あぱかば・ブログ篇

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2012年 05月 15日

娘の行きたい京都へ行く(最終回) 6.新選組めぐり・八木邸・旧前川邸・新選組記念館

5.新選組めぐり・光縁寺のつづき。

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光縁寺でご住職から衝撃的な話を聞いた娘だったが、気を取り直して次の新選組ゆかりの地「八木邸」へと向かう。
ここは隊士たちの屯所のひとつであり、芹沢鴨暗殺の場として名高い。
今では、八木邸の前は和菓子屋「京都鶴屋」となっている。
我々もいくつか買って食べたが、上品な味わいだった。

見学のガイドさんは、鴨居や柱に残る刀傷などを見せながら、芹沢鴨暗殺の日の話を、まるで見ていたかのように、なにもかも暗記している学校の歴史の先生みたいによどみなく話してくれる。
二ヶ月後に修学旅行で再訪した娘はここにもまた来て、「山南(やまなみ)さんが好きです!」と言うと、ガイドさんは山南さんのエピソードを(いつもより多めに?)盛り込んでお話してくださったという。
ありがとう!





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旧前川邸も屯所のひとつ。
内部は非公開なのにもかかわらず娘が来たがった理由は、ここが山南さんが切腹した場所だからである。
娘はここでさんざん悩みながら、お土産をどっさり買い込む。
山南さんをイメージしたブックカバー(なんじゃそりゃ)、山南さんの家紋入り湯飲みなど。
乙女だねえ。

この板壁は、今はつぶされているがもとは窓があって、この窓から、切腹前夜に山南さんと遊女の明里(あけさと)ちゃんが別れを惜しんだという。
大河ドラマ『新選組!』をレンタルで見ていた「コシヒカリ」は、切腹の回では滝のように涙を流していた。
堺雅人おそるべし。
いや堺雅人は私も好きだが。

そして、ガイドブックを見て「ここも行ってみたい!」と言っていた「新選組記念館」というところも、さがして行ってみた。
なんでも、新選組が大好きな人がやっている、私設の資料館のようなところらしい。

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予想を大きく覆す外観。
「館(かん)」というか、家じゃん。

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「誠」と書いてある……
まずいことになってるのかもしれない。
なんだこのデコレートは?
しかしせっかく歩いてここまで来たので、おずおずと入ってみる。
中はさらに壮絶なカオスである。

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おじさんがひとりで座っていた。
この人が館長で、ずーっと新選組の話(自分がいかに新選組を深く調べてなんでも知っているかという自慢)をしてくれた。
外のデコラティブな旗といい、このめちゃくちゃな資料の積み上がり具合といい、はじめ、もしかしてこの人は少し頭がへんなのか?とも思ったが、極端な好事家……というところだろうか。
おじさんはすごい話し好きで、こっちが尋ねてもいないのに、自分は元銀行員でエリートだった、しかしこのまま退職して余生を送ってもまったくつまらない、こういうことに打ち込んでいると年をとらないんだ、云々……といったことを語り倒す。
京都のおじさんというのはみんなこんなにおしゃべりなのか!と、「コシヒカリ」はあぜんとしている。

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この子が山南さんが好きなので……と例によって言うと、おじさんは大変喜んで、
「そうか!あんた山南さんが好きなの!それはいい。山南さんは重要な人物なのに、そのわりに調べている人が少ない。彼が主役になった本もほとんどない。だからおねえちゃん、おねえちゃんは大学生?え、まだ中学生なの?
中学生だったらまだまだこれからうんと時間があるんだから、これからいっぱい山南さんのことを調べて書いたらいい。ベストセラー作家になれる。
書きなさい!書いて書いて、書きまくるんだ!(各自京都弁に変換お願いします)」
猛烈に娘にエールを送ってくれる。

あとで、「コシヒカリ」は、
「あのおじさん、わたしに夢を託しているような感じがするんだけど。
ほんとは自分が本とか書きたかったけどもう年だから、わたしに代わりにやってくれって言ってたみたいだった。夢託されてもなあ……」
でもおもしろい人だったねえ。
本当に、京都のおっちゃんたちは気のいいやさしい人ばかりだったね。
それもこれも、うれしそうに京都を訪ねてくる女の子のおかげかなー。

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ま、娘は堺雅人しか眼中にないけどね。

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館長さんは、頼んでもいないのに、土方歳三辞世の句やらなにやら、いろいろ短冊に筆で書きつけて、娘に手渡してくれた。
親切の方向がなんだかわかりづらい。
でも「コシヒカリ」は、内心とまどいながらも感激したような顔をつくって頂戴していた。
(そして今も部屋に貼っている。)

このあと、屯所のひとつ西本願寺や、寺田屋などにも行った。
だがやはり、建物を見ているだけよりも、ひとくせもふたくせもあるおっちゃんたちにかまわれているほうが、「コシヒカリ」にはおもしろかったようである。

銭湯をわがことのように探し回ってくれたタクシーの運転手さん、すっぽんの骨を並べてくれたMARUの大将、光縁寺のご住職、八木邸のガイドさん、新選組記念館館長。
皆さん、うちの娘の楽しい旅行を盛り上げてくださってありがとうございました。

(おわり)

by apakaba | 2012-05-15 21:17 | 国内旅行 | Comments(4)
Commented by あさり at 2012-05-16 21:22 x
山南さん切腹の回は私のん十年の人生で最大泣いたベスト3に入るかもしれないくらい泣きました。

「リーガルハイ」はリアルタイムで見るのは私だけ、娘や夫は録画ですが、毎回爆笑して見てます。
実家の母はリーガル初回を見たそうですが、山南さんがムリしてあの役やってるように見えると初回脱落です。
あまりに当たり役があるのも善し悪しですね。
おっしゃるとおり、クラハイもイイですし、南極料理人や家定や卜伝もイイと思うのですが、世間一般的には未だに山南さんの人なんでしょうね。

記念館、すごい所ですね~。行こうかどうか迷ったのですが、伏見奉行所跡や御香宮神社などにも行ったので、時間的にあきらめました。
平日に行ったので旧前川邸ではグッズ販売もなく、サインも見られずでした。いつか山南忌に参列して切腹したお部屋を見てみたいと思ってます。
Commented by kaneniwa at 2012-05-16 21:43
「山南さんのことを調べて書いてベストセラー作家になりなはれ」
という出版不況の現状お構いなしの進言。
しかし、関西のこの種のおっさんの楽天的おせっかいが、
ある種のディープなパラダイスを作り出しているということは
何だかよくわかるのです。

BYマーヒー

Commented by apakaba at 2012-05-18 07:44
あさりさん、コメントを娘にも読ませましたよ。
共感していました。
南極料理人もたのしかったですねー!
娘は『南極料理人』も、『やさぐれパンダ』も、自分でレンタルしてきて見ていました(このラインナップだと、生瀬氏とは盟友でしょうか。)

『リーガル・ハイ』おもしろいですよねえ。
うちも5人で争うように見てますよ。
堺雅人は、『ぼく、牧水!』を読んで、インテリジェンスの高さに驚きました。
ああこの人はやっぱりとても文学的な人なんだなーと見直しましたよ!
Commented by apakaba at 2012-05-18 07:49
マーヒーさん、そうそう、私も、関西には行くたびに人の(ときに方向性のよくわからない)親切に触れて、タビビトフレンドリーさに感動します。
えみぞうさんのコメ欄で京都とパリは似ているという話が出ていたけど、私には両者ともタビビトフレンドリーな都市に感じられます。
「旅行者に冷たい」とかいうのって、旅行者の側にも問題があるように思う。
私はどちらででも、親切にされたことしかないです。

京都は、なにをおいてもやっぱり日本一の観光地だと思います。
行くたび、そのことを再確認して帰ってきます。


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