2005年 12月 08日

レノンの命日に、メイプルソープの美神を思い出す

ラジオをつければジョン・レノンばっかり。
今日はレノンの没後25年の命日だ。
オノ・ヨーコも今日は大忙しだろう。

オノ・ヨーコを思い出すとき、最初に浮かぶのは、ロバート・メイプルソープが撮ったポートレイトだ。
写真集『メイプルソープと美神たち』のなかの彼女は、まるで別の女性のよう。
レフ板で瞳をうんと明るくしている脚色はあるにしても……それを差し引いても、なんて、なんて美しいんだろう!
レノンが見初めた、milk(白人である自分)&honey(蜂蜜色の肌の東洋人)の片割れ、ちょっと魔女みたいで浮世離れした雰囲気の、近寄りがたいような女性、ではなくて、柔和で、まったくとげのない、観音様みたいな彼女。
どうやったら、こんな表情を彼女から引き出せるのか……

メイプルソープは、あんなに“花”をエロっぽく撮るのに、女の“裸体”はただもうカタチとしての美しさに驚嘆するほかない、性欲のかけらも起こさせない、じつに不思議なヌードを撮った。
「きれいだ……」とだれしも思う、でもそこに空想のつづく余地がない。
写真一枚、そのなかで完結してしまう美。

それなのに、ああ、彼の撮るポートレイトの、あの“引きずり出しよう”はなんだろう?
デヴィッド・ボウイも、デイヴ・リー・ロスも、ブルック・シールズも、他の写真では見たことのない表情を、彼にはさらけ出している。
モデルの表情を見ているだけで、胸が騒ぐ。
そのくせずっとずっと見ていたくなる。
でも、“ないものは出せない”わけで、やっぱり彼らモデルたちの内面が、メイプルソープに引きずり出されているということだろう。

あの写真集は、絶版になっていないのかな。
見る機会があったら、是非。

by apakaba | 2005-12-08 23:18 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(26)
Commented by ogawa at 2005-12-09 00:01 x
ジョン・レノンが亡くなって25年。
ロバート・メイプルソープがAIDSで亡くなったのは1989年。
実はジョン・レノンより彼のほうが先に、この世とおさらばしている。

今宵、いきなり懐かしい名前を見て、何カットかの彼の写真を思い出す。
パティ・スミスのアルバム「ホーセス」のカバー写真など
70年代のミュージシャンの写真で彼の写真を何枚見たことか。
エロティックで美しい写真を撮るカメラマンだった。

私も、被写体が私にしか見せない表情・しぐさをエロっぽく撮ることができるようになりたいものである。
なかなか難しいなぁ。

「メイプルソープと美神たち」まだ販売しているよ。
エロっぽく美しい写真・・・ひさしぶりに、見てみたい。
取り寄せようかな・・・

Commented by K国 at 2005-12-09 08:17 x
ビートルズの中ではジョンレノンが一番好きでした
当然イマジンは買いました、小野ヨウコと一緒になってからは離れましたが、殺された時はショックでした
今でも60年代のヒット曲はBGMやいろんな所で使われてます
結局あのころの音楽が一番良かったのかな
アビィーロードまではアルバム全部持ってた、今でもかかれば歌えてしまう、英語は欠点取ってるくせにビートルズは歌える変な学生でした
Commented by apakaba at 2005-12-09 08:24
いやぁ、レノンが死んだほうが、先だろう?
ああとうとうogawaさん、アタマがううう。
アルバムジャケットをよく撮っていましたね。
くだんのデヴィッド・ボウイも、気持ち悪いことは気持ち悪いんだけど、またちがうアプローチになるというか……

>私も、被写体が私にしか見せない表情・しぐさをエロっぽく撮ることができるようになりたいものである。
ううむ、ogawaさんには難しいだろうなー、だってogawaさんは「ストレート」でしょ。
彼は、ホラ、なんといってもやっぱりあれは「おかまは美を知る」ってことで……(back to the「両性具有の美」書評)。
セルフポートレイトのガラス玉のような彼の目……透徹した視線に射られる……あれにはヤラれます。やっぱりモーホーはすごい。

写真集、ふふふ、うちにもありますよん。
Commented by ogawa at 2005-12-09 08:41 x
やってしまった・・・時制の勘違い。
明け方気がついたのだけど・・・手遅れ(^^;;
ああ、恥ずかしい・・・2度目だ。

眞紀さんのご指摘のとおり、メイプルソープの写真は
「ホモ」だからこそ撮れる写真・・・それはわかっているけど、
あのような写真を撮ってみたい。
Commented by apakaba at 2005-12-09 09:51
ogawaさんはメイプルソープにはなれないよ。
目指すならジャン・フランソワ・ジョンベルでしょうね。
彼の手にかかると、大人の女性も「女の子」となる。
まあ、フランス人は女好きですからねえ。
女好きにしか撮れないタイプの写真も、ある。と。

K国さん、ビートルズは歌詞がきっちり美しいんですよね。
いまの新しい楽曲にはない、きちんと韻を踏んだ歌詞なので、覚えやすいし唄っていて気持ちいいんです。
Commented by ogawa at 2005-12-09 12:21 x
>目指すならジャン・フランソワ・ジョンベルでしょうね。

うへっ、しばらくぶりに聞く名匠の名前。
写真集「ミストレス」は名作ですね。
パリのアパルトマンの室内で、ノーフラッシュ、モノクロで撮った
「女の子」の写真。
自然な姿でエロっぽくて、かわいい・・・撮れそうでなかなか撮れない
写真ですよね。
たしかにメイプルソープよりジョンベルのスタイルのほうが私に
合っているかな。

写真がないとイメージがわかないでしょうから、
ジョンベルの写真はこちらで見れます。↓
http://art.transindex.ro/?cikk=53

ということで試してみたいので、眞紀さん今度モデルよろしく!
Commented by apakaba at 2005-12-09 12:43
ヤダ(きぱーり)。
ジョンベルがナゼあんなエロいのか……そりゃモデルを撮る前に片っ端から寝てるからでしょ。寝てから撮るなんて禁じ手だ。
エロ写真談義、まだまだイキますか?
懐かしい巨匠、もっと出してもいいですが……ほかの人が置いてけぼりかな、たまにはいいか。
ヘルムート・ニュートンは日本で人気ですが、あの人ってわりと節操なく(モデルを選ばず)というところが、ううむ。
彼の昔撮ったシャーロット・ランプリングは「スゲエ!」でしたが。
シャーロット・ランプリングはおばあさんになってから同じ構図でフルヌードになり、ニュートンが撮っていましたが見ましたか。
なんというか、コワイです。謝りたくなってきます。
Commented by ogawa at 2005-12-09 16:28 x
ヘルムート・ニュートン・・・たしかに日本人好みですね。
おそらく「カチッ」とした撮り方が日本人の感性に合うのかな。
たしか石田えりもヌード撮ってもらい写真集出していたなぁ。

昔、プレイボーイ誌でナスターシャ・キンスキーの写真を見たときは
「すげえ!」と思いましたが、晩年の写真はあまり好きではないですね。
「エロティック」というより「マネキン」を見ているような感じがします。

シャーロット・ランプリングのおばあさんになってからのフルヌード
ですか・・・怖いものみたさですが、やめておきましょう。

ジョンベルは禁じ手を使っているという噂は有名ですが、
女性の写真では、自然なエロさで一番好きですね。
ヘルムート・ニュートンはちょっと好みではないなぁ。
やっぱりヌードは「柔らかい」写真でないと。
Commented by apakaba at 2005-12-09 17:52
ナスターシャ・キンスキーはナスターシャ・キンスキーがきれいだからじゃないのかなぁ?
ニュートンのカタメの焼き、少しだといいんだけどつづけて見ると過剰な感じになってきますね。

加納典明じゃないけど、たたせてナンボだって写真は、きっと撮るのは簡単なんでしょう。
扇情的なポーズとかって決まり切っているから。
あれだともう、イマジネーションの余地なしなんです。
いかに写っていない部分にまで想像力を働かさせて(使役。ここが肝心)しまうか……エロを感じる写真はそこだと思います。
着衣がとくに乱れていなくても、ごく自然な手つきで、ティッシュで股間をぬぐっているなどというジョンベルの写真にはほんっと、参りますね。
大人ならだれでもいろんなことを空想してしまいます。

ああいう、非常にプライベート感の強い写真こそ、両者の関係性がだいじだし、また、にじみ出てしまうものだと思いますね。
Commented by あづま川 at 2005-12-09 19:34 x
ぼくはエロじゃないのでエロ写真談義にはついていけませーん。
眞紀さんの撮影会も横から見学するだけにしますので(もし参加できたらね)。
眞紀さんのエロくて美しい写真・・・楽しみだなー。
Commented by キョヤジ at 2005-12-09 20:18 x
エロ写真と言えば天才アラーキーを語らねばなりませぬ。
氏はあの風体ですから、色々言われてしまうのは仕方がないのかもしれませんが、ワシに言わせれば真正面から「生命」(いのちと読んでくれい)を見つめている写真家です。

乳癌で片乳房を失った女流詩人のヌードを撮ったのはご存知ですよね?
あの写真は壮絶だった。
女流詩人が依頼してのものだったのですが、アラーキーもよく請けたものです。写真集は断片しか見ていないのですけれども、そこには「生命」の煌きと儚さが写し出されていて胸に迫るものがありました。
氏はご自分の伴侶を亡くした時、その亡骸や葬式の様子を撮った写真も発表していました。そうやって死を通しても「生命」を見つめているのだと思う次第でございます。

つづく。
Commented by キョヤジ at 2005-12-09 20:22 x
つづいた。

氏の撮るヌードがエロいのはそこに「生命」の根源を見ているからなのでしょう。もしかすると、ただ単にスケベだからなのかもしれませんがね(笑

氏のオフィシャルサイトを紹介しておきましょう。

http://www.arakinobuyoshi.com/

スペシャルフィーチャーで色々見られますよ。
是非御覧あれ。
Commented by satomi at 2005-12-10 01:13 x
アラーキー好きです☆
はじめまして、キョヤジさん。satomiと言います。
そしてお久しぶりです、眞紀さん。バッチリ反応してしまいました。

アラーキーは「愛情生活」から入り、毎日バイト帰りに本屋で貪り読んでました。生命っていう全く同じ言葉を私も思っていました(^-^)アラーキーに関しては「エロだけじゃない!」って言うよりも、「いや、もっとエロさを追求してくれ!」って思います。変な意味じゃなくて(^^;

『メイプルソープと美神たち』・・・今度チェックしてみます。
それにしても眞紀さんの文章表現が相変わらずすごいです。ぼんやり感動していただけの気持ちがどんどん言葉になって置換されていきました。
いや、メイプルソープさん知らないんですけどね(笑。

ということで、眞紀さんの撮影会には是非参加させて下さいね。
Commented by K国 at 2005-12-10 07:18 x
スケベー心なら、負けない気がするが
それを美に持っていくのが難しいような、素人の写真は撮って見ないと分らないので、撮る前からこんな風になるなど思いもつかん
結果オーライ型カメラマンです、しかし撮影会には御一報ください
まぐれのホームラン写真が取れるかもしれん(それが本音か?)
Commented by キョヤジ at 2005-12-10 17:22 x
グルーヴィーなsatomiさん、こんばんは。

アラーキー、良いっすよね。
もっと評価されても良いと思うんだがなぁ・・。

今はやりのヌード写真家っていうと ハナブサ リュウ かなぁ。
綺麗な写真を撮る人だけど、ただそれだけ。
アラーキーのように「その向こう側」が見えてこない。

アラーキーにはもっと「いやらしい」写真をどんどん撮ってもらいたいものです。
Commented by suze at 2005-12-11 11:17 x
アラーキーの話なので・・・
個人的には「人町」とか街と人を撮った写真が好きですが、
以前東京都写真美術館で「花人生」を観覧した時、「おお!植物までもエロく撮れるのか!」と衝撃をうけたものです。

アラーキーマンションが通勤の途中にあるので、時々ちょっと回り道してアラーキー氏の世界を感じたりしています。
Commented by sesami at 2005-12-11 13:24 x
はじめまして。ちょくちょくのぞかせていただいて、
楽しく読ませていただいていました。
上のコメントについ反応しての初書き込みです。

アラーキーの写真展を見たのは一度きりで、
8年ほど前、確か奥さんが亡くなったあとの写真展でした。
そこで、奥さんが亡くなるまでの食事の記録写真を見て、
私もsuzeさんと同じようにエロスを感じたんですよね。
せつなさすら伝わってきて。
それでアラーキーをちょっと見直したのを覚えています。
植物や食べ物とは寝るわけにはいきませんから(笑)、
やっぱ写真って対象に込める思いなんだなあ〜と思いました。
Commented by apakaba at 2005-12-11 14:17
エロ写真談義にレス。
最初、ogawaさんとふたりでしか会話が進まず、「すべったかなあ」と思いましたが意外とつづいてうれしいことだ。

あづま川さん、そんなさっさとさじを投げるなんて。
ワタシの写真は、万が一エロく撮れたとしても(ありえないが)、アップロードできるんでしょうか?

satomiさん、元気ですか?ブログ閉じてからちょっとさびしいですね。
撮影は今週末ですが……、なんだかだんだん心配になってきました。
文章についてほめていただいてありがとうございます。
ただまあ、評論・批評は、つねに二番手です。
やはり表現する人間が、一番エライのです。
写真だったら、写真を見てあーだこーだいう人より、やっぱりカメラを手にして撮る人間のほうが、エライです。

つづく。
Commented by apakaba at 2005-12-11 14:35
包茎劇場@噂の真相(いまはなき)、を毎回見ておりましたね。荒木は。
あれを見ていると、モデルのほうがもう、撮られる時点で興奮しているんですね。あの荒木に撮られる!って、すでに欲情してしまっているんですね。
彼が前に立つだけで、率先して脚を開いているというのがわかるので、まるで魔法にかかったみたいだと感心しますね。
それもすごい話だなあ。

ヌードを撮る人で乗っているのは、「ライドライドライド」を書いた藤代冥砂かなあ。タレントをたくさん撮っていますよねー。

荒木で好きなのはやっぱり「センチメンタルな旅」「冬の旅」ですね……フツーですが。
洋子夫人の遺影に使った写真、「ホテルに入り、まずセックスして、そのあとドレスアップした洋子。」の写真、あの凄さに尽きるかな。
あと、彼女が亡くなった日の空の写真とか。
ふつうの感想でごめんなさい。
Commented by apakaba at 2005-12-11 14:45
sesamiさん、初コメントありがとうございます!!
これという売りのないブログですが、コメント陣に助けられてほそぼそやっております。
そうですね、やっぱり、いかに「目の前にない」ものにまで、思いを飛ばさせるか(使役。)が、なにかを表現する人間にとってもっとも大切なことだと、思います。
花やご飯を見て、せつなくなったりエロを感じたり、って、人間にしか与えられていない感情の動きですものね。
http://apakaba.exblog.jp/m2005-09-01/#2792170
手前みそでごめんなさい。以前に書いた、映画評なんですが、この中でも同じことをワタシは言っています。
よろしければお読みになってみてください。

これからもよろしくお願いします!
またコメント、お待ちしていますよー!!
Commented by apakaba at 2005-12-11 16:49
や〜ん、陽子を洋子って変換しちゃったよーっ。
ワタシもシナプスがぶち切れてるー。
Commented by ogawa at 2005-12-11 19:40 x
昔、一時コマーシャルベースのヌード写真撮っていたことが
ありましたが、あれはそれほど難しい技術はいりません。
3流雑誌で読者も容易に想定できましたし・・・(^^;;
いかに立たせるかですしね・・・結構簡単なんですよ。

逆にジョンベルのような写真が一番難しいですね。
まあアラーキーも似ているかな・・・
「抱いてから撮るか」「撮ってから抱くか」
さて私にどこまで撮れるかな。

エロ写真談義も一旦終了かな(^^)
ひさびさにメイプルソープやジョンベルの名前を聞いたし・・・フフ
Commented by apakaba at 2005-12-11 20:12
なんの、まだいくぞーっ。

といいたいところだけど、ちょい時間切れ……またのちほど!
Commented by apakaba at 2005-12-11 22:12
ogawaさんも苦労人だのう。でもあれもパターンですよね。
ほんと、そう思います。
着衣に乱れのないエロ、が私は好きかなー。
エッチなキャプションも一切なしで、写真一本で立っているようなのが。
難易度高しという意味で。
あまりにも肉体が写っちゃってると、やめとこうぜ……と、同性としては引いてしまいますね。なんか説明的だし。

古今集とかの和歌も、いわゆる「キャプション」がついているけど(ナントカカントカはべるをりに詠める、とかいうヤツね)、キャプションありだと当然歌そのものへの理解が深まって感情移入しやすいんだけど、真にチカラのある歌は、キャプションなしでじゅうぶんに心に沁みるのです。

>「抱いてから撮るか」「撮ってから抱くか」
順番は鑑賞者にとってさして重要ではなく、いずれにしろ手中に墜ちていることが感じられればもう成功ということですね。

>さて私にどこまで撮れるかな。
いや〜あの、がんばってください。応援してます。(逃げ足逃げ足)
メイプルソープだのジョンベルだの、ちょいと時代でしょ。
ワタクシのレスは愉快でしょう。
Commented by sesami at 2005-12-11 22:20 x
レス&うちのブログへのご訪問ありがとうございます〜。
エロについて熱く語った(?)映画評、読みました。
私も同じように感じますねー。
映画の趣味が似ているかしらと思いました。
続けて下の方の記事読んでいたら、衝撃の水着写真も!
公開できるボディでいいですね〜。

ところで自分の過去記事たどってみたら、↓
http://gomame009.hp.infoseek.co.jp/suresure97-7.html
アラーキーの写真展で食べ物写真見たのではなく、受付に置いていた写真集で見たことが判明、訂正しに来ました。
タイトルは忘れましたが、きっと今も見られるのではと。
Commented by apakaba at 2005-12-11 22:37
ふげ!水着写真は、み、見なかったコトに。
あれって撮られていることを知らなかったのです。
あ、あんなちっこいのにナゼみんなきっちり見るんだ〜っ。

映画評、あんまりたくさん書いていませんが読んでくれてありがとうございます。きのう、「フレンチなしあわせの見つけ方」という映画にジョニーさんが出ていて、ノンクレジットだったのでビックリしました(思い切りネタばれ)。

わざわざ訂正、ありがとうございます。
ニッポンのヌードは、「湿気」でしょうね。
PLAYBOYとかには決してない、湿り気を帯びた写真、が情緒ですね。


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