2011年 10月 23日

“詞”が歌のいのちだ

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娘の「コシヒカリ」の文化祭に行った。
私は毎年、コーラスのお手伝いに参加していて、今年でもう8年目になる。
中学生が母親のコーラスなんて聴きたくもないと思うけど、その気持ちはわかるけど、演目として長年定着してしまっているからあきらめましょう生徒諸君。

唄うのは好きだし、タダで歌のレッスンをしてもらえると思えば、3週間の練習も悪くない。
なにより、譜面を必死で追うことって、ふつうは学校を出てしまうとなかなかないでしょ。
カラオケとか、流れてくる曲に乗せて唄うのとちがって、知らない歌を、音符をたよりに「メゾピアノから入って、ここでブレス、そのあとここでリピートしてコーダ。あれ、コーダどこ?」とすすんでいくのはとても楽しい。

今年の曲目は坂本九の『見上げてごらん夜の星を』とAKB48の『桜の栞』だった。
『桜の栞』という歌をまるっきり知らなかったのだが、秋元康の詞はなかなかよかった。
なんだかんだいっても、やっぱりそこらへんのアホな若者が書いた詞とはちがってきちんとしている。
もちろん「卒業シーズンに、どうぞ〜」という狙いは見えるけれど、日本語の歌詞として素直な美しさを感じた。

コーラスの先生によれば、歌というものは、なによりも「詞」がだいじなのだそうだ。
数回唄って音を取ったあとで、あらためて全員で、ふたつの歌の詞を曲なしで朗読した。
昨今の流行りのへなへなな詞だと、リズムとメロディーを抜いて歌を裸にしてしまうと、目も当てられないほど情けない言葉しか残らない。
ここのところ、イマドキの歌をコーラスで採用していて内心忸怩たる思いだったので、「今年は秋元康と永六輔、やっぱりちゃんとした日本語でいいなあ〜」と、ほっとした。

しきりと、以前に観た映画『ラブソングができるまで』を思い出していた(簡単なレビューがこちらに入っています)。
作詞をする女性ドリュー・バリモアが、元ポップスターのヒュー・グラントに向かって、「歌で一番大事なのは、詞なのよ!」と力説するシーン。
アホみたいな話だったけど、いい映画だったなあ。

コーラスは、毎年のことながら、まあまあの出来。
私は中学の文化祭ってまるで興味がなくて、今まで一度も、最初から見たことがなかった。
自分の子供の出番にも興味なく、見た覚えもほとんどない。
8年目にして初めて開会式の前から行っちゃった(今年度はPTA役員なので!)。
生徒さんたちは、彼らなりにがんばってはいるけど、やっぱり端々が雑だなあと感じる。
息継ぎのところでバツッと音を切ってしまったり、発声の仕方にていねいさがなかったり。
なにより、コーラスの先生のおっしゃる
「歌というものは、メロディーに乗せて、詞を伝えることがもっとも大切なことです。いくら音程がとれていても、詞の、ことばひとつひとつが聴く人に伝わらなければ意味がないのです。」
というレベルまでには思いが至っていないのね……と思ってしまった。
シビアな感想。
でも、親として「子供たちのがんばっている姿を見るだけで、もう涙うるうる」というのは小学生まで。
大人の階段をのぼるなら、さらに唄えるように、ガンバローみんな。

※写真は、役員にも配られた、本日の給食。
今日はお弁当給食というもので、この学校の給食にしては、すばらしくおいしうございました!
でもこの和風な献立にりんごジュースは唐突だと思います!
でも唄ったあとだったからゴクゴク飲んじゃったけどね!
私以外の役員メンバーは、残して家に持ち帰ってた!

by apakaba | 2011-10-23 00:10 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(6)
Commented by ぴよ at 2011-10-23 01:35 x
コーラス、お疲れ様でした。
Twitterで調子良くないような事つぶやいてたから心配してたの。
その後風邪の具合はいかが?

確かにね、メロディから「お、いい曲だな♪」って入る歌もあるけど
最終的に何年経っても自分の心に残る歌って詞なんだよね~

ちょうど、今日旦那とカラオケ行ってさー、LADY GAGAのBORN THIS WAYを歌って「いやぁ~。歌詞が早くて着いて行けない!けどさー、この曲って本当に歌詞がいい内容だよね♪」と私が言ったら
「はぁ?歌詞の内容まで気にしてガガ歌ってる日本人なんていねーだろ」
と一刀両断にされてしまったのですが(シクシク
Commented by Amano at 2011-10-23 08:52 x
「歌は歌詞が命」という言葉はまさに名言。
長く歌い継がれる歌は歌詞に力があります。
後世の歌手によくカバーされる歌はその典型でしょう。

ユーチューブで「桜の栞」を聞いてきました。
受け狙いという気もしますが、良い歌だと思います。
ウチの子供が卒業する時に聞くことになるのかしら・・(^'^)

Commented by agsmatters05 at 2011-10-24 00:10
私も「ユーチューブで「桜の栞」を聞いてきました。」〈笑〉
何度も聞くと、きっと違う味わいがしてくることでしょうね。
初めて見た公式サイトは、花模様の少女達の着物姿がはなやかでした。お弁当、うまそう・・・。
Commented by apakaba at 2011-10-25 21:54
ぴよさん、この風邪はとんでもなく凶悪です。
「アキタコマチ」は3週間、風邪引いてます。
私は1週間で治った。
でも「コシヒカリ」にうつってそれはそれはさんざんで。

レディー・ガガとか新しい曲を英語でちゃんと唄うなんて生まれ変わって高校生くらいに戻らないと無理だよ。
すごいね。
いや、これはもしかして自慢なのか?そうなのか?
そしてダーは「お前はフツーの日本人とちがって頭がいいな。さすが俺の女房だな」とか?
ああ、ひがむあまりいろいろ勘ぐってしまったじゃないか。
とにかく今の歌を英語で唄うのは絶対無理だわ!
Commented by apakaba at 2011-10-25 21:56
Amanoさん、本文中には遠慮しましたが、秋元康はポピュリストですからねえ。
受けるものしか作りませんよね。
もちろん、卒業式にはばっちりです!
いかにもかかりそうです!いや、コーラスかもしれない。
聴くより唄うと意外と難しかったですよ。
Commented by apakaba at 2011-10-25 21:58
ミチさん、和食なお弁当はおいしうございました。
実はこの中学の給食はすご〜くおいしくなくて、うちの子たちはつねにブルーなんですが、この日は給食室のスタッフが頑張ってくれました。

AKBの大人数が着物を来ているのは壮観ですよね。
首が前に出ているような、首をすくめたような姿勢の子は着物が似合いません。
やっぱり、すっくと背筋と首が伸びている女性は、着物姿が美しく見えましたね。


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