2010年 10月 22日

息子との音楽の会話

ゆうべ、一人で飲んでいると「ササニシキ」が予備校から帰ってきた。
最近 iPod touch を買ったのがうれしいらしく、ディスプレイを見せては「ほら、きれいでしょう」と言ってくる。

私 :ああ、やっと『メイク・サム・ノイズ』入れたのか。(このアルバムについては、3年前にMAKE SOME NOISE!と題してレビューを書いた。)
サ :うん。いい、これ。
私 :いいよね。U2とデュランデュランの『Instant Karma』がぜんぜんちがうしね。デュランデュランはずんどこずんどこしてるし。アヴリル・ラヴィーンの『Imagine』はすごいでしょう。
サ :うん、あれだけなんだかぜんぜんちがう、聞き流せない感じ。
私 :あれ聴いてると、周りの世界が変わったような感じというか。思わず立ち止まって聴き入ってしまう感じだよね。
サ :そうそう。
私 :レノンの楽曲もいいけど、べつにあの人、声が最高に魅力的!とかいうわけでもないし、やっぱボノの声やアヴリル・ラヴヴィーンの声なんかはすごいよねえ。

サ :レノンはやっぱりあれ、『Stand by me』がいいでしょ。
私 :……はあ?あれはレノンの曲じゃないよ、カバーだよ。
サ :えええっ!ちがうの?( iPod touchから探してかける)
私 :ちがうよ……なにを言ってるんだ。もっと昔の歌だよ。ええとー、あれは……あっそうだベン・E・キングだ。
サ :誰それ、キング牧師みたいな?
私 :ちがうけど。うちの iPodに入ってるかな。さすがに入ってないか。YouTubeでさがそう。(かける)

サ :うひひひひひ!なんだこれー踊ってるうひひひひひ!
私 :これがオリジナルだよ。レノンはロックっぽいなアレンジが。この歌のカバーでいいのは、実はキヨシローなんだ。
サ :え?そんなのあるの?
私 :あるよ、『HAPPY HEADS』というアルバムでキヨシローが唄ってるんだ。レノンが唄うとロックっぽいけど、キヨシローが唄うとブルースっぽいね。
Whenever I'm in trouble Won't you stand by me(キヨシローは You're ではなく I'mと唄う)
英語の勉強は、英語の歌でしたんですよ。昔の子は。おかーさんも。今の子は、邦楽ばかり聴いてるから英語の勉強に弱いよね。
サ :うん、そうそう。あ、オレ、山下達郎のカバーなら持ってる。
私 :ああ、これは元のベン・E・キングの雰囲気がよく出てるねえ、山下達郎はうまいなあ。

サ :ふーん、古い歌っていいね。新しい曲より、いい。もっとないの。
私 :だったら……うーん、サム・クックとか?(うちの iPodから出す)これはウルフルズがカバーしてたけど『Wonderful world』。ウルフルズよりずっとテンポが速くてダンス向き。
サ :(ベストアルバムのジャケット写真を見て)うひゃひゃひゃひゃひゃ!踊りだしそう!まさに微笑みかけている!すごい!微笑んでいる!
私 :なにがおもしろいんだよ……

サ :ふーん、いいねえ古いの。もっとないの。
私 :黒人でということなら、ルイ・アームストロングの『What a wonderful world』は。(YouTubeからさがす)
サ :ぎゃっはっはっはっはっは!なにこの顔どうしてこんな顔するのー!ひゃはははははははは!なんだこれー!
私 :うるさいなこれは名曲なんだよ……
サ :昔の曲っていいね。なんか、平和で幸せそう。
私 :バカだねこの歌はねえ、差別がほんとにきつかった時代に、「なんてすばらしい世界だ」と唄っているから感動的なんだよ。
サ :でも暗い時代には、音楽は明るくて希望がある感じ。今みたいに、平和なときだと「平和なんかよう」みたいな歌ができる感じ。
私 :うーんそういう面もあるかもしれない。
サ :オレ、もっと古い歌を(自分の iPod touch に)入れよう。

夫にあとでこのやりとりを話すと、
「黒人が好きなら、テディ・ペンダーグラスとかがいいんじゃねえの。」
と言っていた。
彼もとてもいいけど、「ササニシキ」が求めていた“昔の、いい音楽”はもうちょっと古めのような気がしたなあ。

by apakaba | 2010-10-22 22:52 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(8)
Commented by ぴよ at 2010-10-23 23:20 x
ルイ・アームストロングの「What a wonderful world」なら私も車のナビのHDに録音して聞いてましたが、先頃車上狙いに遭って大量に録音したナビがごっそり盗まれました(涙)
まあいいんだ。保険で新品ナビ付けてもらえたし、くだんの音源はCD買って持ってるからまた録音すれば済むんだし♪

私も「微妙に古い楽曲好き」です。基本は80年代かな。
もう少し手を広げると70~90年代前半辺りまで。
でもケシャとかレディ・ガガも聞くよ。
きっと「いいなー」と思う感覚って不変なんじゃないかな。
今リリースされても50年前にリリースされていたものでもきっと「いいな♪」って気持ちにさせる音楽って洋の東西を問わず時代の新旧を問わず、いつでもどこでも「いいな♪」なんだろうと思うんだよ。
だから何度でもカバーされるんだと思うんだ。
オリジナルをリスペクトして、その上でその時々のアーティストによる新しい解釈と表現が加わって、更にその楽曲が不変性を増していくんじゃないかなーって。
Commented by apakaba at 2010-10-23 23:56
ワハハー。
夏に名古屋に行ったとき、カーステでかかりつづけていた音楽を、私が辛抱たまらず「なんかさっきから聴いてれば、ずっとツボな選曲ばかりなんだけど。」と言ったよねえ。
ああいう感じね。
ストライクな感じ。
Commented by グッドバランス at 2010-10-24 01:23 x
平安京は、本当に平安だったか?みたいな感じですね。
確かに、歌は世の鏡ですね。
例えば、歌謡曲でも、戦後の荒廃期から辿って行けば、呼びかけ、メッセージっぽかったのが、だんだん、僕は私は…といった内向的な感じが増えてますね。自分の身の回りだけを謳ったような。
Commented by kaneniwa at 2010-10-24 23:16
ポップス、ロックの世界でも 
「古典」 が生まれつつありますね。
クラシックというよりも、常に誰か(プロとは限らない)に
演じられるスタンダードが。


落語家を噺家という時の 噺 という文字は、
そういえば 口に新しい と書くなぁ、と気がつきました。

What a wonderful world も、
Stand by me も、
口にして新しい生命力を感じられる曲ですね。

BYマーヒー
Commented by apakaba at 2010-10-25 23:57
グッドバランスさん、平安になるといいなっといいたいのでしょうね。
名前をつけるとき(あとからではなくこれからつけるとき)、「その状態」をつけるよりも「このあとこうなるといいな」の願いを込めるほうが圧倒的に多いでしょうからね。

自分の身の回りを唄う歌、身の回り半径5メートルを撮る写真(女子写真とくくられてしまうこと多数)。
Commented by apakaba at 2010-10-25 23:59
マーヒーさん、「クラシックロック」という一瞬とまどうようなジャンルがあるくらいだからねえ。
やっぱり、自分の子供には、たった今流行っている音楽だけでなくてさかのぼって聴いてみてほしいなーと思います。それが本音。本当の音。
Commented by minmei316 at 2010-10-27 16:41
ベン・E・キング(わたしも知りませんが)と聞いて
誰それ、キング牧師みたいな?
ここに妙にはまってしまって(笑))))
apakabaさんとササニシキ君の会話シリーズ、面白いですね
読んでいて楽しいです

それとボノの声は確かに良いですね~
英語わかんないけれど、声だけでも
いろんな意味で説得力あります
しびれます 惚れちゃいそうになりますね

Commented by apakaba at 2010-10-29 18:01
minmeiさん、ベン・E・キングは『Stand by me』のオリジナルの歌手です。
あの映画の主題歌になったのはオリジナルです。
「ササニシキ」は声が低くてぼそぼそしゃべるので、そのしゃべり方だとまた更におもしろいのですよ。

U2には来日公演に二回行っていますが、あまりの声に死にかけます!


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