あぱかば・ブログ篇

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2007年 04月 12日

マグナムが撮った東京——本当の東京は、此処にあったか?

東京都写真美術館で開催されている展覧会“TOKYO”マグナムが撮った東京へ行ってきた。
マグナムの写真展へは、昔から、開催されていればたいてい行っている。
今回はテーマが“東京”だ。
“日本”の正統的継承者としてとか、ジャン=ポール・エヴァンで買い物して、考えたとかつづけて書いたりして、最近、日本の都市である東京のよさって、なんだろう?と考えてもいた折だった。

1950年代から、2005年までの東京を、マグナムのメンバーが撮っている。
時系列に並んだ写真を、
「これは……東京が力を失っていったのか、マグナムが力を失っていったのか、その両方なのか」
……と苦しい気持ちで見ていった。
50年代、60年代までの作品は、「此処だ。ここに東京がある。」と思わせた。
それが、時代が今に近づくにつれ、急速に写真は吸引力を失う。
ブレッソンではないが、あんなに“決定的瞬間”に充ち満ちていた東京の街角は、手法の新しさや、感覚の新しさを以ても補えないほど、つまらない街になっていた。

なんだか、国立新美術館のこけら落としの展示を見たときと同じ感想(記事こちら)になってしまった。
時代が下るにつれ、魅力がなくなる。
そしてつくづく、キャパはすごかった、デビッド・シーモアはすごかった、ブレッソンはすごかった……と懐古的にならざるをえないのだった。
あの当時の東京の街が写真を撮らせていたのか、当時の真に力のある写真集団が撮ったからこその写真だったのか。どちらなのだろう。

なんだろう、世界全体が軽くなっているのかな?
それでも、見に行く価値はある展覧会だと思う。
戦後日本の“東京”(今はどこにもない東京の姿)が、此処にあると感じられる。

by apakaba | 2007-04-12 23:31 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(8)
Commented by のこのこ at 2007-04-13 10:10 x
いや、世界全体が軽くなっているわけでは決してなく、やっぱりパワーのある町に行けばパワーがあるでしょう。
それはこう、全体にみなぎっていて覆いかぶさって飲み込まれそうななんともいえないパワー。

私も東京にもう少し町のパワーを感じればうだうだ言わないかもしれないですねぇ。
新しい建物や新しく開発されたエリアも特に別にパワー感じないし、なんかこうよそゆき顔でただ閉塞感と病んだ空気ばかりがみなぎっていて。
それでもどうでしょう。一時のような人の目がみ~んな疲れたような死んだような、ってのはなくなったような気がしますが。 
疲れちゃいないけどなにかとやたらに「個人的」になった気がするなぁ。
やっぱ、つまんない。(毎度東京こてんぱんですみません)
Commented by apakaba at 2007-04-13 13:10
東京の人間が、「ぜんぜん、うれしくないんですけど」って思っているからダメなんだろうな@再開発とか。
でも結局は住む地域がしっかりしているかどうかだと思う。
私が東京の前に住んでいたところはずっと田舎で自然がいっぱいで、ザリガニやカブトムシも捕れました。
こっちに越してきたころ、4年生だった「ササニシキ」がザリガニを平気でつかむのを見て、こっちの子供たちは仰天したの。
でも、私はもとの家には決して戻りたくない。
今の東京のこの地域に住んで、子供を育てたいと思っているの。
肌に合うかってことなんだろうな。
マクロで東京を見ているか、友だちと関わって生活していく目で見るかでも、印象は変わってくるんだろうなーと。
Commented by ogawa at 2007-04-13 23:06 x
パリ、リスボン、イスタンブール・・・21世紀になっても
私を引きつける街です。
それは歴史の重さや華やかさが人を引きつけるのかな。

ふりかって東京。
マグナムという凄腕集団にかかっても、色褪せた街になってしまったのか・・・

この写真展を見るために東京に行ってもいいな。
Commented by apakaba at 2007-04-14 07:05
おこしやす。併設カフェにベルギービールの品揃えのスゴイとこがあってうひょひょです!
お土産ショップの奥に、メイプルソープが撮ったシンディー・シャーマンのポートレイトがかけてあって、それにはいつも見入ってしまいます。

前のレスにかさなるけど、街を見る、ときに、どの視点で見るかというのも重要なんだろうと思う。
よそ者、旅の者として見るか、生活者として見るか。

でもマグナムの圧倒的知性も、どうも小粒になっているような気がしてならないのです。
Commented by キョヤジ at 2007-04-14 15:28 x
>この写真展を見るために東京に行ってもいいな。

おいでませ。
付き合いまっせー。
Commented by apakaba at 2007-04-14 21:59
バカねogawaさんはあたしと行きたいのよ。
Commented by suze(mon) at 2007-04-18 00:01 x
写真展、行ってきました。
確かに、展示を時系列で進んでいくごとに、東京というまちのパワーが弱くなっていくように感じたのは事実。
でも、1980年代の写真を見て、考えることがありました。
当時は高校生。東京のまちが軽薄に見えて仕方なかった時代。
でも、今見返せば、それなりにパワーがある時代だったのかな、と思えるようになりました。今のまちと比べると。

東京の歴史ある素敵なまち並みや建物が消えていくことに、どうしようもない怒りや諦めを感じることが多いのですが、東京って結局そういう街なんだな、と、この写真展から感じました。
20年後、マグナムが撮った現代東京の写真が、どのように見えるのかな。
Commented by apakaba at 2007-09-27 19:49
げー。
suzeさん宛レスをしていなかったことに気づく!
今さらごめんなさい。トシかなあ、今まであまりレス忘れたことなかったのに。
この写真展のことは、半年経った今でも思い出すことがありますね。
そういう展覧会は成功なんだろうな。


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