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あぱかば・ブログ篇

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2011年 06月 21日

あなたを香港・マカオに連れて行くよ・26

3月21日つづき。(前回分はこちら。スタートから読まれるときは第1回分からどうぞ)

5年前に初めて来たとき以来、コスモポリスである香港でなら、シナゴーグも見つかるだろうと思ってさがしていたのだ。
地図上ではすぐ見つかった。尖沙咀(チムサーチョイ)と、こちらの香港島とふたつあるようだ。
残りの日程で、もう香港島から出ないことを決めていたし、ほんの一部分だが写真も載ったページを検索したので、こちらに行ってみようと思った。

ここの情報は、本当になにも見つけることができずにいた。
英文のページしかなくて、詳しいことがまったくわからない。
急に行って外国人が見学できるのか、何時から何時まであいているのかなどがわからないままだ。
住所もわからないから、『歩き方』の地図ページを破りとって大体の目星をつけて出かけてみる。

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中環(ヅォンワン)名物、ヒルサイドエスカレーター。傾斜地を楽に移動できるようにつくられた、動く歩道。



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マイラヴー!トニー・レオン!香港はちょうど映画祭の最中で、このポスターが至るところにあった。一本でも観たかったのだが都合がつかず断念。トニー・レオンのにニコヤカな微笑みだけで我慢しよう

ヒルサイドエスカレーターを利用してみる。
ここは前回も来たことがあるが、前は昼間、今度は夜なので、時間帯のちがうときに再訪するのはおもしろい。マカオの聖ポール天主堂跡も、前は昼、今回は夜で、とてもよかった。

あなたを香港・マカオに連れて行くよ・26_c0042704_224597.jpg
動く歩道の脇には細い道があります。ここを通っていく人もいます

通勤の人もたくさんいて、足早にとおりすぎていく。
私のようなぼんやりした観光客とはせかせかぶりがちがう。
香港在住の欧米人もたくさん利用していた。
私は彼らとちがってのんびりしているのでエスカレーターを歩かない。
エスカレーターの両脇でうつり変わる街の様子をだらだらと眺めている。

やたらと欧米人ばかりでにぎわっているエリアがあるが彼らは一体どこからわいてくるのだろう?
旅行者なのか在住なのか?
あんなに似たような飲み屋ばっかりいっぱいつくって、味に差はあるのだろうか?
店というか道路上でグラスを手に手にワーワーとしゃべっている彼らは、カトマンズのタメルやバンコクのカオサンにいる彼らよりも身なりはいいが印象は同じだ。
まるで自国のカフェにいるのと同じようなたたずまいでくつろいでいる。

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このにぎやかなエリアは、おそらくソーホー。

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上から俯瞰してみる

なにかとても“旅行中”な気持ちになって彼らを眺めていた。
やがて、この先にモスクがあったことを思い出した。
シナゴーグへ行く途中にモスクへ寄るか。
あのモスクはネイザンロードのモスクよりボロかったが愛らしい造りで印象はむしろネイザンロードよりもよかった。家庭的な感じがした。
闇夜に浮かぶモスクというのも期待できる絵ではないか。

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入り口を見つけて、記憶がよみがえる

モスクの入り口をくぐると、怖じ気づくほど暗い。
暴漢に襲われないだろうかとちょっとだけ心配になる。
次の瞬間、いやな予感がする。

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かなーり心細い階段。この先にあったはず。しかし……なんだあれは?

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はんぎゃあああ!うそーん!

なんと、モスクは建物全部がすっぽりとシートに覆われていた!
5年の歳月をきゅうに感じて唖然とする。
ボロかったもんなあ。全面的に建て替えるのだろうか?それとも取り壊しか?

その、シートにくるまったまゆのようなモスクを背にして、いま入ってきた門のほうを向くと、にぎやかで明るいヒルサイドエスカレーター沿いの坂道がとても遠いところにあるように感じられる。ざわめきはぼんやりとしか届かない(気がする)。
モスクに入っていくときは暗く感じられた小径が明るく街灯に照らされている。
まあ、仕方ないかと思う。

あなたを香港・マカオに連れて行くよ・26_c0042704_2258495.jpg
帰り道。思いがけない邂逅であった……

以前来たときにはここまでで乗るのをやめたなと覚えているところを通り過ぎた。
大きなガジュマルの木が、オブジェのような根を網の目のように張っているのを、以前に来たときよく覚えていた。
この根は5年たってもなにも変わらなかった。
ここまででもずいぶん上ってきたと思っていたのだが、今回はまだまだ上る。

エスカレーターの切れ目がそのままスーパーの入り口とつながっているところも過ぎる。
垣間見たスーパーの中は、外国人の買い物でにぎわっていた。
高級スーパーなのだろうな。

やっと「このあたりで歩けば見つかりそう」という辺りでヒルサイドエスカレーターのトリップを終了する。
まだ上があるようだったが、そろそろ終わりだろう。
香港在住あるいは香港通な皆さまからすれば、知り尽くしている場所だろうし、きっとあのスーパーの名前も、地名もおわかりなのだろうけれど、そこは香港初心者の恥ずかしさ、いや強みである。
初心者はとりあえずどこへ行っても新鮮で、たのしめるのだ。

27につづく)

by apakaba | 2011-06-21 23:03 | 香港マカオ2011 | Comments(4)
Commented by タカモト at 2011-06-22 15:07 x
ディープだ、ディープ過ぎる。。。
たぶん、日本人ではミタニさん以外は誰も行ってないでしょう。

>上から俯瞰してみる・・・写真
なんか映画のセットみたくて素敵です。

Commented by apakaba at 2011-06-22 18:21
タカモトさん、ヒルサイドエスカレーターはわりと旅行者向きだけど、つぶれたモスクとか、次回に出てくるユダヤ教のシナゴーグとかはトホホスポットです。

>なんか映画のセットみたくて素敵です。

「恋する惑星」だね!
我々のラヴなカネシロと、私のラヴなトニー・レオンでした!
Commented by _sweetwood_ at 2011-06-22 21:17 x
ヒルサイドエスカレーターはHISのツアーでも組み込まれてましたよー。
HISめ、なかなかヤルな!と思ったんですが、結構旅行者向けでしたか。

ソーホーやら、ランカイフォンやらの欧米者が集うエリアでなぜかタイ料理を食べるということをしたことがありました。
香港っぽい高層ビル群を背景に、何故か飛び交う英語、ワイシャツ姿の白人のグループ、何故かパッタイを食べる私たち。。。妙にシュールでそれはそれで面白かったです。
Commented by apakaba at 2011-06-22 22:33
_sweetwood_さん、HISっておもしろい会社ですよねえ。
私も、大学生のときに初めて使った旅行会社だったのですがそのあとなぜかしばらく敬遠してました。
僻地系の旅行には、大手の会社じゃないほうがいいようなイメージがあって。
でもここ数年、またよさを見直してます(twitterでもフォローしてます!関東と関西と両方!)

ヒルサイドエスカレーターは、「恋する惑星」の舞台になったというのが90年代には売りでした。

無国籍グルメにも強い地域ですよね!
私はあそこで飲んだり食べたりしたことはないのだけど、タビビトのたまり場の気配を漂わせていて、けっこう好きです。
本文にも書いたように、タメルとかカオサンみたいな、メジャーさとそれなりの歴史を伴っている感じ。


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