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あぱかば・ブログ篇

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2012年 01月 21日

“南の楽園”はいくつあったの  13.バナナペーパー工房見学

12.王道な観光(ショッピング・寺院見学・マッサージ)のつづき(1.はこちら)。

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早朝時。ウブドゥのスリ・バンガロー。ここのプールで泳ぐチャンスがなかった……




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私の部屋ののどかなカギ

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私の部屋ののどかな窓。バリらしい装飾が味わい深いバンガローであった

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きのう、おじさんがこの飾りを作っていた

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今日でここもチェックアウト。朝食はシンプルながらほんとにおいしかった!

11月21日(月)晴
喉風邪であまり飲んでいない私はともかく、ぴよさんとヒロさんの二人は、あんなに飲んでいてよく朝早く起きられるものだと感心する。
だがしかし、せっかくビールを最小限に節制してノドの休養に努めたのに、朝「おはよう」と声を出してみると、ほぼなにも改善されていない……!チクショウメ!
まあ、飲酒をきっぱりと断てばさらによくなると思うので、今夜からやめてみよう。
せっかく友だちとワイワイ旅行していて、飲まないのはあまりにさびしい。

またまたふくちゃん♪とカレのニョマンさんがホテルまで迎えに来てくれて、5人でまた成瀬さんのおうちへ。
皆そろっている状態での最後のイベントは、成瀬さんのバナナペーパー工房の見学である。
その前に、成瀬さんの作ったナタデココのデザートをいただいた。
ナタデココとマンゴーとアボカドとキウイだったかな?
スリ・バンガローでおいしい朝食をいっぱい食べたばかりなのに、一同バクバク食べてしまう。
しかし、もしこれがバリでなくて日本でなら、成瀬さんの年ごろ(正確な年齢は知らないけど)の男性が、次から次へと手作りのおやつをふるまってくれるなんて、まったく想像できない。
成瀬さんが特別な人なのかもしれない。

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成瀬さんの了解を得て、お宅を撮らせてもらった。オープンカフェのようなこのスペースには、バナナペーパーが随所にあしらわれている。

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おととい来たときには、あまりにもさりげないあしらいで見落としていたような箇所にもバナナペーパーが……

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広大な敷地の端にある東屋。

バナナペーパーというのは、バナナの繊維を使った手漉きの紙のことである。
きっとこのくらいの行程を踏むんだろうなと予想はしていたが、一度にできることがこれほどちょっぴりなのか〜と思いましたね。
ほんとに手作りだわ。
大量生産できないわ。
匠(成瀬さんのことね)の技は、受け継がれることなく絶えるのだろう(と思ったが、引退までに後継者を育てたいと思っているらしい。以下は私の勝手な想像)。
似たようなことを思いついて一から始める人が出てくる可能性は十分あるが、成瀬さんと同じ風合いの紙を作り出すことはないだろう。
バリの仕事だけでなく、ジャカルタや日本でも大口の仕事が入るという。
三菱地所の高級マンションのエントランスなんて、ほんとにビッグな仕事だ。
口コミだけで広がるというのもすごいが、求めてもまったく同じものは二度とできない、というのもすごい。
成瀬さんがやめたら、見本帳にあった数々の美しい紙は、二度と同じものが作られずに消えるのだろう。
それが……惜しいという気もするが、それでいいんだという気もしないでもない。
彼の紙は、彼の顔であり肉体だ。
同じものはない。
そして彼が仕事をつづけることをやめたら、仕事をする人間としての彼は消滅するのだから、新しい紙も消えていいのだ。
人の肉体は、やわらかくてはかない。
バナナの紙にかこまれていると、知らずに内省的になる。
人の肉体と同じような無常を、紙に感じ取ってしまうからだろうか。
つるつるピカピカした、大学ノートの紙みたいな製品からは決して感じ取れないインスピレーションを、ここの紙からはびしびしと受け取るのである。

と、なんだか仕事をやめることばかり書いてしまったが、もちろんできる限り長く、あの美しく愛しい紙を生み出しつづけてほしい。
いつか、日本で作品を見たい。

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おうちの敷地内にある工房

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うどの皮を厚く剥くときのようだ

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剥いたら意外なほど威勢よくザクザクとカット

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砂糖と醤油で佃煮にしたらおいしいのではないかと思ったりするが

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この段階まで来るとさすがに佃煮は。便通にはよさそうだが(まだ言うのか)

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フワフワになった繊維を洗うのは、ちょっと気持ちよさそう、やってみたい。でもずーっとやってたら手荒れしそうだなとも思う。とにかく水に触れる仕事が多い

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手作業でフワフワの繊維のごみを取り除き、厚みを均一にしてからこのように天日で干す。雨が降るたびに取り込む。雨の多いバリでのご苦労は察するにあまりある

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今干しているのは成瀬さんのお気に入り。この丁稚さん(愛称ダルビッシュ氏)は仰天のハンサム

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事務室兼ギャラリーというのか?作品がいろいろ置いてある。一つでいいから、うちにも飾りたーい。まずはこれらを飾れるようなステキな家になりたーい


成瀬さんと別れ、ウブドゥでぴよさんとヒロさんとも別れた。
またいっしょに旅行しようね!と約束した。
本当に楽しかったよ。声が出ないままでごめん。
また、友だち同士でじゃんじゃん旅行したい。

※ここで二人と別れたわけは、私はウブドゥを去ってジンバランへ戻り、ジンバランの別の宿に泊まることにしているためである。別行動の詳細はまた次回。決して喧嘩別れしているんじゃありませんよ!ニョマンさんが運転して、ここからジンバランの宿まで送ってくれることになっている。

14.ウダヤナ・エコロッジにチェックインへつづく)

by apakaba | 2012-01-21 23:21 | バリ&シンガポール2011.11 | Comments(6)
Commented by ヒロ at 2012-01-22 02:42 x
しっかり、ダルビッシュの微笑み撮ってるし〜Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
そう言えば、東南アジア旅行では考えられないくらい(自分では)朝早かったなぁ…(´Д` )
Commented by minmei316 at 2012-01-22 09:19
和紙もそうだけど、バナナペーパーのあの質感が好きで
一枚購入して色を付け、額に入れてお店に飾っています
こういう仕事すきだなぁ やってみたいなぁ・・・(今更だけど・・・)
Commented by banana at 2012-01-22 10:13 x
バナナペーパーづくりはホビーで始めたもので、基本的にはいまだにホビーだなと思ってます。だから、後継者育成という「課題」も一時期にくらべると、あまり重くとらえないことにしています。どうにかなるところでしか、どうにもならないしね。
マキさんの、いつもながらのするどい観察眼に感心してますよ。
月末からオーストラリアによばれ、あちらでワークショップしてきます。見たこともない植物つかっての紙づくりで、いったいどうなることやら...ま、これもどうにかなるのでしょう。
Commented by apakaba at 2012-01-22 23:05
ヒロさん、ダルビッシュの微笑みを撮れたのは私だけでしたね!
旅先のハンサム撮影は、絶対にのがしません。
彼はこの旅行中で一番のハンサムでした。

私も「あの二人、あれだけ飲んでバケモノだぞ」と毎朝思っていたけど、ほんとのバケモノはあの人か……
Commented by apakaba at 2012-01-22 23:08
minmeiさん、へええーーーー!
意外なところで、接点があるものだなあ。
ゼヒゼヒ、お店のバナナペーパーを見せてください。
もちろんホンモノが見たいけど、次回の金沢がいつになるのかわからないので……とりあえずブログにお写真アップとか……ど?

minmeiさんのような芸術家なら、成瀬さんはいっぺんで気に入って一番弟子にしてくれるはずです。
どうぞバリへ!
Commented by apakaba at 2012-01-22 23:17
bananaさん(成瀬さん)、世界のいろいろなところで、いろいろな仕事をしている人がいるけれど、このネット時代に、ほぼなにも自分で売り込むことをせずに仕事がやってくるというのは、本当にすごいことだと思います。
実際に作業を目にしてみて、紙の重み(いや軽いけど)をずっしり感じましたよ。
本当にありがとうございました。
また、作品が見られそうなところを教えてください。
オーストラリアは、ちょっと遠いなあ。


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