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あぱかば・ブログ篇

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2006年 06月 03日

1990年の春休み.27 パキスタン篇

<初めて読まれる方へ>
この旅行記は、私が大学卒業旅行でタイ・インド・パキスタン・ネパールを一ヶ月半まわっていたときの日記を、不定期に載せているものです。文章(註・レート換算含む)はすべて22歳当時のままです。
前回までのあらすじ
ラーワルピンディーで出会ったサワヤカな青年、イブラルとしばし友情を結ぶ。いよいよペシャワールへ。

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ペシャワールは中東の雰囲気。
ラーワルピンディーやイスラマバードとはまったくちがう。


2月13日(つづき)
 フライングコーチの乗り場で、彼らは、日本に帰ったら手紙を書いてくれ、月に二回は書いてくれ、と実行不可能なことを何度も私たちに頼んだ。というよりも何度もヒロに頼んだ。
 例によって彼らはヒロのことが気に入り、この二日間は集中的に彼女と会話していたのだった。インドの列車の中で撮った彼女一人のアップの写真を、くれ!くれ!としつこくねだってもいた。
 私はしつこくされるのがとにかく嫌いだからいいのですが、毎度のことながらこっちの男どもの露骨すぎる態度には閉口する。失礼よねぇ(もてないのでひがんでいる)。

 イブラルの体の具合が相当に良くないせいだと思うが、二人は言うことだけ言うと、まだバスが来てもいないのにあっさり帰っていった。私は心中ひそかに、
 「あんなにナルギスを愛していると宣言して私たちを感動させたのに、イブラルの奴ずいぶんヒロに迫ってたなあ。外国人のお友だちとしてっていうだけのことなのかしら。でもなんだかちょっと興ざめだわ……。」
 と考えていた*1。

*1・・・さらに興ざめな後日談をしますと、帰国後しばらくしてイブラルからヒロに手紙が届き、その中で彼は「やっぱりナルギスを迎えに行くことが叶わず、彼女は従兄と結婚させられた。てなわけで僕は君と結婚したい。アイラブユーなのだ。返事くれ。」と書いてきたのであったと。

 フライングコーチの中は蒸れた足のにおいでむっとしていた。
 私は美しい夕焼けも目に留めずに、座るとすぐに眠ってしまった。
 いかれた暖房のせいで喉がひどく渇き、目が覚めた。
 朦朧としたままみかんを取り出し一つ食べる。ペシャワールには3時間足らずで着いた。

 「地球の歩き方」で目星をつけたローズ・ホテルに部屋をとった。ダブルで100ルピー(700円)、シャワー付きの部屋である。予想よりはるかにきれいでしっかりした造りのホテルだ。ただしシャワーはまたしてもほぼ水であった。最高気温19度、最低気温は6度にもなってしまうような気候なのに。頼むよ。

1990年の春休み.27 パキスタン篇_c0042704_2356962.jpg


結婚式の飾りものを売る店。


 1階に食堂があり、美味との評判なのでそこで夕食をとる。
 料理は普通の味であったが、紅茶(チャイではなく、ストレートの紅茶に砂糖を入れたもの)があまりにも甘すぎた。
 一度部屋に帰ったものの、喉が砂糖でベタベタするのでまた戻ってファンタオレンジを何十年ぶりかで飲んでしまう。甘いけど紅茶よりましなのだ。
 この食堂のウエイターの兄ちゃんは、『できるかな』ののっぽさんに似ていた。とても楽しげに働いていた。
 店のTVでは、ホンダCG125というバイクのCMと、デルトーニという歯をぴかぴかと白くするクリームのCMがやたらと何度も出てきて、私たちはすっかりこの二つのCMソングを覚えてしまった。
 兄ちゃんがTVに合わせてCMソングを口ずさんでいるのを見て、思わず
 「歌ってる歌ってる」
 と話していたら、自分のことを言われていると気づいてにこにこ笑った。

by apakaba | 2006-06-03 23:00 | 1990年の春休み | Comments(3)
Commented by ぴよ at 2006-06-04 00:13 x
画像が妙に可愛い♪
微妙に現地人の顔が切れ切れにフレームインしてるトコロが
いかにもこの街を堪能している風情でステキです♪

Commented by 紫陽花。 at 2006-06-04 06:45 x
なるほどー、イブラルの恋は破れたのか・・。 
それにしても外にいるのはほとんど男性ばかりの国を旅する若き美女2人、そりゃあアチコチでモテルよなあ。ヒロさんのモテップリには参るけど、モテテばかりいる人ってそれが当たり前になっちゃうのかもね(想像)
Commented by apakaba at 2006-06-05 17:57
旅行記27へレス。
ぴよさん、下手すぎる写真に温かいコメントが身にしみます。
これからもとんでもなく下手な写真をばしばしアップしますよ。

紫陽花。さん、イブラルの顛末はこんな具合ですわよ。
相方のはっきりした画像をアップできないのが残念ですが、ぱっと目を引く美人なうえに、愛想がいい人なので、まあ、フツーそっちがいいわな。


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