あぱかば・ブログ篇

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2011年 11月 08日

20年の子育てで

ゆうべ、晩ごはんの途中で、家の固定電話に電話がかかってきた。
義母が憔悴しきった声で、「iPhoneがなんだかおかしいの。」と言う。
4sが発売されて、義父母を含め一家で乗り換えたのだ。

「ボタンを押すと、いきなりかけてもいない親戚のところに“発信中”になってる。誰かからかかってきても音がしないか、設定してもいない聞いたことのない着信音が鳴って、“複数から着信あり”と出る。鳴っているから出ようとしてもつながらない。ためしに固定電話からiPhoneにかけてみると、かすか〜な着信音が鳴ってるけど、やっぱりつながらない……今日一日振り回されて、疲れちゃった……」

……聞いても聞いても、なにがなんだか、ワカリマセン。

「駅前のソフトバンクショップに行ってみたけど、あそこで買ったものじゃないから対応が冷たいの。買うお客さんが来たらそっちばっかり優先して、使い方なんて親切に教えてくれないの。だから行きたくないのなるべく。」
今はまだ4sの入荷待ちをしている人が殺到中なので、それも仕方ないかなとも思うが。

「こっちで調べて折り返しかけかえします。家の電話にね。」
と言っていったん切り、「アキタコマチ」に言うと「バグでしょ。一度強制終了させてリセットすれば大丈夫だと思うよ。」とあっさり。
「おばあちゃんはどこも触ってないって言ってるけど、きっとパニックになってあちこち押しまくってキカイが固まっちゃってるだけだと思うよ。」

「そしたらあんたが説明したほうがうまくいくから、あんたが電話してよ。」
と「アキタコマチ」に押し付けた。
すると、いましがた「家の電話にかけかえしますね」と言ったのに、家の電話を留守電にセットしてしまっている。iPhoneがダメになっていて家の電話も留守電では通話できないじゃないの……ああ、年寄りってこうなのよね。

「アキタコマチ」は「おじいちゃんのほうの携帯にかけよう。」と、義父のほうにかけた。
そして、たった今「これだからさあ……留守電ってどういうことよ?」と悪態をついていたのに、義母にかわるとがらっと態度を変えてやさしく説明し始めた。
「おばあちゃん、オレだよ。家の電話、留守電になってたよ。だからおじいちゃんのほうにかけたからね。
ええと大体聞いたけど、もう一度、どうなってるのか症状を教えてくれる?」
なんてやさしいんだろう。
症状は私がすでに聞き出していて、「バグだろうから強制終了」という結論も出ているのに、気が済むまで相手の不満を一度吐き出させるとは、すべての苦情処理係、すべての営業職、すべての客商売、すべてのオトナに必要な態度だ。
強制終了のやりかたもていねいに説明している。
「下の真ん中にあるボタンと、右上に出っ張ってるボタンがあるでしょう、あれをいっぺんに長押しするんだよ。……りんごのマーク出てきた?……くるくる回ってるような表示になった?うん、いいよいいよ。そしたらね、……」
iPhoneの動作は正常に戻った。
こんなにやさしくされたら、年寄りはショップの店員なんかより、彼に頼るわなあ。

今日は「ササニシキ」の誕生日である。
数日前から、「コシヒカリ」が
「『ササニシキ』お兄ちゃんも二十歳だし、そろそろオシャレに気を遣ったらいいと思う。
服を買ってあげようと思うの。でも一人じゃお金が足りないから『アキタコマチ』お兄ちゃんと半分にしよう。」
と言っていた。
「アキタコマチ」は、
「バカだね、服なんて高くてオレらの小遣いで買うのは大変だよ。むしろ小物の組み合わせとかのほうがいいよ、あの人そういうオシャレなもの持ってないし。手袋とマフラーのセットとか。それなら気が利いてるしオレらでも買えるでしょ。」
と提案し、二人で渋谷のパルコに行って買っていたようだった。
この二人は、さんざんバカ兄貴にひどい目に遭わされているのに、どうしてこんなにやさしいのだろうか。
まあ、今までも誕生日のたびに、「ササニシキ」は、「アキタコマチ」に料理の本、「コシヒカリ」に青春小説などをプレゼントしていたんだな。
なんだかんだと仲よくやっているのか。

今日で、一番上がやっと成人になったが、着実に世代交代は進んでいるなあと感じる。
ぼさっとしたバカ長男。
オトナみたいな次男。
心やさしい娘。
だんだんと、彼らを“かわいがる”よりも“頼り”にし始めている祖父母世代。

by apakaba | 2011-11-08 08:41 | 子供 | Comments(6)
Commented by minmei316 at 2011-11-08 18:18
ああ・・・ここに立ち寄るのもこれで3度目
思うこといろいろあって、何か書きたいと思うのですが・・・
書いては思いとどまり、帰ってしまいました・・・
子供の自立は喜ばしい事ですが、それと同時に親は老いていくのですよね・・・。ま、当たり前のことなんですが、なんだかせつないですよね。
うちのじいちゃん(義父)も最近は、物事が今までどおりに上手くいかず、何かと葛藤している様子です。
プライドが高い人なだけに、情けない失敗などしてしまうと
こちらも見ていてなんだか辛いですよ。
「大丈夫大丈夫、どんな偉い人だって年とったらこんなもんですよ」と
ちょっと冷たい言い方ですが、さも気にしていないように振舞ってはみせますけどね・・・

「ぼさっとしたバカ長男」ちょっと言いすぎだとは思いますが
実はうちにもいるんですよ・・・ぼさっとしたのが・・・
でもね、普段はそんなだけど、いざとなったら、きっと、きっと、
頼りになってくれるだろうと・・・信じております(信じたい・・・デス)


Commented by apakaba at 2011-11-08 18:54
minmeiさん、自分も40代で老いてきてはいるけど、やっぱり目の当たりにするのはその一つ上の世代の老いですよね。
そのちょうど真ん中にいる我々は、上り坂下り坂を眺めているといったところでしょうか。
世代のちがう人間同士が交じり合うことが、どの世代の人間にとってもいいことだなーと実感しています。

バカ長男にはこれまでほんとう〜〜〜〜に泣かされてきましたからねえ。
文句を言っても言っても言い足りないのだけど、とりあえず成人はすっごくうれしいです!
最初の子はやっぱりいろんな面で感無量ですよ。
Commented by saheizi-inokori at 2011-11-09 09:34
成人まで育てたっていうことはやっぱり物凄いことです。
ましてそんな良い子たちが育ったのですから。
おめでとう!がんばれ、みんな!
Commented by apakaba at 2011-11-09 09:44
泣けました。
ありがとうございます。
おつきあいの日も浅く、お会いしたこともないsaheiziさんからのお言葉でこんなに力づけられるとは、まったく不思議な縁を感じずにいられません。
とても有り難きことだなと思います!
Commented by saltyspeedy at 2011-11-09 10:42
ササニシキさんの成人、おめでとうございます。
同時におかあさんの20歳、おめでとうございます。
お会いしたこともなくブログを通じて一方的にですが、
いつも、兄弟っていいなと思います。
Commented by apakaba at 2011-11-09 10:55
ひゃーありがとうございます。
仕事やめたら(いつなんだ)ayaさんとスピさんにも会いに行くつもりですよ!
「ササニシキ」のバカぶりは、家族以外にはなかなか説明しづらいのですが、いいところも説明しにくく、まあ説明のしにくい人間なんです。


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