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あぱかば・ブログ篇

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2013年 12月 02日

蔵前仁一トークイベント「バルカン半島を旅する」

バルカン半島に興味を持ったことがほぼなかった。
しばらく体調の悪かった蔵前さんがお元気になって一発目の本格的な旅行に行った報告会、というのがうれしかったから聞きに行っただけだったのだが。

お話が進むにつれどんどんバルカン半島が好きになる!
精神的に縁遠かった場所が、具体的な“次の旅の候補地”としてピカピカと輝き始める!
この快感は久しぶりだった!

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2時間のトークはあっという間だった。
次々と飛び出してくる蔵前さん的名所の数々やエピソードを映像と地図で追いながら、「これはやっぱり蔵前さんにしかできない報告会だ」と考えていた。
命の危険にさらされるようなとてつもないスリルにあふれた冒険譚などはまるっきり出てこないし、話術がいやに巧みとかいうこともないのだが、蔵前さん自身の好奇心や満足感と共にいる感覚になるのである。
蔵前さんがほんとうに旅行が好きで、旅先を心からおもしろがっていることがまっすぐにわかるからだ。
「教えてやろう」「見せてやろう」という態度は皆無。
「昔のタビビトはああだったこうだった」という懐古趣味な自慢も皆無。
今、この旅行を楽しむことだけに邁進している、その率直さがどの世代の旅行者も惹かれる一番の理由だ。

蔵前仁一トークイベント「バルカン半島を旅する」_c0042704_11321839.jpg


そしてこの報告会の、採算度外視な入念な準備ぶりよ。
お手製特製「バルカンの旅ミニガイド」と来年のカレンダーがお土産につき、動画を現地であんなにいっぱい撮って、シーンにぴったり添うすばらしいBGMをつけて編集し……これで参加費が1000円!
ご本人の労働を考えたら、完全に足が出るはずだが、動画を見たりミニガイドを読んだりしていると、「この人は、根っから好きなんだなあ、旅に関わることを作っていくのが。」とひしひし感じるのである。
もちろん、このネタ(という言い方は品がないが)をこれだけにとどめるはずがなく、今後なんらかの形になっていくだろうが、「鉄は熱いうちに打て!旅報告は新鮮なうちにしとけ!(忘れる前に!)」という気概がいい。

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神楽坂でのトークのあとはいつも激安な「竹ちゃん」へ流れる。そのあと3次会、パンクIPAステキー

時間と金銭の余裕がない今、実現がいつになるかはわからないが、ともかく私にとってはバルカン半島が旅の候補地として燦然と輝き始めた。
蔵前さんのいいところは、「蔵前さんが行ったのなら、私も大丈夫かな?」と思わせるところである。
蔵前さんは、ぜんぜんマッチョでもストイックな旅人でもなく、どちらかというとあまり体が強くない。
しばしば旅先で寝込んだりしていることに、親近感を覚える。
私も旅好きではあるが体が弱くて、重いものは持てないしたいていお腹を壊すし筋肉痛にもなるし眠れないと翌日の行動がつらい。
だから蔵前さんが報告で「ここを10キロくらい歩いて……」などと言っていると、「えっ、楽しそうなところだけど10キロも歩くのか。でも蔵前さんが平然とああ言っているなら大丈夫か……」と、希望を持って旅計画を進める気持ちになる。
あれだけの有名人(教祖だの元祖だのカリスマだのと勝手に称される)にして、この壁のなさ。
つくづく、特異な人だ。

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オーソドックスにボウモア12年

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夜中に揚げ物はイケマセン

蔵前さんと『旅行人』が、どれだけ私に出会いをもたらしてくれたか、数えきれない。
新しい友達との出会いと、未知の旅先との出会いだ。
ファン歴27年、もはや人生の一部だ。
感謝してもしきれない。
でも、私の中では蔵前さんは永遠に35歳くらいだが、実はけっこういい年だ。
これからも体に気をつけて、永遠に中年の星、老年の星として旅を続けてください。


*以前書いた旅行人関連の記事。
ファン歴25年の蔵前仁一さんと『旅行人』のこと
「インド先住民アートの世界」蔵前仁一コレクション
旅行人文化祭
大学生だった私へ……『旅をせずにはいられない、アジアの魅力』

by apakaba | 2013-12-02 12:27 | 旅行の話 | Comments(2)
Commented by やしましゅうじ at 2013-12-02 13:27 x
僕も 中年の星なんて云われてみたい。
Commented by apakaba at 2013-12-02 14:00
八島さんは、私の中では永遠に50歳くらいのお兄さんですね。
(蔵前さんよりちょっとお兄さんですが)


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