2015年 10月 24日

歌舞伎座芸術祭十月大歌舞伎、夜の部連続ツイート

今月は、月に3回歌舞伎に行くめずらしい月だった。

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夜の部終了後の遅い夕食。
サラミと黒イチジク、ルッコラの前菜

22日、歌舞伎座夜の部、芸術祭十月大歌舞伎、壇浦兜軍記。ただただ玉三郎に口あんぐり。「この前もこの先も、何十年も見られないものを、いま見ている」という、芸術の神髄に触れる時間。琴の演奏中に弦から目を離し、会えなくなった恋人を思い出す表情。琴、三味線、胡弓を演奏する離れ業、(

2)このあと誰が継げるというの。いくら玉三郎が後継者を育てたいといったって無理だよ。しかし妖怪のような玉三郎を受ける菊之助、引けを取らない美しさ。白塗りのいい男をやったらいま一番。あんなに色男になっちゃって大丈夫?このあと菊五郎の妙味を身につけられるの?逆に不安。彼はちょっと(続

3)富司純子さまの美貌を受け継ぎすぎて、かえってそれが芸の幅の障害になってしまいそう。髪結新三、万感の思いが去来する演目。これまで幸四郎、勘三郎、菊五郎、三津五郎で見てきた新三だが、見れば見るほど、新三というのは、表面の明るさ軽さに似合わず、思ったより難しい芝居(役どころ)(続

4)なのだと思い知りつつある。初役の松緑、おめでとうございます。ご祝儀気分の配役陣だが、やはりセリフが一本調子でまだまだ。だが見た目の新三っぽさはもしかしたらこれまでの錚々たる新三役の中で、一番では?松緑の新三は出からすでに悪の雰囲気を前面に出している。これまでの新三はそこが(続

5)やや弱く、愛嬌が先立っていた。松緑は声の音域がせまいことが致命的。魅力的な声の演者は声に幅があり、セリフの1音目に倍音を出すことがある。声の幅が演技の幅になる。黙阿弥のすばらしい名調子を身につけてがんばってください。勘三郎あたりでは愛嬌が先立って新三の異常性がわかりづらい(続

6)が、新三というのはサイコパス的人格破綻の小悪党。絶対友達になりたくないタイプ。向こうから歩いてきたらよけて通り過ぎたいタイプの男。松緑の醸し出す新三ははまっている。亀寿の勝奴も悪そうでいい。染五郎ではかわいくなりすぎ、菊之助では菊五郎新三と一心同体すぎ、亀寿の距離の取り方(続

7)は、小悪党の下でいつか親分を出し抜こうとしている小悪党らしさ、とてもいい。しかし左團次大家、どうなの。役柄の説得力はあるけど、スピードがやや遅くて私の求める大家ではなかった。要するに三津五郎。三津五郎の大家が忘れられない。新三を見ながら、彼の声が聞こえる。帰ってきてくれ。(続

8)大家の妻も普通。やはり髪結新三は役者にとって奥の深い演目なんだな。時蔵の忠七は盤石。時蔵、今月ほんといいわ。昼の部でツマラナイ常盤御前で立ってたと思ったら文七女房で見事なくそばばあ。夜の部では白塗りのなよなよ二枚目。大活躍。昔は全然好きな役者じゃなかったが最近目覚ましい。(終

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さつまいものムース、魚介のジュレ



おまけ)22日夜の部では仁左衛門夫人と菊之助夫人を見かけたが、ああいう世紀の色男を夫に持つってどういう気持ちなんだろう。常人の理解を超えているわ。舞台の夫を見て、私たちが感じているように「ステキ……!!!」って思うんだろうか。まあどっちにしろ彼らの妻にならないからいいんだけど……


by apakaba | 2015-10-24 10:36 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(2)
Commented by Akiko at 2015-10-25 23:08 x
読みました〜さすが、面白かったです。妖怪玉様w菊之助が引けを取らないは同じことを思いました。パパ菊五郎さんも昔は美しかったという話も聞きますが。松緑はけっこう好評価ですね。小悪党というより悪党でしたが、私は役の解釈より彼の引き出しが少ないからに思えてそこにはあまり魅力を感じなかったんですけれどねー悪者の色気はありました、美脚小顔でスタイルいいんだよなあ。
Commented by apakaba at 2015-10-26 12:42
あらーっ、こっちにコメントでしたか。
菊五郎の若いころ、色男でしたよねえ。
全盛期のお嬢吉三はえらいことでした。
でもだいぶ太って梅幸に似てきちゃった。
菊之助は見目もすらっとしていて、やっぱり現代的ですよねえ。

松緑はなんだかんだ恵まれている(早く父を亡くしたけど後ろ盾がしっかりしてるし)から、悪口は言えないという雰囲気があるのかな。
彼は黙ってあれこれ演技していると歌舞伎味たっぷりですごくいいのに、どうもしゃべりが。
根が真面目でいい人なんじゃないかなと思わせます。
それが芸の足を引っ張っているような。


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