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あぱかば・ブログ篇

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2013年 01月 30日

擬音語?擬態語?それから?

朝9時ごろ、義母から電話が来た。
義母はスリランカ人の英語の先生に、英会話の個人レッスンを受けている。
その先生から、日本語における擬音語や擬態語について質問をされたので、その先生に解説するため、詳しく知りたいという。

急に言われてもねえ。
急に言われなくてもどっちにしろよくわからないけど、義母は私のことをしばしばこのように辞書代わりに使う電話をしてくる。

おもに擬音語・擬態語・擬声語の三種類があり、ひとつの言葉でも意味が二つに分かれていることもあるので分類しきれない。
たとえば“どんどん”は「ドアをどんどん叩く」なら擬音語だが、「この道をどんどん進む」だと擬態語だというように。

「じゃあ、“ひらひら”は?」
「雪とか蝶とかを“ひらひら”と表現しても、音が実際にしているわけじゃないから擬態語です。でも、たとえば紙を手に持って“ぴらぴら”といったときに本当に“ぴらぴら”という音が聞こえた場合は同時に擬音語にもなります。だから完全に分けることはできませんよ。」
そんなの自分で調べてよ……とも思うけれど、懇切丁寧な説明をするえらい嫁なの。

「だいたいわかったわ。そんなふうに説明してみる。」と言って一度電話を切るが、案の定、またすぐにかかってきた。
義母は一度電話を切っても、そのあとたてつづけに何度も電話してくることが多い。

「あのねさっきの“擬”っていう字だけど。あれって“疑う”という字をつくりに書くでしょう?それはどういう意味なの?“疑う”という“疑”と、意味はどう変わってくるの?同じなの?同じのわけないわよね?」

漢字の成り立ち方のひとつに、偏(へん)が意味を表し、旁(つくり)が音を表すものがあります。
“擬”の場合、“てへん”に“疑う”という字だけど、意味合いは“てへん”のほうにあって(もとは「まねる」という意味)、「ギ」という音を“疑う”の“疑”から取っているだけなので、“疑う”という意味はないんですよ。
たとえば“浜”という字の意味合いは、水に関係する偏の“さんずい”にあって、この字に兵隊とかの意味はないですよね。
ただ音が「ヒン(ヘイに似た音)」を表しているだけで。
それと同じです。

「はあなるほどね、ありがとう!」

しょっちゅうこういう電話がかかってくるので慣れているが、私がいないとどんなふうにこういう問題を解決しているんだろう?
忘れっぽさとか、こらえ性のなさとか(一度で用件が終わらず何回も電話してくる)、だんだん子供っぽくなっている義母だけれど、知的好奇心がまったく衰えないところはすごいなあ。
急いでいるときは面倒くさくもあるが、尊敬する。

擬音語?擬態語?それから?_c0042704_17154714.jpg
本文と関係ないけど、先月行った小岩のネパール料理店「サンサール」で出た餃子「モモ」。
義母は数年前に、一人でネパール旅行にも行った。
「モモがおいしかったわ!」と言ってた。好奇心旺盛。


by apakaba | 2013-01-30 18:21 | 文芸・文学・言語 | Comments(0)


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