あぱかば・ブログ篇

apakaba.exblog.jp
ブログトップ
2007年 02月 12日

受験に落ちる、とか合格するとか

昨日の夜、「ササニシキ」が、これまでの彼の人生でもっとも暗かった。
高校受験の一つめに落ちた。
自分ではいけると思っていたらしいので、まだ3校受けるのに、やる気をすっかり失ってしまった。
きのうは滑り止めを受け、手応えは悪くないにせよ一つめに落ちたことで負け癖がついてしまったようで、落ち込んだままでいる。

夜遅く、私以外はみんな寝ていて、私がパソコンを開けていると「ササニシキ」が隣に座ってきた。
「オレ、今日の滑り止めも落ちてたら、もうだめ。自殺したい。」
私がパソコンから顔も上げずに、
「あぁ〜。自殺はまあ、やめときな。」
と答えると、「ぶふふふふっ!」と笑いころげた。
「なに。」
「だっておかーさん、オレがすごいことを言ってるのにぜんっぜん動じない。なんともないような返事をする。可笑しい〜。おかーさんはどうしてそんなにへーきなの。」
パソコンは閉じた。

受験なんかさ。
落ちてもたいしたことないってこと。
まだまだなにがあるか、わからないんだから。
受験がうまくいかないくらいで、自殺する価値なんかないよ。
おかーさんは試験に落ちるのはあんたよりずーっとベテランだ。
クルマの運転免許も、学科で落ちたし。
入社試験、30社は落ちたからね。
それで最後に仕方なく、パソコン売る仕事についたけどすぐやめて結婚したわけ。
それでそのあと、男子校の教員の仕事が決まっていたけど、春休みにあんたを妊娠したもんだから。
一学期はどうにかなっても、夏休みこえて二学期にいきなりお腹大きくなって退職ってわけにもいかないじゃない。あんた秋生まれだから。
だから「健康診断で肝臓の数値が悪い」トカナントカ、テキトー言って、再就職を辞退したのよ。

長く生きてれば、なにがあるかなんてわからないよ。
今、おかーさんのブログに大学卒業旅行の連載を書いてるけど、22歳でしょ。
今年40歳でしょ、当時は今の半分しか生きてないでしょ。
そのときは十分大人だと思ってたけど、今読み返してみると別人よ。
やたらけんかっ早いし、友だちに対しても旅先の人間に対しても、怒ってばっかりいて、まったくただのガキですよ。
人は変わるの。
高校入試だって、どう進むのがよかったのか、なんて誰にもわからないんだから。

「ササニシキ」は私の昔の話をおもしろそうに聞いていた。
ところどころ、「おかーさんてサイアク!」とか「なにそれ、なめてんじゃん!」とか言いながらゲラゲラ笑っていた。

「おかーさん、ブログにそんな旅行記書いてたの。オレぜんぜん知らなかったんだけど。」
「おとーさんとの愛の行方もたまーに出てくるんだ。」
「えっ!そうなの、読ませて。」
「だめだ。お前には早い。受験を終わらせろ。」
「おかーさん、どうしておとーさんがよかったの。HくんとかAくんとかIくんとか、他の友だちたくさんいたでしょう(うちに泊まりに来たことがある)。そっちじゃいけなかったの。」
「んんん?うーん。じゃあお前、HとAとIとおとーさんを並べてみろ、どれが一番いい。」
「そんなのわからないけどさー。なんで選んだのかなーって。」

この程度の話ができるくらいなら、滑り止めが滑ってもどうにかなるだろ。
と思って寝かせたら、合格していた。
まあ、ひとまずよかった。

by apakaba | 2007-02-12 22:56 | 子供 | Comments(9)
Commented by ogawa at 2007-02-12 23:31 x
おかーさんの恋愛話は横に置いといて・・・
ともかく一つ合格おめでとう。

これで落ち着いたね・・・なにより。
Commented by 花岡じった at 2007-02-13 00:03 x
ふぅ~ん。
なんか面白い親子の会話だなぁ。
俺は子供が居ないのでこんな会話はこれから先もありえないが
つーか、あまりしたくねーのだ。(笑)
でも、他人のこんな会話を見てるとほのぼのしていいよね。

落ちないに越したことはないが落ちたら落ちたでそれもまた人生ですな。
彼もこれからいろいろな壁にぶち当たると思いますが
そんな時はこの会話を思い出せば乗り越えられるかも?
まー、餓鬼なんてその時は思い出さんわな。(ペコリ)
Commented by apakaba at 2007-02-13 09:33
受験レス。
ogawaさん、ありがとうございます。しかーし
>おかーさんの恋愛話は横に置いといて・・・
にゃんでちゅとーっ。ここがキモだろうー!

じったさん、中3男子にしては子供っぽいので、しゃべったりします。
私のほうがあまりべったりしないタイプだから、かえって気安いというのもあるかも。
落ちたら人生終わりとか考えるのって、ばかばかしいよ。
そんなんじゃ生きていけないよね。
でも受験生の親って、「落ちたら終わりよ!」みたいな禁句で子供を追い込んで勉強させるんだよね。やだやだ。
Commented by たがめいぬ at 2007-02-13 10:04 x
>落ちたら人生終わりとか考えるのって、ばかばかしいよ。

そのとおりだと思うよ。

人生の半分も行ってない子供がそれくらいでねぇ

これから先 良い事も苦しいこともいっぱいあるのに 今を愉しまなくちゃね。
Commented by apakaba at 2007-02-13 11:01
ある時期、いっぱいいっぱいになにかに打ち込むっていうのは、まあ必要だと思うの。
勉強でもなんでも。
感情の揺れが大きいって大事だと思うし。
でも、失敗を必要以上におそれるのはばかばかしいことだというのを、大人が徐々に示していったらいいんだろうなあと思っています。
Commented by Kay at 2007-02-13 11:10 x
ひとつ合格したから気軽にいえますが、一度受験に失敗した子は人の痛みがわかるようになります。挫折を早い時期に知るのは良いかもしれません。優等生でとんとんと志望校に合格して、いい大学にすんなり入って、いい会社に入った人って、人生ってこんなものだと甘く見ているところがあり、人の痛みがわからない人が多いですもの。
Commented by apakaba at 2007-02-13 12:09
Kayさん、小学校受験はまだ子供自身がなにをしているのかわからない部分が大きく、高校入試は自分の痛み(力不足だったのか?とか反省したり)として受け止めるようになりますが、中学入試がいちばん、キビシイなあと感じます。
難関校を受ける子のツメコミ、プレッシャーって本当にすごい。
入試のたいへんさを超えて、まっすぐ育っていってくれる子もいっぱいいるけど、すっかり性格が曲がってしまう子もいて、見ていて悲しいです。
そういう子の言動って「うわー、ヤダー」なんですよ。
挫折も大事な経験ですね。
Commented by Morikon at 2007-02-13 13:05 x
人生の早い段階での「全能感の喪失経験」は大事ですよね。
ここを経ないとホリ●モンみたいな大人の出来上がり(苦笑)
Commented by apakaba at 2007-02-13 15:11
それを、重松さんがうまくお話していました。
http://apakaba.exblog.jp/m2004-09-01#570435

そのときの話

中学生は、自分に初めて、「失望」を覚える年だと。
自分に失望をたくさんして、一息に絶望にまで落ちていかないように……って。
いい話だったな。


<< 文学へ寄っていけ。『夢十夜』朗読      京都へ一人旅するオレ←「アキタ... >>