2015年 12月 31日

今年、猛烈に取り組んだことは?〜ドストエフスキー熱再燃

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下鴨神社のお屠蘇!


今年は私にとって、「ドストエフスキー熱再燃の年」だった。
詳しくは上記のブログを読んでいただきたいが、このときの議論にいたく感銘を受けて、亀山先生の本を読んでみようと思ったのだった(公式ページはこちら→『カラマーゾフの兄弟』からチェルノブイリへ ──ロシア文学と日本社会)。

年が明けてから半年ばかり、私の読書はドストエフスキーの『悪霊』とその関連書籍一色になった。
『悪霊』はたしか大学生のころに読んだが、亀山訳で読み返した。

悪霊1
悪霊2
悪霊3
ドストエフスキー『悪霊』の衝撃
悪霊 別巻—「スタヴローギンの告白」異稿
『悪霊』神になりたかった男

すべて亀山先生の訳あるいは著作である。
『カラマーゾフの兄弟』が亀山訳で出た時、さっそく読んでみたことがある。
2008年に読んだ本、Best10! その3に感想を書いたが、 どうも亀山訳は軽い感じがしていた。
しかし、『悪霊』にはそんな印象は受けず、再読でもひたすらおもしろかった。

それから、今年の7月、ふたたび亀山先生と東浩紀氏のトークイベントに参加した。
「悪霊」が世界を徘徊している ──ドストエフスキーで読む現代という名前のイベントだったが、 内容は『カラマーゾフの兄弟』など他の作品や、現代ロシアと日本の病理についての議論で、これまたぞくぞくする楽しさだった。

他にもいろいろな本を読み、今年最後の読書、年内に読み切れず来年にまたぎ越す本はなにがいいかと考えていた。
亀山先生が初挑戦されたという小説を、読んでみようかなあ……
亀山先生が、昨年のトークのときから「書いている」とお話ししていた。やっと出たのだ。
まるで今年のテーマのように、ドストエフスキーに貫かれた今年をしめくくるのにふさわしいと思い、長編だけれど数日前から読み始めた。
その名も『新カラマーゾフの兄弟』。
『カラマーゾフの兄弟』から本歌取りしているものの、入れ子細工のように複雑な構造をなす小説である。
まだ13%しか読んでいないが(Kindleなので%表示になる)、かなり引き込まれる。
亀山先生は批判されることの多い研究者だが、二度じかにお話を聞いた印象では、知的な静謐さの下にギラギラした激しい異常性をあたためている方のようにお見受けし、とても好きになった。

誰でも同じだと思うが、読みたい本というのはきりがなくあるものだ。
しかし体はひとつで時間は24時間だから、読める本の数は限られている。
「今年はこれに集中した!」と言い切れる読書も、ひとつの方法かなあと思った今年。

だがドストエフスキーは中毒性が高い。
ひとつ読むと、もっともっと読みたくなる。
高校から大学生のころ、まさに流行り病いにかかったように読みふけった。
若い頃に読んでも、新訳でまた読み直したくなる。
来年、きっと亀山訳で『未成年』を読むだろう。
そしてきっと3回目の『カラマーゾフの兄弟』を読むことになるだろう。
そのとき、昔の原卓也訳と、亀山訳とどちらを選ぶか、今から悩んでいる。


by apakaba | 2015-12-31 18:08 | 生活の話題 | Comments(0)


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