2012年 01月 21日
12.王道な観光(ショッピング・寺院見学・マッサージ)のつづき(1.はこちら)。 11月21日(月)晴 喉風邪であまり飲んでいない私はともかく、ぴよさんとヒロさんの二人は、あんなに飲んでいてよく朝早く起きられるものだと感心する。 だがしかし、せっかくビールを最小限に節制してノドの休養に努めたのに、朝「おはよう」と声を出してみると、ほぼなにも改善されていない……!チクショウメ! まあ、飲酒をきっぱりと断てばさらによくなると思うので、今夜からやめてみよう。 せっかく友だちとワイワイ旅行していて、飲まないのはあまりにさびしい。 またまたふくちゃん♪とカレのニョマンさんがホテルまで迎えに来てくれて、5人でまた成瀬さんのおうちへ。 皆そろっている状態での最後のイベントは、成瀬さんのバナナペーパー工房の見学である。 その前に、成瀬さんの作ったナタデココのデザートをいただいた。 ナタデココとマンゴーとアボカドとキウイだったかな? スリ・バンガローでおいしい朝食をいっぱい食べたばかりなのに、一同バクバク食べてしまう。 しかし、もしこれがバリでなくて日本でなら、成瀬さんの年ごろ(正確な年齢は知らないけど)の男性が、次から次へと手作りのおやつをふるまってくれるなんて、まったく想像できない。 成瀬さんが特別な人なのかもしれない。 バナナペーパーというのは、バナナの繊維を使った手漉きの紙のことである。 きっとこのくらいの行程を踏むんだろうなと予想はしていたが、一度にできることがこれほどちょっぴりなのか〜と思いましたね。 ほんとに手作りだわ。 大量生産できないわ。 匠(成瀬さんのことね)の技は、受け継がれることなく絶えるのだろう(と思ったが、引退までに後継者を育てたいと思っているらしい。以下は私の勝手な想像)。 似たようなことを思いついて一から始める人が出てくる可能性は十分あるが、成瀬さんと同じ風合いの紙を作り出すことはないだろう。 バリの仕事だけでなく、ジャカルタや日本でも大口の仕事が入るという。 三菱地所の高級マンションのエントランスなんて、ほんとにビッグな仕事だ。 口コミだけで広がるというのもすごいが、求めてもまったく同じものは二度とできない、というのもすごい。 成瀬さんがやめたら、見本帳にあった数々の美しい紙は、二度と同じものが作られずに消えるのだろう。 それが……惜しいという気もするが、それでいいんだという気もしないでもない。 彼の紙は、彼の顔であり肉体だ。 同じものはない。 そして彼が仕事をつづけることをやめたら、仕事をする人間としての彼は消滅するのだから、新しい紙も消えていいのだ。 人の肉体は、やわらかくてはかない。 バナナの紙にかこまれていると、知らずに内省的になる。 人の肉体と同じような無常を、紙に感じ取ってしまうからだろうか。 つるつるピカピカした、大学ノートの紙みたいな製品からは決して感じ取れないインスピレーションを、ここの紙からはびしびしと受け取るのである。 と、なんだか仕事をやめることばかり書いてしまったが、もちろんできる限り長く、あの美しく愛しい紙を生み出しつづけてほしい。 いつか、日本で作品を見たい。 成瀬さんと別れ、ウブドゥでぴよさんとヒロさんとも別れた。 またいっしょに旅行しようね!と約束した。 本当に楽しかったよ。声が出ないままでごめん。 また、友だち同士でじゃんじゃん旅行したい。 ※ここで二人と別れたわけは、私はウブドゥを去ってジンバランへ戻り、ジンバランの別の宿に泊まることにしているためである。別行動の詳細はまた次回。決して喧嘩別れしているんじゃありませんよ!ニョマンさんが運転して、ここからジンバランの宿まで送ってくれることになっている。 (14.ウダヤナ・エコロッジにチェックインへつづく)
by apakaba
| 2012-01-21 23:21
| バリ&シンガポール2011.11
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Comments(6)
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ヒロ
at 2012-01-22 02:42
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しっかり、ダルビッシュの微笑み撮ってるし〜Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
そう言えば、東南アジア旅行では考えられないくらい(自分では)朝早かったなぁ…(´Д` )
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minmei316 at 2012-01-22 09:19
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banana
at 2012-01-22 10:13
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バナナペーパーづくりはホビーで始めたもので、基本的にはいまだにホビーだなと思ってます。だから、後継者育成という「課題」も一時期にくらべると、あまり重くとらえないことにしています。どうにかなるところでしか、どうにもならないしね。
マキさんの、いつもながらのするどい観察眼に感心してますよ。 月末からオーストラリアによばれ、あちらでワークショップしてきます。見たこともない植物つかっての紙づくりで、いったいどうなることやら...ま、これもどうにかなるのでしょう。
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apakaba at 2012-01-22 23:05
ヒロさん、ダルビッシュの微笑みを撮れたのは私だけでしたね!
旅先のハンサム撮影は、絶対にのがしません。 彼はこの旅行中で一番のハンサムでした。 私も「あの二人、あれだけ飲んでバケモノだぞ」と毎朝思っていたけど、ほんとのバケモノはあの人か……
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apakaba at 2012-01-22 23:08
minmeiさん、へええーーーー!
意外なところで、接点があるものだなあ。 ゼヒゼヒ、お店のバナナペーパーを見せてください。 もちろんホンモノが見たいけど、次回の金沢がいつになるのかわからないので……とりあえずブログにお写真アップとか……ど? minmeiさんのような芸術家なら、成瀬さんはいっぺんで気に入って一番弟子にしてくれるはずです。 どうぞバリへ!
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apakaba at 2012-01-22 23:17
bananaさん(成瀬さん)、世界のいろいろなところで、いろいろな仕事をしている人がいるけれど、このネット時代に、ほぼなにも自分で売り込むことをせずに仕事がやってくるというのは、本当にすごいことだと思います。
実際に作業を目にしてみて、紙の重み(いや軽いけど)をずっしり感じましたよ。 本当にありがとうございました。 また、作品が見られそうなところを教えてください。 オーストラリアは、ちょっと遠いなあ。 |
アバウト
以前はエイビーロード「たびナレ」や「一生モノ https://issyoumono.com/」などでウェブライターをしていたが今は公立中学校学習支援教員のみ。 子供のHNは、長男「ササニシキ」(弁護士)、次男「アキタコマチ」(フランス料理店料理人)、長女「コシヒカリ」(ライター・編集者) by 三谷眞紀 カレンダー
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