あぱかば・ブログ篇

apakaba.exblog.jp
ブログトップ
2005年 07月 07日

放課後の教室で

足を怪我している「アキタコマチ」を迎えに、学校へ行った。
「アキタコマチ」は、放課後、代表委員会というものに出ていて、教室は空だった。
委員会が終わるまで、空の教室に入り、掲示されている展示物を見ていた。

先月に行ってきた移動教室の作文が貼ってあった。
欠席ばかりしている「アキタコマチ」も、この移動教室だけは意地になって参加したのだった。
しかしその直後に足を怪我して歩けなくなり、すっかり意気消沈して現在に至る。
案の定、作文も書いていなかった。

他の子供たちの作文は、巧拙いろいろだけれどどれもほんとに楽しそう。
暇なのでみんなの分を読む。

「……するとミタニ君が……」
という一文が目にとまり、読み進める。

ヒロキ君という男子生徒で、海岸で磯観察をしたことが書いてある。
ヒロキ君は最初カニをつかまえようとして、指をはさまれ、血が出てしまう。
「なかなかやるなあ、カニも生き物だもんなあ。」
と感じる。
すると、みんなが“フナムシ”を殺そうとしている。
そこへミタニ君(=「アキタコマチ」)が現れ、
「フナムシを殺すのやめろよフナムシだって人間と同じ生き物じゃん。」
と止める。
ほとんどの子がやめたけれど、まだやめない子がいる。
ヒロキ君も「アキタコマチ」の言うとおりだと思って同じことを言い、やっとみんながフナムシを殺すのをやめた。

そのあと、今度はナマコをさわったら糸のようなべとべとしたものを吐き出されて、気持ち悪いから岩に手をこすりつけたらまたしても血が出てしまった。
「もしかしてぼくはこいつにきらわれてるのかなあ」
「こいつは目も耳も鼻もなさそうなのに、やっぱりなにか考えてるんだろうなあ、生きてるんだなあ」
と感心するのだ。

自分の子が書いたものでもないし、特別ヒロキ君と親しいわけでもないけれど、これを読んでちょっと涙が出た。
短い時間に、この子は何度も「生きてるんだなあ」「生き物だなあ」と感じていて、その表現がものすごく素直なのだ。
血が出ても一度も「痛い」と書いていない。
ふだん接することのない生き物の不思議さに、打たれている。
しかも、私の知らない息子のエピソードを、書き留めていてくれた。
あのセリフは、まあ「アキタコマチ」がいかにも言いそうなことだけれど、彼自身が作文を残していなくても、友だちの作文の中に、ああ、ちゃんといるんだなーと、ありがたく感じた。

by apakaba | 2005-07-07 21:29 | 子供 | Comments(4)
Commented by k国 at 2005-07-08 07:19 x
カニに指を挟まれて血が出てもこいつも生きてるんだと言える
ヒロキ君男だね~
自分が同じ年頃だったら挟まれたひにゃ~倍返しです
川のカニと海のカニとでは掴む場所を間違えると確実にやられます
Commented by 三谷眞紀 at 2005-07-09 12:48 x
カニのつかむ場所ってどうちがうんですか?
でもあれってほんとに痛いですよね。
夏休みに、K国さんのおうちに子供を留学させようかなあ。
こちらでは冴えない暮らしなので……
Commented by K国 at 2005-07-09 16:38 x
子供にとっては日本語が通じるくらいで海外留学に近い
カルチャーショックを受けるでしょう
田舎を満喫すると精神的に成長すると思いますよ
ウェルカ~~~ムです
Commented by k国 at 2005-07-09 16:43 x
川カニは甲羅の横を掴めばいいのですが渡りカニ(ガザミと言います)は
甲羅の後ろを持たないと手が周るので挟まれます
半端じゃなく痛いです


<< お腹が痛い日々です      涙を止める方法 >>