あぱかば・ブログ篇

apakaba.exblog.jp
ブログトップ
2013年 03月 25日

台湾で、日本を考えていた 1.佳佳西市場旅店

はじめに

今回の旅行のテーマは、台湾の“現代建築”と“原住民”だ。

東日本大震災で多大な復興援助をしてくれた台湾。
だが多くの日本人のほうは、あまり台湾のことをよく知らないのではないかと思ってきた。
少なくとも私は、これほど近い外国なのに、日本とのつながりをほとんど知らなかった。
テーマを決めると、計画はどんどん決まる。
3月に入ってから、11日に「あの日から2年」という言葉がメディアにあふれかえるのをどうしても見たくなくて、バタバタと台湾行きを決めたのだが、いま現在の台湾を歩くことで、日本のことも深く考えることができた。

4日間でそうとう精力的に動いていたので、写真満載、長期連載になると思うけれど、是非、最後までおつきあいください!
台湾は、最高だった!

-----------------------------------------------------------------------------------------

<1日目>3月10日

c0042704_14104114.jpg


2度目の台湾では、「駅弁を買って台湾高速鉄道に乗りたいなあ」と思っていた。
昨年、娘と二人で行ったときは台北だけにいたので(胡蝶の夢ひらひら台北)、今回は飛行機が台北に到着するや否や即座に“高鉄(「高鐵」と表記。日本語で「新幹線」といってもけっこう通じる)”に乗った。



c0042704_14161419.jpg


おいしうございました……!!!!!
野菜がたっぷりで、味付けが口に合う!
私は日本の駅弁がどれもこれも嫌いで、自ら進んで買うことは決してないのだが、台湾の駅弁はすばらしかった。
旅の一回目の食事がおいしいと、やる気が湧く。

高鉄で台北から離れていくと、台北は都会だったんだなあとわかる。
稲がずーっと植えてあって、ナルホドこれがこの駅弁のごはんにもなるわけだよ、などと考えている。

c0042704_14273039.jpg
高鉄台南駅のホームからの景色。これからなにか建設されるのか?

c0042704_14342479.jpg


高鉄台南駅は大きくて立派な駅だが、街の本来の中心部からはだいぶはずれているようで、タクシーに乗ってみたら不安になるほどちっとも中心部に近づいていかない。
ドライバーは英語を話せないのでしゃべることもできず、なんとなくさびしい。
学生時代、もう少し、第二外国語だった中国語をちゃんとやっていればなあ……と悔やむ。
それでも、あるネット友達の言っていた「台湾訛り」は、聞き取れる。
巻き舌のような発音を使わず、「我是」の「是」や、「謝謝(シェイシェイ)」などの言い方がちょっとちがう。
言葉っておもしろいな。
旅行に来る前にほんのちょっとだけ、発音のちがいの話を聞いておいただけでも、耳に入ってくる言葉がちがって響く。なんて楽しいんだろう。

台南の目的地の一つは、今日まさに泊まるホテルである。
ホテルの建築をくまなく見たかったので、一人旅には贅沢だが奮発して一番高いお部屋に(11900円)、一泊だけする。
佳佳西市場旅店(ジャージャーシースィーツアンリュディエン JJ-W Hotel)という。
すてきなすてきな西市場?
名前の由来は、「西(門)市場」という市場の跡地と隣接していることによる。

c0042704_14543364.jpg


台湾の現代建築を見に行こうと決めたきっかけは、台湾で活動する若手建築家グループ・リトルピープルアーキテクツの代表である謝宗哲という人の論評を読んだことだった。
「リトルピープル」という社名は村上春樹の『1Q84』に出てくる登場人物というかモチーフから取っており、この人が心のどこかで日本とつながっていることはそこから窺い知れた。
彼の紹介する台湾の現代建築を、できるだけ見てみたいと思った。
「台湾の現代建築」とは、台湾の建築家の作品と、日本人の建築家の台湾での作品の両方のことである。

このジャージャーシースィー……面倒なのでこれからJJ-Wと書くが、このJJ-Wホテルは、もとは冴えないホテルだったらしいが、増改築を台湾若手建築家のスター・劉國滄氏が手がけたことで、一躍ホットなスポットに変貌を遂げた。
日本人建築家・藤本壮介氏も設計に参加している。
あの、「台湾タワー(特集ページこちら)」の藤本氏だ。

ずっとホテルにいたくなるような素敵なホテルである。
よくぞここまでステキにしたものだ。
もとのボロい建築を残しながら、新築の建物よりかっこよく、味わい深くなっている。
おもしろさが、重層的になる。

c0042704_15522834.jpg
手前からリビングコーナー、スツール付きカウンターテーブル、ベッド、その奥に半分仕切られた書斎のような場所がある

c0042704_15573360.jpg
ベッドの向こうにある謎の小空間は……

c0042704_15593270.jpg
こんなコージーなコーナーだった。わずかに傾いてきた陽射しでますますいい感じ

c0042704_1623725.jpg
細長い部屋の隅っこの空間のまたその隅っこに木のベンチがある。これが思いがけないほどくつろげる。建築に関する書籍や雑誌が置いてある、ミニミニ書斎。

c0042704_1685277.jpg
ほとんど活用されそうにないスツールも、実はいい座り心地。このあとホテルにあるすべての椅子に座ってみたが、どれもすばらしい座り心地だった。天井は昔の建築を残しつつ見苦しい部分はカバーしている

c0042704_1612196.jpg


c0042704_16134136.jpg
よく見ると不思議な形の風呂場。

c0042704_1615334.jpg
部屋ごとに全く異なる装飾が施されているというが、この部屋はいたってシンプルだった。唯一、飾り物らしいものはこの鉄製トランクのようなものだけ

カッコ悪いところ、見苦しいところは一切見せないよう、徹底的に隠してある。
私の部屋はいわばスイートルームで、そう考えると11900円はバカみたいに安い。
どの空間にもゆっくりと長居したくなる。
ゴージャスさでは較べるべくもないが、フォーシーズンズホテルジンバランくらい(その写真)、どの空間にも愛着を感じる。
他の部屋も見てみたいなあ。

建物をまわって写真を撮りまくった。
どこを切ってもカッコいいのでホテルの中をぐるぐるしているだけで、わくわくしてしまう。

c0042704_1625226.jpg
最上階は広いパーティールーム

c0042704_16271662.jpg
この椅子も

c0042704_16284590.jpg
この椅子も、見かけによらず座りやすい。座り心地に相当の配慮をしてているホテルと見た

c0042704_16324877.jpg
昔の冴えなかった時代の外壁を残しつつ、ガラスで覆っている。安藤忠雄建築の、上野の「こども図書館」似た手法

c0042704_16351389.jpg
転落注意、ガラスの覆い部分を上から見たところ。これをやっているのは建物の一部分だけ。外観写真参照

c0042704_16384848.jpg


c0042704_16404322.jpg
階下のロビーに近づくほど、光る素材が多用され尖ったイメージに変わっていく

c0042704_16442310.jpg
廊下の途中に出現する意味不明な空間。家の中にもう一つ家が現れているかのようだ。入れ子細工はこのホテル全体のテーマに見える

c0042704_16481420.jpg
入れたと思うと今度は出す。ライブラリーの机は、ガラス窓を突き破るようにして飛び出している。そこにマスコットの象が置かれている

c0042704_16523293.jpg
外から見るとこうなる

c0042704_1744968.jpg


c0042704_1764850.jpg


c0042704_17101245.jpg
セルフサービスでコーヒーやクッキーやフルーツを楽しめるリビングルーム

c0042704_17132848.jpg
どこまでもしゃれているリビングルームの出窓

c0042704_1715939.jpg
出窓から身を投げ出すようにして外を眺めることができる。ステキなホテルの窓の外はさっぱり冴えない街角。内と外。ギャップがすごい

c0042704_17195122.jpg
つるつるの小さなガラスをはめたレセプションのカウンターは、うっとりの触り心地。

c0042704_17223749.jpg
脱帽。参りました。あなたも、劉國滄氏も、天才です。

まだたくさんホテルの写真を撮ったので、次回も少し載せていく。
部屋の居心地の良さにまずビックリして、最上階から階段で降りてきた。
歩きながら、“建築という体験”にただただ驚いていた。
内と外が、絶えず入れ替わりになる。
どこまでが内側でどこからが外側か、境界が曖昧になる。
だめなもの(冴えなかった昔の建築、窓の外の風景)を取り込み、敢えて見せることでますます内側の空間を心地よくさせ、またこの場所への愛着も生み出す。
だが“内側”にあるちょっとした小物一つでも、カッコ悪いものは一切置いていない。
そういうディテールへのこだわりは、やりすぎると落ち着かなくなって家に帰りたくなるが、ここはさじ加減が完璧であるため、ひたすら安らげる。
台南の宿泊をここにして、本当によかった!

c0042704_1834683.jpg
興奮しきっています。

2.西門市場につづく)

by apakaba | 2013-03-25 18:18 | 台湾2013 | Comments(4)
Commented by 克林 at 2013-03-26 21:51 x
台南だったらお薦めのお宿があったんですが、そうですか~。
ホテルの建築のお勉強だったら、友人のところはダメだなあ。
Commented by apakaba at 2013-03-26 22:08
建築のお勉強ってことでも、ないんですが……テーマを決めて旅行をするのが好きなので!
台湾はいい宿泊施設がいっぱいあって楽しかったです。
Commented by クラウザーモーススキ三世 at 2013-05-17 14:08 x
はじめまして。台湾の佳佳さん?
Commented by apakaba at 2013-05-18 07:05
はじめまして。
このホテルのことですか。
台南にふたつあるホテルの佳佳の西のほうのことです。


<< 台湾で、日本を考えていた 2....      グレートジャーニー 人類の旅 >>