2013年 11月 12日

空気のような保育補助職員

c0042704_2258236.jpg
花はみんな同じに見えて、区別はつかないけれど

毎日夕方、保育園で保育補助のパートに入っている。
おもに担当しているのは4,5歳児合同の遊び部屋だが、手が足りないときは0歳から5歳児までの部屋すべてにちょっとずつ入る。
孫が100人いるような感覚で、かわいくてたまらない。
毎日おおぜいの子供に会えるのが楽しい。

子供のほうも、パート職員のことが好きだ。
毎日短時間、入れ替わりで相手をしてくれる大人は、まる一日いっしょにいる担任の先生とはまたちがった新鮮さがあるらしい。

「マキせんせーい!」
と、次々抱きついてくる、耳たぶをさわる、ほっぺたとほっぺたをくっつけてくる、腕にぶら下がる、髪にさわる、おもちゃや絵本をひっつかんで駆け寄ってくる、などなど、ありったけの歓迎を受けて、毎日感激。
「マキ先生に勝とうと思って、オセロの本を買って読んでるんだ!」
「ねーマキ先生、あやとり教えてー。四段バシゴ教えて。」
「マキ先生、絵描いて。」
「マキ先生、パズルやろう。先生へただから、絶対にボクが勝てるし。」
「マキ先生、将棋やろう。ボクが教えるから。」
「マキ先生、折り紙教えて。」
「ねーねーマキ先生、遊ぼう、遊ぼうよう!」
しまいには、「待ってください。順番!順番!」と、私と遊びたい子供を並ばせないとけんかになってしまう。
今まで生きてきてここまでたくさんの人に愛されたためしはない(なにしろ、100人なので)。

とにかく私がいる間じゅう、私からべったり離れない子供というのも、何人もいる。
気に入りのおもちゃにいっとき執着するのと同じで、私がその子にとっての“ブーム”なのだ。
それはそれで仕事なので辛抱強く付き合うが、気になっているのは、彼らの親の態度だ。

午後6時半、子供があらかた降園したあと、私は空いた保育室の掃除をする。
土曜の勤務では、子供はほとんど来ないので、ほぼずっと掃除をやっている。
掃除をしていると、保護者からは私は「保育補助の職員」ではなく「掃除のおばさん」と認識されているらしい。
ていねいに挨拶をしてくれる親御さんも多いが、たまに、私がまるで見えていないように素通りしていく保護者や、挨拶も先生たちに対する挨拶とは別な、きわめてぞんざいな態度を取る保護者もいるのである。
なるほどこれが世間というものか。

保育園には、私のような「保育補助」の職員とは別に、いっさい保育に関わらないでひたすら掃除と洗濯をやる「用務員」というパートの人もたくさん働いている。
しかし、中の人間は、保育補助だろうと用務員だろうと、みんなで保育園を支えている仲間だという意識がある。
そこに上下関係などない。
私は子供と関わるほうが好きだから、用務員には応募せず保育補助になったが、だからといって用務員さんたちにぞんざいな態度を取ることはない。
でも一部の保護者の態度からありありとわかるが、私ははっきりと“下”の人間に見られている。

私は保育士の資格も持っていないし、母親としてはそこそこベテランとはいえ、保育の仕事は新米といってもいい。
だから正規の先生たちを敬う気持ちは素直に持っている。
しかし、私を空気のように無視して通り過ぎる親御さん、あなたが抱っこしているその子は、つい5分前まで、私から片時も離れなくて、私を独占したくて、他の子を蹴散らして、泣きわめいていたんですよ。
と、一言言いたくなっちゃう時もあるのよね。

by apakaba | 2013-11-12 23:42 | 生活の話題 | Comments(4)
Commented by kaneniwa at 2013-11-13 00:37
けっこう名の知れた寺院の名のしれたベテラン住職さんが
ジーンズで外掃除や野外作業をしていて、
それに気がつかずに傍らを通り過ぎる人が多い。

さっきまで別のところでしていた会話だけれども
CoCo壱番屋の会長は53歳で引退し、
血縁ではない副社長に経営を任せて
自分は自分で建てたコンサートホールの周囲を
いつも掃除しているそうです。

岡崎市の外科医の内田修さんはセロニアス・モンクや
ビル・エバンスとマブダチで、国内のJAZZミュージシャン
の援助と支援と的確な批評を続けてきた人ですが
「機材運びをするバンドボーイになるのが夢」
といつも言っていました。
全国のジャズクラブで面が割れているので
内田先生にそれはさせられませんけれど。

蓮如上人は
「仏法は知りそうもない人が知っている」
と常々おっしゃっていて、
それはいつもどこかで頭に入れておきたいと
思っています。
仏法も、政治も、教育も、芸術も。

BYマーヒー
Commented by ぴよ at 2013-11-13 08:11 x
それってさ、会社のビル清掃のおばちゃんやマンションの清掃業者のおばちゃんを空気扱いする人と同じだよね。

会社勤めしてた頃も今(マンション住まい)も、建物内に清掃業者さんが入ってるんだけど、私はいつでもすれ違う時に必ず「おはようございます」「こんにちは」「行って来ます」って挨拶してるけど、見てると完全空気扱いしてて全く目も合わさなければ頭一つ下げない人ってのがちょくちょくいる。
業者のおばちゃんの方が「おはようございます」「行ってらっしゃいませ」って声掛けてくれてるのに、それでもツーンとして顔そっぽ向けて頑としてあいさつしない。
アレって何なの?人としてどういう躾されて育ってきた訳?
本当に意味わかんない。

そういう親に育てられた子供って、やっぱり人を区別して自分より「格下」だと思った人にはあいさつ一つしないような人間になって行くって事かしらね。あー嘆かわしい
Commented by apakaba at 2013-11-13 08:27
マーヒーさん、世の中には必要な仕事があって必要な人間が働いているんだということを忘れたくないですねえ。
正規の先生たちは、皆さんとてもパートに対して丁寧で、「いつもありがとうございます。助かります」って頭を下げてくれる。
子供たちも先生のそういう態度から学んでくれると信じたいなー
Commented by apakaba at 2013-11-13 08:30
ぴよさん、まさにその掃除のおばちゃんが私だわ。
マスクでもした日にはもう完全素無視。
社会の底辺で働く人の気持ちが、ここへきてほんとによくわかるようになりました。


<< 一泊二日大阪京都・前編(Caf...      早すぎるサンタのような「コシヒカリ」 >>