、長男「ササニシキ」(弁護士)、次男「アキタコマチ」(フランス料理店料理人)、長女「コシヒカリ」(ライター・編集者) by 三谷眞紀 カレンダー
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