2004年 10月 13日
東京六大学野球の観客数が減り続けているという記事が、今日の日経夕刊に出ていた。 私が東京六大学のはしくれの学校に在籍していた当時は、神宮球場へよく行っていた。 試合開始よりずっと早くから入場し、応援部のリードで、学生席全員が相手をくさす応酬をする。 たとえば早稲田対慶応のカードで慶応から呼びかけ始めるとしたら、 「おーい、ワセダ〜」 と呼びかけ、呼ばれたほうは 「なんだ〜」 と答える。双方、声を張りあげている。 「野球では負けても、チアリーダーのかわいさは、こっちが上だぞ〜」 「おーい、けいお〜」 「なんだ〜」 「くやしいが、そのとおりだ〜」 早稲田対明治だとしたら、 「おーい、ワセダ〜」 「なんだ〜」 「オマエたち、アタマでは勝ってるんだから、野球くらい、オレたちに勝たせろ〜」 「おーい、めいじ〜」 「なんだ〜」 「くやしかったら、勉強して入れ〜」 「おーい、ワセダ〜」 「なんだ〜」 「それだけは、いわないでくれ〜」 などと、応援部の即興で、時に自虐的、時にきわどいジョークでやり合う。 さんざん声を上げて、気分を盛り上げてきたところへ、満を持して選手たちがグラウンドへ出てくると、ウワァーッと大歓声。 スター選手がいれば大拍手だ。 70年代までの球界の輝きはないものの、私の在籍時には、早稲田に小宮山投手がいて、立教に長嶋一茂がいて、それなりに盛り上がっていた。 ボール紙で作ったサンバイザーやメガホンなどの応援グッズを身につけたまま帰りの電車に乗っていると、いろんなおじさんから 「オッ、野球か?どっち勝った?」 と尋ねられた。 私は愛校心のはなはだ薄い人間だから、卒業したら二度と大学野球には行っていないし、箱根駅伝とかラグビーとかも興味がない。 あのころ、一般席にどれくらいお客が入っていたかなんて、まるっきり思い出せない。 ただ、学生には学生だけがぞんぶんに騒げる場が用意されていて、安い娯楽を満喫していた(学生席前売り一枚500円)。 そういう場をいまの学生たちが離れていることをさびしく感じる。 それもノスタルジーなんだろうけど。 いまの学生はいまの学生なりに、どこかでなにかしら、騒いでいるのだろう。 学生は集うとやかましいものなのだ。 社会へ散る前に、騒げ騒げ。
by apakaba
| 2004-10-13 11:02
| 思い出話
|
Comments(0)
|
アバウト
以前はエイビーロード「たびナレ」や「一生モノ https://issyoumono.com/」などでウェブライターをしていたが今は公立中学校学習支援教員のみ。 子供のHNは、長男「ササニシキ」(弁護士)、次男「アキタコマチ」(フランス料理店料理人)、長女「コシヒカリ」(ライター・編集者) by 三谷眞紀 カレンダー
ご案内
直島の旅行情報 blog links (エキサイトブログ以外) 彼の地への道すがら 三毛猫日記 ムスリムの女たちのインド 王様の耳そうじ 細道 紀行地図へと続く道。 「いい子」をやめたら人生がきらめく! greenmanbaliの日記 すきなものだけでいいです Avance(アヴァンセ)でいこうっ ライオンシティからリバーシティへ カテゴリ
全体 映画・ドラマ 歌舞伎・音楽・美術など 生活の話題 子供 国内旅行 旅行の話 ニュース・評論 文芸・文学・言語 健康・病気 食べたり飲んだり ファッション ベトナム2023.3 ソウル2022.11 思い出話 サイト・ブログについて 1990年の春休み 1990年の春休み.remix ver. 香港・マカオ2006 シンガポール2010 直島旅行2010 バリ&シンガポール2011.1 香港マカオ2011 香港2011夏 バリ&シンガポール2011.11 台北2012 家族旅行香港マカオ2012 ボルネオ 台湾2013 ヨルダン・シリア1998 イスラエル1999 エッセイ フランス インド2000 香港2013 スコットランド 大腸がん闘病 ソウル2023.1~3 シンガポール2023 台北旅行2023 未分類 最新のコメント
ライフログ
お気に入りブログ
Tatsuo Kotaki 草仏教ブログ ガタム ( ghatam ) 子供部屋 紅茶国C村の日々 梟通信~ホンの戯言 みんなのヒンディー語教室 勝手に僻地散歩 Atelier Kotaro SALTY SPEEDY シニアバイクマンⅡ FC2ブログに移転しました 旅行・映画ライター前原利... 塩と胡椒 いいあんべぇブログ 折原恵のニューヨーク写真... ブログパーツ
以前の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||