2015年 09月 14日

模倣から始まる

先日「小学校の影絵上演体験授業を受け持つ」に書いたとおり、6年生の授業をやってきたが、その録画が上がってきた。
3クラス見比べてみると、私にはどのクラスも似たようなレベルの仕上がりに見えた。
人によっては、人形の動きや声の演技の出来に差があるように見えるらしいが、私の見る目が甘いのかな。

私は声担当なので声の話を書くが、子供の演技を聞いていると、つくづく大人の私たちとは技量がちがうものよと思う。
これでも相当、個人個人にイメージを伝え、見本を見せて(聞かせて)、一つのセリフの中でも「ここまでは明るく、ここから暗い感じに転換させて」と、事細かにやり方を教えたのだけど。
やはり時間内では指導にも限界がある。
同じ演目を、7月に外部公演でやっていたのだが、あのときを思い出して、「団員はみんな、本当にうまかったなあ……(私は声担当を外れていたけど)」と一人しみじみした。

「ここまでは明るく、ここから暗い感じに」などと指示を出して、本人は一生懸命そのとおりに言っているつもりなのだけど(その気持ちは様子でわかる)、残念ながら、声に反映されていない。
大人だと、同じように私が指示をすると、すぐにイメージをつかんでくれて、次の練習にはできる。
次の練習にはできていなくても、最終的に本番には絶対にやれている。
大人の本気はすごい。
子供が本気ではない、というわけではないけど、どうしたらうまくできるのか、まだコツがつかめないのかもしれない。

子供でも、なかなかいい線いっている子もいる。
そういう子は、概して、力んでいない。
カッコつけるよりも、ウケたい。
自分なりに役の像を持っていて、積極的に声を発して試してみる。

もしももっと時間があったら。
どうしたらうまく聞こえるのか、そのコツを教えたい。
声の強弱と上げ下げのポイントと間の取り方、全部教えられたらみんな名優になれる!
「とにかくまずは、同じように言ってみて。」と、“完コピ”をさせる。
それでなにか、つかむはず。

まあそんなこと不可能だけどね。体験学習は演劇部じゃないし。
ただ、初学者にとって、音楽でも、絵でも、字でも、なんでも、表現するには、まずは手本を完コピすることで、そこから自分というものが相対的に見えてくる。
私は、日々、自主トレじゃないけど、よく歌真似をしている。
いいなと思った歌を、そっくりに歌ってみる。
だいたい、昔からモノマネが好きだった。
学校や塾で、先生のモノマネをして、笑いを取っていた。
カッコつけるよりも、ウケたい。
あらら、6年生たちと同じ。

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ひとつひとつの花は、模倣の集合か
すべてオリジナルか


ちょっと前に「パクリ問題」がだいぶにぎやかだったが、あの問題の関連で、パロディー(本歌取り)のような芸術表現、またそもそもオリジナルを模倣することについて、論争があった。
模倣が模倣のままだったらダメだけど、まず出発点は上手な模倣。
次回、高学年の担当になったら、そこらへんをもう少し詰めていきたいなあ。


by apakaba | 2015-09-14 18:34 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(0)


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