あぱかば・ブログ篇

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2013年 12月 11日

根津美術館へ、晩春と晩秋の2回訪問

根津美術館で昨年の5月に開催された「KORIN展 国宝『燕子花図』とメトロポリタン美術館所蔵『八橋図』」を見に行った。
ちょうど庭園の燕子花(カキツバタ)も見頃で、館内で屏風絵を見て、屋外でほんものの花を見て、という贅沢な体験をした。
2009年に隈研吾氏の設計で改築されたことにも興味があり、写真もたくさん撮った。

しかしそのときはブログを書く気力がなくそのまま1年半経ってしまった。
先日、2回目の訪問で「井戸茶碗 戦国武将が憧れたうつわ」を見てきた。
季節が変わっての再訪もいいものだなと思い、写真を晩春と晩秋の両方を載せていくことにした。
(ただし秋はカメラを持たずiPhoneで撮影している。)

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「月の石船」上が春、下が秋。

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本館脇のアプローチ、春。
長いひさしが特徴的。

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日本庭園とケンカしない控えめな意匠。春。

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瓦屋根もモダン。春。

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少し傾いた春の陽射しの中の苔。

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秋は紅葉を求めてみんな上を見ながら歩いていた。

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舟に見えたが井筒(井戸を囲ったもの)だそうだ。春。

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秋になるとすがすがしい緑から幽玄ムードに

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『京都の空間意匠』という本を読んで感銘を受けて以来、日本庭園を歩くときはいつも敷石に注目している。
上はわりと正式(「真行草」でいうならやや「行」寄りの「真」)。
茶室へ向かう道、下の写真は枯れた雰囲気を醸し出す(「真行草」でいうなら「草」)。春。

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ちょっと西日が悪目立ちし始めたが、燕子花目当てで行ってみる価値はある。

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昨年の「KORIN展」は、尾形光琳の「燕子花図」と「八橋図」を100年ぶりに2作品を一度に見ることができるというすばらしい試みだった。
画面を右上から左下へ、「橋」で稲妻のように画面を分断することで、いきなり雅やかさからアヴァンギャルドへと屏風の中の世界が一転してしまう。
橋のなかった「燕子花図」はそれだけで十分美しいのに、「八橋図」を見ると、もう橋なしの燕子花は考えられないほどだ。

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散るもみじを眺め、思索にふける気分。
秋の庭の風情も捨てがたい。

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(ここから先すべて春)
館内に戻り、中から建築を見直す。
圧迫感の少ないすっきりしたエントランス。
しかし人が多いのね。

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西日が長く差し込むとおもしろい休憩所。
先日来たときはまったく光が差していなくて、ただの部屋だった。

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同じく西日の休憩所を、真横から撮る。
左半分はガラスに映っている。
入館者はまるで舞台劇に出演している俳優たちのよう。
自分がドラマチックな場の主役になる。
西日が入るとこのスペースがこのような視覚効果を得ることを、隈研吾氏は知っていたのだろうか。

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壁はすべすべしているが、建築に使用している部材はさほどの高級品でもなさそうな感じがした。
大理石などでやたら飾り立てるよりも、この美術館にはふさわしいと思う。
展示品と、庭園のよさを損なわずにそっと寄り添うような目立たない建築には好感を持った。

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ハンサムな弥勒菩薩立像は人気。
たくさんのコレクションが惜しげもなく公開されている。
とくに2階に展示されていた、古代中国(紀元前13世紀ごろの殷の時代)の「饕餮(とうてつ)文」の入った青銅器には激しく感動した。
実用品なのに芸術性がこんなに高いとは。
しかも紀元前13世紀!?
そのころ日本では、やっと縄文文化。
縄文式土器も芸術性が高いけど、この青銅器を見てしまうと、参りましたとひれ伏したくなる。

建築を楽しみ、開催中の展覧会を楽しみ、常設のコレクションを楽しみ、四季折々の庭園の風景を楽しみ、まあなんとお得な根津美術館であろうか。
表参道駅から少し遠いけど、いいところだなあ!

by apakaba | 2013-12-11 14:02 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(0)


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