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あぱかば・ブログ篇

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2011年 06月 25日

あなたを香港・マカオに連れて行くよ・28

香港

3月21日つづき。(前回分はこちら。スタートから読まれるときは第1回分からどうぞ)

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今日一日で本当にクタクタに疲れ切った。
昼までランタオ島でケーブルカーに乗ってよろこんでいたことが、もう何日も前のことのように遠く感じられる。



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ホテルのすぐとなりにある、いかにもあやしそうな風情の足マッサージに入ってみる。
中はかなり暗くてせまく、入ってすぐのソファに30歳くらいの女の人が完全に寝っ転がって携帯でしゃべっていた。私を見ると「フット?」と聞いて起き上がった。
他にもお客さん(地元の人に見える)が数人、大部屋でマッサージをやってもらっていたが、私は入り口すぐの個室にとおされ、ベッドに横にされた。
そこでボロい毛布をかけられ、少し待たされたあと、フリルのミニスカートの女性(最初の女)が足をやってくれた。
なんだか彼女はやる気がなくて、手抜きしているのかそれとも外国人だから痛がるかもしれないと思って手加減しているのかどちらなのかわからないが、とても押し方が軽くて、ほとんど指の間をなでられているような感じである。
もう少しがんばってやってほしいが言うのも面倒でそのままにしちゃった。
金額も時間もまるで指定なしでいきなり始まって終わるのがおおざっぱでおもしろい。
ちょっとゆっくりできたし、地元な感じがおもしろかったのでまあいいや。

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ベッドに寝かされた状態。ドアの隙間から入り口が見える

長い長い一日を終了してホテルに帰り、ルームサービスでジントニックを一杯飲む。なんだか甘かった。どうして甘くするんだよー。


3月22日(火)曇後晴
このコートヤード バイ マリオットホテルに来てからはとにかくトラムに乗ってばかりいる。
ホテルの前からトラムとバスがたくさん出ているが、せっかく西環(シンワン)の場末に来たのだからトラムを最大限利用しようと思っている(「香港路線バスの旅」をたどる旅はひとまず満足したことだし)。
しかしトラムは、急いでいるときはぜんぜんダメなんだな。
たくさん来るけど結局渋滞すれば何台もつながってしまうし。

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老人ホームも多い界隈

今朝は、ホテルの近くの食堂でかぼちゃとコーンのおかゆにしてみたが、高いだけで(肉の入っているおかゆより高い)おいしくなかった。がっかり。

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おばあさんが見ていたから入ってみたのに

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離乳食みたい。まったくおいしくない。

今日は、というかもう、帰るまで香港島の中で過ごす。
今日の予定ももりだくさんである。
まずはタクシーを呼んで、ホテルから香港大学へ。
きのうは香港科技大学、今日は香港大学である。こちらは建学100年の歴史があり、東大よりも偏差値の高い超名門大学である。
このキャンパス内にある博物館に、行ってみたかった。

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優秀な女子たち

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南国調な風情がいいなあ

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博物館入り口

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博物館のコレクションは大変すばらしく、予想していたよりはるかに見ごたえがあった。
展示により、写真撮影可と不可のところがあるので、可のところだけでもバシバシと撮る。
中国美術にはほとんど興味がないので、そんなに長時間は見ていないが、興味がない私でも立派なものだなと感心した。

最もよかったのは、ちょうど会期に当たった現代作家による三人展で、これはセンスよく古典を踏まえつつ個性が出ていて、すばらしかった。
日本の現代作家も見習ってほしいと思った。
そのコーナーは感心してぐるぐる何度も見て回ってしまった。

建築そのものも、重厚な古めかしい建物で、とてもいい。
今どきの、ガラスと鉄骨を多用した、軽く洒脱な博物館もステキだが、こういう古い建物の重みだけは新しい建築には真似ができない。

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透かし彫りの影が壁に映ってステキ

見学者がほぼいなくて、のんびりした。
そして、ここも行きたいと前から目星をつけていた、博物館のティーサロンへ。
思ったより暗い穴ぐらのようなところで、隠れ家的だ。
ネットで検索してここを知り、一度くらいは中国茶をちゃんと飲みたいと思っていた。
ここは20香港ドルという安さで白茶・緑茶・黒茶の3種類からひとつをえらべる。
私が座ると、はげ頭の長身のマスターがやってきた。
マスターといっても喫茶店のオヤジ的マスターではなく、物腰はやわらかく品があり知的な雰囲気である。
そのマスターが、物静かな調子で茶葉の味わいのちがいを教えてくれる。
私は「白」にしてみた。
彼は、物静かな調子のまま
「まずこうして、カップをすすぎます。」
と言って竹製のトングのようなもので肌の薄い小さい茶碗をお湯の入った建水のようなものの中でクルクル回した。
そしてお茶の淹れ方をいろいろ教えてくれて、ひととおり説明すると、闇に溶けるように去っていった。
サロンの四隅は大変暗いのである。
中国茶(white tea)はおいしかった。
ただ、この水の底のような静かで眠くなるような空間とともに味わうことで、とくにおいしく感じられたのかもしれない。この時間と空間そのものを、満喫していた。

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あのデスクがマスターのオフィスのようだ

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私は旅行中は別人のように活発になるので、うっかりすると休みなく歩き回ってしまって疲れすぎてしまうので、ここで意識的に長く座って休憩していた。
日記を書いてゆっくり過ごす。
このティーサロンは一応ミュージアムショップも兼ねているが、気軽にお土産を買えるようなものではなく、もっとマジメな美術品が多くて、手が出なかった。

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お土産の売り物とは思えないハイレベルさ

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私がイメージする香港とまったくちがう、静かで落ち着いていて品のいいマスターと、彼のあずかるティーサロンは実によかった。
私は、香港の“ちがう顔”を見つけたい。
次々と、“ちがう香港”に出会ってきた。
まだまだいくぞ。

29につづく)

by apakaba | 2011-06-25 14:46 | 香港マカオ2011 | Comments(2)
Commented by _sweetwood_ at 2011-06-27 20:24 x
ほんと香港の違う顔ばっかりです!

中国茶をちゃんといれてもらっていただくのは、
ちょっと憧れておりますが、
意思疎通がはかれなければ面白くなさそう。。
というイメージにはばまれてます。
Commented by apakaba at 2011-06-27 22:15
_sweetwood_さん、ありがとうございます。
震災後、なにをやっても心の底から楽しくなれないような気持ちがつづいていて、「こんな心情では、その日の気分が反映されやすいブログを書くなんて無理だ」と思っていました。
だからこの旅行記連載は、私にとって逃げであり救いです。
これが終わっても好転しているようにも思えないところが困りものですが、そのころにはまた新しい旅に行けばいいですね!

格式あるティーサロンはお高いですよねー。
私は高級茶葉かどうか、正直のところさっぱりわかってないので、こういう安いところは気楽でいいです。


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