あぱかば・ブログ篇

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2014年 12月 01日

保育園退職

11月いっぱいで、保育園の仕事をやめた。
昨年の7月から区立保育園で働き始めて、パートタイマーとして保育補助・掃除・雑用をやってきた。
自分も夫も子供たちも皆、幼稚園にかよっていたから、保育園という場所とはほぼ接点がなかった。
勤めてみて初めて、100人の子供を預かる集団保育のシビアさを知った。

保育時間の長さは幼稚園とは比較にならない。
一番早くて朝7時半から、一番遅いと夜7時半まで。
しかも毎週土曜も来たりする。

2歳児までは、午前の軽食、昼食、午後3時の軽食、6時半の補食、と、計4回、保育園でものを食べる。
テレビなどの画面は見ない。
だからテレビゲームやビデオ鑑賞もない。
ひたすら、折り紙、ままごと、積み木、あやとり、保育園にある木製や(我々パート職員手作りの)布製のおもちゃ、年長児はトランプや将棋などをして遊ぶ。
運動のために、音楽に合わせてリズム体操。
夏は毎日プールに入り、園の畑で野菜を育てて収穫し、園庭では縄跳びやかけっこや砂遊びをする。
畑にはいろいろな虫がいるので、それを捕まえる。
花を摘んで色水を作ったり、木の実をとってままごとに使ったりする。

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バクテー。これからはもっと凝った料理を作ろう

そんなふうにして暮らす子供たちは、幸せなのか、かわいそうな境遇なのか、どちらともいえない。
赤ちゃんのころから親と長時間離れて、規律どおりに動くことを要求される。
たとえば、0歳の子供が自分のおむつをしまってある棚を大人に指し示すことができる(自分のマークがついていることで区別がつく)。
1歳の子供が、食事の後には自分の椅子をテーブルにしまう。
2歳の子供が、「何々ができないから、先生、手伝ってください」と言葉を組み立ててお願いしてくる。
集団保育の子でなければ、まず無理だ。
つい不憫で、もっと甘やかしてあげたいと思ってしまうけれど、子供の甘えはすぐエスカレートして、結局は集団の規律が乱れることになるから、それはできない。

本来の年齢からいえば、まだまだ親にべったりでいいはずだ。
でもそれを突き放して「自分のことは自分でやって」としつけていくと、いつかはできるようになってしまう。
日々の教育ってすごいな。
というか子供はえらい。

私は、今年度は2歳児の保育補助に当たっていた。
先生たちはスパルタだったので、常々「もうちょっとやさしくしてあげていいのでは」と思っていた。
方針に逆らうことはできないので、たとえば着替えのときには、手を出すことはしない代わりに(「手伝わないでください」と指示がある)、自分で着脱ができると「えらいねえ!一人でできたねえ!」と思いきり笑顔で褒めてあげていた。
食事のときも「全部食べたね、えらいね」とか、「きのうよりきれいに食べられたね。最近調子いいじゃない?」とか、子供みんなに声をかけてあげていた。
手裏剣のように褒め言葉を繰り出していた。

先生たちはハードな仕事で疲れているのはわかるが、なぜ、もっと子供に笑顔を向けてあげないのだろう?
私は、子供にはとにかく「笑顔」「褒め言葉」「スキンシップ」の三つだと思う。
自宅で塾をやっていたときもずっとそうしていた。
小学生でも、話しながらほっぺたにちょっと触ったり、頭をなでたり、背中や肩に手を置いて励ましたり、そんなことをされるのは大好き。
まして親と長時間離れて、スパルタ指導をされている幼児たちだ。
先生に叱られてばかりでふてくされている子の手を握って、「きれいな手の形ねえ。女の子らしい指ですてきだわ」と言うと、「ほんとう?」と笑う。
いつまでも着替えないで、やはり怒られてしまった子のおなかを「かわいいおなかだなあ。なにが入ってるのかなあ」となでると、ウフフと笑って起き上がる。

でも、私がやめれば、この子たちが私のことはすぐに忘れてしまうということも知っている。
昨年度、私は当時の5歳児がとても好きだった。
みんな「マキ先生」となついてくれて、抱きついてきたりいろんなものをくれたり、友達のことを相談してきたり、いろいろあった。
でも卒園して半年も過ぎたら、もう私のことは再会しても覚えていない。
小さい子供はそんなものだ。
とくに保育園の子供にとっては、“今、目の前にいる人間(パートやアルバイト)が自分を世話してくれる存在”。
人見知りしているヒマなんてないし、いつまでも以前の先生に執着しているヒマもない。
新しい人が入った瞬間に、もう“ぴとっ”とその人にくっつく。
保育園はシビアなところだ。

その経験から、感傷に耽るのは昨年度でやめたのだ。
さらば2歳児。
集団保育の荒波を乗り越えて、リッパな小学生、そしてリッパな大人になってくれ。
30年後や40年後、私がヨレヨレになっていく途中、また再会するかもしれない。
そのときは君らが社会の中心。
そのときはどうかヨレヨレの私をよろしく頼む。
こんどは私のおむつを替えて、私にごはんを食べさせてくれるのかもしれない。
私は、小さい子供には本気でそう思っている。
みんな幸せに。

by apakaba | 2014-12-01 12:57 | 生活の話題 | Comments(2)
Commented by 19 at 2014-12-11 12:34 x
こんにちわ。いつもapalabaさんの優しい保育園記事にほっこりさせてもらってました。私の1人息子も今、年長です。私も早く寝なさい!早く靴はいて!よく家で怒ってるかも。。もっと笑顔でほめてスキンシップしなきゃなと思いました。きづかせてくれてありがとう!
Commented by apakaba at 2014-12-11 17:56
19さんこんにちは。
コメントありがとうございます。
ほんと、できる限り、子供を怒りたくないですよねえ〜〜。
小さい子は怒られ慣れてしまうし(頭の上をお母さんの怒声が通り過ぎていく〜〜)


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