あぱかば・ブログ篇

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2015年 06月 25日

キャリア教育授業の講師になる

うちの子供たちの母校ではない近隣の小学校で、話をすることになった。
「総合的な学習の時間」という授業時間で、「キャリア教育」という学習をしている。
講師依頼を受けて、やると答えたものの、「キャリア教育」というもの自体なんのことやら。

対象は6年生。
20分間の話を2コマ。
今まで生きてきた中で感動したことを話すそうだ。
仕事をとおして「心が動いたこと」を、具体的な例を挙げながら話せと。
だから「赤ちゃんが生まれて感動しました」とか「お客様の笑顔が生きがいです」とかの漠然とした話じゃダメ。
子供の生きる力を育成し、夢の実現の道筋を示す話をしろと。
なんじゃそりゃー。
「あきらめなければ 夢は叶う 信じていれば 道はひらける」
みたいな、J-POPの歌詞みたいなことは言っちゃダメで、もしも夢が破れても、他の形もあるというところも話すんだって。
なんでそんな見ず知らずの子供に私の人生を語るのか不思議だけど、頼んできたのが友達なので、まあ考えるか。

……とか思っていたら仕事の締め切りに追われてしまい、なにも準備してないのにもうあさってに迫ってしまったじゃないかー!
とりあえず、ここに、話そうとしていることをメモ書きしておくことにした。

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私には子供が3人います。
早くに結婚したので、もう大きくなっています。
私の一番の趣味は、旅行です。
いろんな国で、人のあまり知らないような場所へ行くこと、そこで人と話すこと、いろんなめずらしい体験をすることが、なによりも大好きです。
家族の誰かと行くこともありますが、好きなのは一人旅です。

私には特技が3つあります。
「文章が書けること」「人に勉強などを教えること」「演技ができること」です。
将来、「新聞記者とか、雑誌になにか書くとか、文章を書く仕事をしたいなあ」と思ったこともあるし、「学校の先生になりたい」と思って、教員免許を取ったこともあります。
中学生くらいまでは、「女優になりたい」とも思っていました。
でも、大学生のときに好きな人ができて、すぐに結婚して、私はずっと家にいるお母さんになりました。
夢を、忘れたわけじゃないけど、赤ちゃんを育てることが生きがいだったし、働くのは後回しでいいなと思っていました。
それくらい、3人の子供を育てているのは楽しかったし忙しかったですね。

それでもその間、最大の趣味だけは忘れられず、私はいろんな国に旅行に行っていました。(以下、プロジェクターで写真を見せながら)
インドの山奥、チベット民族しか住んでいないヒマラヤで、海抜5000メートルの峠を越えて、テントで寝ていました。
それも立派なキャンプ用のテントじゃなくて、地べたに直接寝るんです。
トイレなどなくて、そこらへんで適当にします。

地球で最も海抜の低い、海抜マイナス400メートルというところにも行きました。
イスラエル、死海のほとりです。
旧約聖書に出てくるモーセという預言者を知っていますか?
そのモーセが亡くなったといわれている山にも登りました。ヨルダンにあります。
今年の4月に大地震が起きたネパールの映像を、テレビで見ましたか?
あの、がれきとなってしまった広場やお寺にも行きました。
パキスタンやインドネシアでは、偶然出会った人の家に泊めてもらい、家の手伝いなどしてしばらく住んでいました。
ウズベキスタンで、英語が一言も通じない町に、一人きりで行ってしまったこともあります。

もっともっと、たくさんの国でいろんなすばらしいものを見ました。
そうやっていろいろな経験をしてきて、いつかそれをたくさんの人に知ってほしいなあと思うようになりました。
そのころにはもう子供たちも大きくなったので、私は自宅で小学生に勉強を教える仕事を始めました。
それは10年近く続けました。
学校の先生とはちがうけれど、「教える仕事」はできたわけですね。

その仕事をやめて、今は海外旅行のウェブサイトに、海外旅行の記事を書く仕事をしています。
今まで自分が行った国で、日本人旅行者がほとんど知らないような行き先を紹介するのはとても楽しいです。
読んだ人たちから、「こんなところがあったなんて、全然知りませんでした!」「あなたの記事を読んで、私も行きたくなって行ってきました!役に立ちました!」と言ってもらえるのは、本当にうれしく、やりがいを感じます。
新聞記者とかではないけれど、「文章を書く仕事」にも就けたわけです。
それも、最大の趣味である旅行のことを書くのですから、書いていてこんなにおもしろいことはありません。
今も近くの国に旅行をくりかえしていますが、ネタのために旅行しているようなものです。
それもやっぱり楽しいです。

私は、旅をすることは、この世界を、近くに、いとおしいものに感じることだと思っています。
自分が、世界とつながっている、この世界の一員であるということを思い知ることだと考えています。
毎日、世界のいろいろなつらいニュースを目にしますよね?
たとえばネパールで地震が起きて、町や村がグシャグシャに崩れているのをテレビで見ても、それを見て自分の町が崩れたように胸をしめつけられる人って、どれくらいいるでしょうか?
私は、大好きなネパール、たくさんの人に親切にしてもらったネパールの地震の映像や写真を見て、何度も涙を流しました。
それは他の国のことでも同じです。
テロで破壊されたり、内戦で荒れ果ててしまった国々のことを知ると、身を切られるようにつらく感じるのです。
あのときやさしくしてくれたあの人は、あの人の家族は、もう死んでしまったかなあ、と想像するのは、いい旅をすればするほど、リアルに苦しいものです。

でもそうやって、自分から遠く離れていても身近に感じられるところがこの世界にいくつもいくつもあることって、本当にすばらしいことです。
自分の「周り」が、とっても大きいんですから。
それが、自分以外の人間に対する想像力になるはずですから。
自分以外の人間に想像力を働かせることは、生きる力として絶対に必要です。
自分さえよければいい、自分の国さえよければいい、そんなふうに、想像力を失った人間は、結局幸せにはなれません。
人のことも幸せにできません。

さて、私の特技はいくつあったでしょう?
3つですね。3つ目の「演技ができること」は、影絵の劇団で活かしています。
私は影絵劇団でずっと主役の声を担当しているんですよ!
いろんな役をやりますが、得意なのは少年役です。
私を見てください。ただのおばさんですよね。
もし私が今から女優になったとしても、おばさんの役しかつかないですよね?
でも影絵なら?
声だけなら?
可能性は無限大です。
おばさんが男の子の声を出すって、不思議じゃないですか?
でもうまくやればできるんですよ。
やってみましょうか。
(DVDで一場面を再生して実演)

うまいでしょう?
私は、声の担当の責任者なので、声をあてるメンバーの演技指導もやっています。
今、小学校や区民センターなどで公演をしていますが、感動的な劇では、見てくれたお客さんが、大人も子供も、先生たちも、校長先生も、みーんな、涙を流してくれるんです。
これは影絵というものの力です。
いくら私一人が名演技をしても、全員が力を合わせなければ、ここまで人を感動させることはできません。
もしも私一人だったら、何回生まれ変わったって、あんなにたくさんの人々を、いっぺんに感動で泣かせることなんてできませんよ。
これは本当にやりがいのあることです。

さて、私の夢はいくつ叶ったでしょう?
ひとつも叶わなかったのかもしれない。
でも、ぜんぶ叶ったのかもしれない。
「文章を書く仕事をしたい」 これは学生のころに考えていたような新聞記者や雑誌記者ではなく、インターネットという媒体に形を変えて、叶いました。書く内容は、一番好きなこと、旅行のことです。
「人に教える仕事をしたい」 学校の先生にはならなかったけれど、自分の家にかわいい子供たちが来て勉強を教えたり、いまは大人相手ですが影絵の演技指導もやっています。
「女優になりたい」 舞台やテレビには出ていませんが、もっと間近に、お客さんの感動を実感できる場所に形を変えて実現しました。

あれ?ぜんぶ叶ったのかな?

こうお話しすると、いかにも私がやすやすと夢を叶えてしまったラッキーな人みたいに思うでしょう。
そんなことはないんですよ!
長く努力することが必要です。
たとえば旅行なら、私は英語以外に、行き先の国の言葉をほんのちょっとだけでも覚えていきます。
これだけでコミュニケーションの深さがぜんぜんちがいます。
子育て中も、文章を書く練習は休んだことがありませんでした。

そして、「自分がやりたいことは何か?」と、常に自分に問いかけ続けることです。
たとえば文章を書く仕事をしたいと考えたときに、いろいろな働き口を探しました。
「医療機関にインタビューに行ってネット記事にまとめる」とか。
「街の新しいカフェを取材する」とか。
ネットでも雑誌でも、いろいろなライターを募集しています。
でも、「いくら文章を書きたいといっても、私は本当にこの内容の仕事で続けられるか?」と自問したときに、続けられる自信がないと思ったものは、応募を取り下げました。
好きなら続くし、好きではないことは続きません。
表面的には続いているとしても、自分の内面的には、続けられていません。
私はそんな仕事はしたくありませんでした。
「嫌なことをしてお金をもらうことが仕事だ」と言う人もいます。
たしかにそれは一面では真実ですが、すべてではありません。
旅行ライターの仕事も、私本来の文体とはちがう文体を求められたりします。
それでもそれはお金をもらう以上、当たり前の修正です。
そうではなくて、やりがいも生きがいも感じなくてとにかく嫌なことしかない仕事は、続ける必要はないと思います。

自分を見つめ続けてください。
まずそこから始まり、そして最終的にはそこに帰ってきます。
毎日ごはんを食べていれば人は生きられるけど、自分という存在を、誰よりも真剣に見つめて考えることだけが、生きる力になります。

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これくらいで20分くらいに、なるかな?
内容、難しい?


by apakaba | 2015-06-25 17:08 | 生活の話題 | Comments(0)


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