2017年 04月 02日

香港フード合宿・後編

ふと気づけば、前回の投稿から2ヶ月以上も空いてしまった。
その間に、エイビーロードの記事でこのフード合宿のことを書いたので、それでなんとなく満足してしまった。
でも中編までというのもなんなので、最後まで作ろう。

コックの次男を連れた香港フード合宿の最後は、やっぱり本人の専門のフランス料理で。
私たちが何度も訪れている、ミシュラン二つ星の「カプリス」だ。
ここではいつもアラカルトにしているが、今回は勉強という目的でフルコースにしてみた。
もうフルコースなんて何年も食べていなかったけれど、やっぱりフルコースにしてよかった!
組み立てがすばらしい。
ワインのセレクトも、息子に任せてみた。

c0042704_14194413.jpg

c0042704_14222058.jpg

c0042704_14251118.jpg

c0042704_14264452.jpg

c0042704_14284028.jpg

まあ、このクラスになると、「おいしいってことくらい、見ればわかりますよね!?」という品々が並ぶのだが、この魚だけはいたって平凡であった。
やはり魚の扱いは、日本人シェフが世界一だと思う。
日本の一流フレンチで食べる魚料理は本当においしいな。
「アキタコマチ」の勤め先の魚は、立ち上がるほどにおいしい。


c0042704_14344824.jpg

メインの肉が、豚の三枚肉というところが、どこか中華圏の雰囲気が漂っていて楽しい。
わりと硬めなキャベツが敷いてあって、軽くてナイスなメイン。

c0042704_14391670.jpg

ここまで、「アキタコマチ」は例によって「うまい!」「さすが、グランメゾンの仕事!」などと感激していた。
チーズを追加すると、この品揃え。
サービスの副チーフがチーズの説明をしつつ切り分けてくれたので、
「実は息子がコックで、東京のフレンチレストランで働いているんです。」
と話してみた。
すると、このあと予想もしなかったとんでもない展開に!!!!!

c0042704_14474298.jpg

副チーフは日本から来た若いコックの感激ぶりにとても喜んでくれ、「厨房を案内しましょうか。奥のセラーもいかがですか?」と、息子を連れて行ってしまったのである。
最新型の機器を備えた厨房で、きびきび働くスタッフの脇を通り、年代物のワインやチーズを保管するセラーにまで通してくれて、写真も撮らせてくれたという。

私たちは遠慮して席で待っていた。
一緒についていけば行けたと思うが、私たちはただ食べるだけのお客。
プロ以外が足を踏み入れる場所ではない。
「アキタコマチ」は、世界レベルの厨房を見学し、感無量の表情で戻ってきた。
(英語も話せないのに)いろいろ質問し、副チーフの名刺ももらって、「自分の携帯番号直通だからいつでも電話していい」と言ってもらったという。

c0042704_14594147.jpg

「あんなすごいチーズのセラーは初めて見た……わらが敷いてあるとか……4年熟成のコンテチーズとか! ありえないでしょ!」とひとり興奮する「アキタコマチ」。
おそらく、シェフ自らが目の前で調理してもてなすような上得意の顧客など、わずかなお客さんが入れる場所なのだろう。
それを、いくら私たちが何度も行っているとはいえ、ひょっこり来ただけのまだ若造のコックのために、ここまでしてくれるとは。


c0042704_14550276.jpg

フード合宿のしめくくりにふさわしい、超一流の料理とサービスだった。
二泊三日で、食べて食べて食べるだけの合宿で、私は、ふたつのことが心に残った。
ひとつは、香港の人々が、若い料理人の来訪に、礼を尽くしてもてなしてくれたこと。
やはり、料理の世界という同業者どうし、響くものがあるのだろうか。
これには、親としてすべての店にあらためてお礼を言いたいくらいに感激した。
もうひとつは、私たち夫婦も食べるのが好きでかなりおいしいものを食べに行っているが、プロ(で話すのがうまいやつ)を連れて行くと、楽しさが段違いになるということ。
おいしいと思うその味は、どうやって作られているのか?
それを解析してもらうと、料理というものが科学であり芸術であることがよくわかる。
パクッと一瞬で口の中に消える、そのひとくちに、どれだけのことが込められているか、今までよりもずっとよくわかるようになった。
実り多い旅だった。
そして夫は、「来年の正月も行こうぜ、恒例にしよう!」とか言っていた……そんなに出せません。お金をくださーい。
(終わり)


by apakaba | 2017-04-02 15:23 | 食べたり飲んだり | Comments(0)


<< 始業式です      新年度です >>