あぱかば・ブログ篇

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2015年 09月 20日

「コシヒカリ」の就職への道?

高3の娘「コシヒカリ」は勉強が嫌い。
兄二人に較べて、知的好奇心が弱く、そのツケがいま回ってきている感じだ。
もちろん娘に「おかーさんの出た大学に行かなきゃだめよ!」なんて押し付けるつもりはないし、学力がまったく追いつかないから、とっくにあきらめてはいる。
しかし、人間、やっぱり自分が基準だから、子供にはせめて自分くらいの学力や知識を持っていてほしいと思ってしまうのは自然な感情だ。
会話をしていると、「こんなことも知らないのか」「この時期に来て、まだこんなことも覚えていないのか」と確認することとなり、それを出さずに励ますのはきつい。

自分の子供がそこそこ大人になれば、それなりに対等に知的な会話ができる相手になるものだ。
先日、長男「ササニシキ」がいきなり
「“好きこそものの上手なれ”の“なれ”は、なに。」
と聞いてきたが、
「断定の助動詞“なり”の已然形。“こそ”の係り結び」
と即答できる。
「ふーん、じゃあ主語は“好き”?」
「そういうことだね。」
これは国語が専門だったから当たり前だが。

ゆうべ、次男「アキタコマチ」がバナナを食べながら
「バナナの栄養素ってなに?」
「カリウム。」
栄養素を即答できるお母さんもあまり多くないと思うが、私は食物が大好きで、高校時代よく勉強したので。
「カリウムか! カリウムは大事だよ。オレ最近、塩分の多い食事をしがちだからたくさん摂らないと。カリウムはナトリウムを排出してくれるんだ。でもカリウムばっかり摂っていたらだめ。ナトリウムとカリウムは拮抗していないと体のバランスを保てないんだ。両方とも必要なミネラルだからね。」
「ふーん。」
こういう会話は楽しい。
バナナにカリウムが豊富だという知識を与えると、私の知らない知識を与えてくれる。

娘と話していて、こういう会話になることがほとんどない。
生き物が好きといっても、私より動物の名前をぜんぜん知らない。
娘はメルヘンの世界に生きている。
「ゆうべ、勉強してたら、羽虫がわたしのシャーペンの先に止まって、ずーっと止まってて、見てるとかわいくなって、ずっと一緒に勉強してた。動きがかわいいの。ハエみたいで(娘はハエもかわいくて好き)」

これはこれで、ひとつの才能だと思うが、もう一歩、知的な欲求につながらないだろうか?

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ある日のごはん。
「アキタコマチ」が牛丼を作ってくれた。
ポーチドエッグがよかった


娘は動物園で働くことが夢だった。
どんな生き物も「かわいい!」と思う稀有な女の子なので、私も大賛成。
しかし理系科目が全滅なので、獣医や、動物の飼育員は厳しそうだ。
しかも東京都立の動物園は職員の募集が稀で、一時期ずっとサイトをチェックしていたが、いつも「現在、採用の予定はありません」だった。
夢を見失って、娘は高校時代をふてくされて過ごしてきた。

今朝、たまたま都立動物園のサイトを開いてみると、「職員募集」のお知らせ!
何年もチェックして、初めて見た!

興奮して「コシヒカリ」を呼び、
「これの“総務・サービス部門”なら、ふつうに大卒で応募できるよ。獣医師の資格とかいらないよ!」
と言うと、
「どんなことをやるんだろう?」

「総務事務、雑誌編集、園内サービス、案内接遇。なんだろうね。でも、あんた理系は全滅なんだし、獣医師免許は取れないし、だったら資格なしでもとにかく動物園に入れたらいいじゃない。好きなもののそばで働くって、それだけで楽しいじゃん。メルマガ出したり、園内の取材とかして雑誌やホームページ作ったりするんじゃないの? 動物の写真撮ったりしてさ。」
「へえ〜やってみたいな! えっ、応募に800字の作文。試験でも90分で小論文とかあるのか。」
「そんなの書くのは簡単。おかーさんが見てやるよ。」
「ありがとう。でも、こんなのの募集に応募する人ってどんな人だろう? わたしで大丈夫かな?」

「あのね就職の応募っていうのは、とにかくいろんな人が来るものよ。動物が好きな人ばかりが応募するなんてないの。あなたはふつうの人にないものを持ってる。あなたほど生き物が大好きという人も、なかなかいないよ。それはあなただけの強みなの。もしも、大卒といっても底辺校で、動物もたいして好きじゃないけどとにかく就職したくて……という人と、あなたがちょっとでも上の大学へ行ってて、生き物がこんなに好きですというアピールをうまくできれば、『この子を採ろう』ということになるでしょう? そういうものなの。だから今やれることは、がんばって勉強して、ちょっとでも上の大学に行くことなのよ。そして大学生になったら、動物園でバイトするんだね。そしたら雇ってもらいやすいよ。」

やっと、受験勉強に希望を見出したようだ(お、遅い)。
動機がなきゃ、勉強なんてしたくないのが当たり前だ。

「わたしがんばる。(動物園サイトを見ながら)この、アビシニアコロブス……って、なに?」
「サルだよ(動物好きのくせに、そんなことも知らないのか)。とにかく今やるべきことは勉強。大学生になったら、動物園でバイトしながら、図鑑とかをちゃんと見て、いろんな名前を覚えなさい。どれもこれも『かわいい〜』だけじゃ済まなくなってくるんだからね。」
「そうだね。そうする。」

本当に、動物園に就職できるかどうかはわからない。
募集がなければ応募もできないのだから、現実的には、確率はごく低いだろう。
それでも、子供が目標もなく、ふてくされたままで大人になって、ふてくされた就職をして、「こんなはずじゃなかった」と思いながら働くのは親としてつらい。
あの子がスーツを着てきれいな会社で働くところは、どうしても想像できない。
動物の赤ちゃんを自分の手で育てるような直接的な仕事ができなくても、好きな場所に身を置くのは楽しいだろう。
そこで動物を取材して、記事を書いたりできたら最高だろうな。
ていうか、その仕事なら私がやりたいよ。


by apakaba | 2015-09-20 12:04 | 子供 | Comments(2)
Commented by やしましゅうじ at 2015-09-20 13:06 x
 愚息も小学生の頃は飼育員になりたかったので、会える時には動物園に連れていったし図鑑も送って上げました。 でも高校2年の現在は留学したい  何故って訊くとかっこ良いから。

親の関わり方でこうも違うかと、思いました。


生まれ変わったら真紀さんになりたい。
Commented by apakaba at 2015-09-20 18:49
留学がカッコイイ、は十分健全な動機だと思いますよ!
私も、娘が1年生のころは、かなり本気で留学を勧めていました。
「香港大学とかに留学しなよ。肉まんも食べ放題で、カッコイイ中華系カレシもできるかもよ!」と……


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