2015年 05月 22日

保育園時代の子

夕方、犬の散歩で近所の公園を通りかかると、小学校の子供が大勢で遊んでいる。
その中に、おととし保育園にいた男の子が駆け回っているのを見た。

私はその子を「こうくん」と呼んでいた。
こうくんは、先生たちからは人気のない子だった。
先生も人間だから、先生の間で人気のある子とない子がいるものだ。
こうくんは「人の顔や名前を覚えない、扱いづらい子」と言われていた。
私はおばかさんな男子代表のようなこうくんが好きだった。

こうくんは夕方の自由遊びの時間になると、毎日興奮して私に飛びついていた。
だだっと走り寄って両手でおっぱいを掴む、通りすがりにお尻をばしっと叩く、そんなセクハラを毎日受けていた。
先生は怖いから先生にそういうことはしないが、パートの人間は身近なので、子供の方も甘えてなれなれしくする。
こうくんは私のことを「あんた」と呼んだ。
私の名前を覚えられなかったのだと思う。
「あんたってさあ、お母さんみたい。先生じゃないみたい。」
「あんたって、おばさんなの?おねえさんなの?」
と、保育園で勤め始めた私に言ってきたのは、こうくんだった。

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今日のお昼ごはん


卒園したら、いじめられないといいなあ、物心ついたときからずっと一緒だった保育園の友達と別れて、この子は大丈夫かなあ。
先生たちも心配していたし、私も心配だった。

今日、笑顔で走り回っているこうくんを久しぶりに見て、ほっとした。
私が遠くからにこにこしてこうくんを見ていると、ゲラゲラ笑った表情のままで、私と目が合った。
こうくんは、私のことを忘れてしまっただろう。
通りがかった散歩のおばさんにしか、見えていないだろう。
でも満面の笑顔で目が合って、通りすがりのおばさんにも笑ってみせてくれた。

来月、小学校で影絵の定期公演をやる。
君のためにやるよ。
君のために練習して、いい声を出そう。


by apakaba | 2015-05-22 22:42 | 生活の話題 | Comments(0)


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