2007年 06月 16日

Coyote7月号 ジプシーの旅立ち

一週間前に、カメラマンの三原久明さんからメールをもらっていた。
「インドのラジャスタン州を取材した記事が、現在発売中のCoyoteで巻頭特集になっている。今回は質・量ともに満足のいくものになったと自負している。ぜひ見てほしい」
というものだった。

返信は買ってみてからにしようと思いながらなかなか書店へ行けず、やっときのう、7月号を手にすることができた。
50ページの大特集、よく撮れています。
子供のアップの目の中に、いたいた。三原さん、お元気そう。

メインサイトに載せている旅行記の中に、私が一番気に入っている2000年のインド旅行記が入っている。
インドで、偶然が重なって知り合った日本人の一人が三原さんだった。
作家の謝さんともそのときに知り合った。
ふたりはよく組んで、いろいろな雑誌の取材に出かけている。
三原さんとは、知り合った当初はよくメールのやりとりをして、ごはんを食べに行ったり、家に来て子供たちの写真を撮ってくれたりしていたが、ここ数年は疎遠ぎみになっており、年賀状のやりとりくらいだった。

それだけに今回の大きな特集と、自分の仕事に対する自信を深めている様子のうかがえるメールはうれしかった。

たたずむだけで絵になるインド人の老人。女。子供。青年。
暮れなずむ渇いた土地。
砂漠の夜、闇は人と人にとっていっそう親密、いや緊密なものとなる。
いい写真がいっぱい撮れている。
きっと、7年前に初めて会ったときと同じように、また
「取材テント、砂だらけだよぉ〜」
「ローティー(薄焼きパン)ぼそぼそだよ〜。早く肉食いてえよう」
とかブツブツ言いながらも、砂の中を這いつくばってローポジションで人を撮り、崖によじのぼってラジャスタンの街が一番美しい時間を、ねらってねらって撮ってきたのだろう。

謝さんの取材ノートは大好き。
緻密で、イラストがうまくて、見やすいばかりかこれだけですでに完成された芸術作品みたい。
このまま出版してと言いたいくらい。
特集記事は、やはり雑誌の限られたページ数のため、もう少したくさん読みたかったという気持ちだが、ジプシー発祥の地といわれるラジャスタンへの誘導としては十分に魅力的であった。
久しぶりに、インドへ行きたいという気持ちになった。
取材という縛りがあるのに、その中できっちり“いい出会い”をモノにする謝さんという人には、やはり旅人の嗅覚が備わっているのだろう。

知り合いが活躍しているのを見ているのは、純粋にうれしい。
私にはなにもすることがないが、こんな場でも使ってこれからも応援していきたい。

ところで、このCoyoteという雑誌を初めて買ってみたが、連載ものもレベルが高く、なにより編集長の巻頭言が秀逸である。
「犀の角のようにただ独り」というタイトルのフレーズは、まさしく『ブッダのことば』ではないか(拙メインサイトにレビューを書いています)。
本文中にさりげなく「寒さと暑さと飢えと……」と出てくるのは、『ブッダのことば』に収められている「犀の角」の段にある有名な句だ。
この巻頭言を読んで、「あ、ブッダのことばの引用だ」とピンとくる読者がどれだけいるのかわからないが、インド特集の導入を飾るにふさわしい、読者への目くばせだ。
読者に媚びず、これくらいの知識の下地を求めてくる誌面づくりをする雑誌は好きだ。
来月号はパリガイド。
行きもしないのに、ん〜、買っちゃいそう。

******
三原さんと謝さんのことはこのブログに何回も出てきます。
三原さん関連
暑中見舞いハガキとともにフランスを旅する
「打刃物職人」というムックを紹介します
「打刃物職人」を評してみる
「打刃物職人」裏話
謝さん関連
謝さんの新刊『藍の空、雪の島』
2006年に読んだ本、Best10!(その3)

ついでに、拙メインサイトでの2000年のインド旅行記中に、お二人がステキー極まりない人物として出てきます。
必読!まだ読んでない人、その箇所だけでも読みましょう!
これを機に、今すぐメインサイトのtraveloguesへ!マジだよ!

by apakaba | 2007-06-16 17:34 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(9)
Commented at 2007-06-16 18:18 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by apakaba at 2007-06-16 18:28
そうか!
ローポジションか!!
直そう直そう
Commented by apakaba at 2007-06-16 18:29
直した直した。
Commented by ぴよ at 2007-06-16 23:08 x
メインサイトのtraveloguesは全て読んでいますが、
とりあえず再読に行って来ます!んじゃっ!!
Commented by apakaba at 2007-06-16 23:52
きゃあありがとう。
あまりにも長いから、すべての人には「読んで」とはとても言えないのです。
でも「この人は」と思った人には、「読んで!」とごり押し(嫌がられる)。
長文を読むのが苦じゃない人でないと、連載って終わってしまうともう読んでくれないんだよね。
Commented by ぴよ at 2007-06-17 01:50 x
はいはい。再読終了~
エライ時間掛かった。この日記読んだからか?凄く時間掛けて読んだわ。

TさんとかNさん、今何してるんだろうね?
旅行先で知り合った人と、その後も付き合いが細々続くのって
色んな旅行記見て、ずーっとずーっと憧れてたんだよ。
ぴよはエジプトに行った時に知り合ったツアーメイトと
(所詮パックツアーだったんだけどさ)今でも仲良くしてます。
海外で同じモノを見て、同じ事を感じたり違う事を考えたりした人達と
その後も語り合えるってステキだ。

旅行記では丸山氏が比較的中心に書かれていたけど、
三原氏や謝氏に対する記述が、もうとにかく「この人達、大好きー!」
というパワーに溢れた文体で・・・そりゃー今も連絡を取り合う仲な訳だわな、と♪
Commented by apakaba at 2007-06-17 21:24
ゥアリガトウゴジャイマチュー!
あのボリュームだと、超斜め読みでも時間かかるよね。
旅先で知り合った人はたいていそのとき限りですねえ。
でもたまにそのあと何年も連絡する人もいますよ。
あのときの汚らし〜い私しか彼らの記憶には残ってないのね……と思うとつらい気持ちだが……
Commented by sora at 2007-06-18 05:20 x
謝さんの取材ノートいいですね~。Coyoteでは何回も謝さんのスケッチブックが登場しています。その度に僕もこんな感じで描ければ、サイトの地図ももっと面白く描けるのに・・。

三原さんの写真、よかったですね。ブルーシティに行ってみたい・・。
Commented by apakaba at 2007-06-18 08:38
soraさん、そんなこんなですっかり遅くなっちゃった
謝さんのノートってすてきですよね。
あんなふうに書けたら(描けたら)、あれだけで十分に宝物だわ。
私は毎年、返事も出さないくせに年賀状をいただいてしまうのですが、年賀状も取材ノートと同じステキな雰囲気なんですよ。


三原さんからはきのうメールもらいました。
ジャイサルメールには、人生最大にウマいカレー屋があったらしい……ううーむ行ってみたい!!
ジョードプールもステキですね。ピンク、ブルー、ゴールデンと、ラジャスタンの街は本当にすてき。
でも観光ズレは激しいみたい。
友だちもキャメルサファリに参加して、それはそれはいろんな目にあったみたいです。
それもこれも、ラクダに乗って、星空を眺めながら眠る夜を過ごすと吹っ飛ぶとか。


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