あぱかば・ブログ篇

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2015年 03月 04日

「アキタコマチ」の文化祭へ

先週の日曜、次男「アキタコマチ」の文化祭へ行ってきた。
ふつうの学校ならこんな時期に文化祭をやるのは変だが、文化祭というより大学でいうなら“卒業製作”や“卒業論文”に相当する行事だ。
調理の学校の文化祭というものに、初めて行った。
息子の通う学校に行ったのも最初で最後だ。
大学とはぜんぜん雰囲気がちがうのね。
さすが、食品を扱うところだけあって、どこもきれいにしている。

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アントレ
根セロリのポタージュ、カプチーノ仕立て
アボカドをまとったかにとエビ、マンゴー風味のヴィネグレット

温かいものと冷たいものを一皿に用意するので、コースの中で時間の見計らいが一番難しい。
「アキタコマチ」はここを主に担当していた。
バイトで鍛えられていたから、時間との戦いには強い。
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ポワソン
舌平目と焼きなすのクッション仕立てのムニエル

この魚料理はすばらしかった。
魚の中に焼きなすを挟み込み、ピスタチオを衣に使っている。
柔らかい魚となすに、ピスタチオの衣、ごぼうとれんこんのチップスがクリスピーでおもしろい。

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ヴィアンド
牛肉の赤ワイン煮

ブルゴーニュの伝統料理。王道な味、だがニョッキや小玉ねぎのグラッセが女性の皆さんに大好評。

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デセール
フィナンシェ・モンブラン

かなり腰を抜かすおいしさ。
フィナンシェが表面さっくり中しっとりの焼き上がりで、その上にゆるめのマロンクリームを載せているから「くどいか」と思いきや、パクパクいける。
キャラメルのアイスクリームも完璧。
二つとも重めの甘さなのでラズベリーのソースを多めにアレンジしてあり、みんなソースも全部平らげていた。

先日、親戚の会食があって代官山のフレンチレストラン「パッション」のディナーに行ったのだが、パッションよりずっとおいしかった。
ほんとに、贔屓目じゃなくて。
オープンキッチン、というか実習室の隅にテーブル席を用意してぎゅうぎゅう詰めで食べているから、シチュエーションはまさしく学祭っぽいのだけど、お皿の上は別世界だった。

キッチンの方を観察していると、よく働く子は決まっていて、動きののろい子もどうしてもいるものだ。
真ん中で早送りのように動いて全員に大声で指示を飛ばしている、あの威張った奴は、うちの息子じゃないの。
一緒に行った夫は、半ば呆れつつ面白がって見ていた。
「あいつは俺に似ているんだな。職場でガンガン動いて、とろいやつを見てられなくて端から叱り飛ばしちゃう。俺みたいだ。
『ササニシキ』は見た目は俺そっくりだけど、そういうところはないなあ。あなたに似てるんだな。」

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息子たちのことを、私はほとんど心配していない。
子育ての前半、18年間ほど心配しつづけたので、もう心配にも飽きたし、自分でどうにかしていくことはわかっている。
「アキタコマチ」がこの学校で手も頭も抜きん出ていることは、見ればわかる。
大学とはちがって、いわゆる専門学校は、高校までの学業成績は関係ない。
お金を出せば入学できるから、玉石混淆ぶりは大学の比ではない。
たいして覚悟もない子が親からお金を出してもらって、大学受験を避けるために入ってくるケースも多い。
そこで目覚めればいいが、勉強もだめ、調理をやってみてもやっぱりだめという「石」の人も、少なくない。
逆にいえば「アキタコマチ」のような、やる気もあって技術もあり、ちょっと頭が働く人間は、たちまちのし上がっていける世界だ。
高校までは学校の成績はさっぱりだったが、こと料理に関しては、あれは間違いなく「玉」だ。

私も人の親なので、そうなると自分の息子よりも、何をやってもだめそうに見える子たちの将来が、気になってしまう。
廊下に貼られている集合写真など見ても、いかにも「だめ」という雰囲気の生徒さんも写っている。
うつむきがちで目に輝きがなく、自信がなさそう。
がんばれ。
あなたはまだ若い。
どの生徒さんも、幸せになってほしいと、心から願う。
初めて息子の学校へ行ったが、いろんな若者時代があるものだなとしみじみした。

2年前の今日、「アキタコマチ」の、高校最後の出し物という記事を書いた。
あのころとは、やることがまるっきり変わってしまった……ようにも思うが、実は同じなのかもしれない。
手を動かしてものを作り出す人。
あいつは同じことをしている。


by apakaba | 2015-03-04 17:50 | 子供 | Comments(0)


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