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あぱかば・ブログ篇

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2007年 09月 04日

番茶も出花、の大学入試

番茶に関する話題をきのう書いた。

今ではなんとも思っていないが、まだ今の半分も生きていなかったころ、「番茶」と聞くと悔しさがこみ上げてくる一時期があった。
大学入試を、6校受けて、5勝1敗、ひとつだけ落ちた学校の入試問題の解答にあった。

私にとって難関校ではなかったはずなのだが、始まってみると、解きながら「なんだかここの出題と相性が悪いな……奇妙な問題ばっかり出てくる。」と感じていた。
得意の国語が、ぜんぜんはかどらない。
偏差値からして合格できると踏んでいたから赤本なんてやりもしなかった。
徐々に焦り始めた。

古文の穴埋めで、
“鬼も十八、————”
後半の空欄箇所を埋める問題があった。
ん?“番茶も出花”?
でも……?

私の母は、このことわざをずっと“娘十八、番茶も出花”と言っていた。
“鬼も”という言い方は一度も聞いたことがなかった。
だからとまどったのだ。
女の子は年頃になれば、器量がたいしたことなくったってかわいく見えるの。
そういう意味。
若いってそれだけですばらしいことなのよ。

あれ?どうしよう。
娘……だったよね。
鬼も……なんて聞いたことない。
べつのことわざ?
いや、でも、それにしては似すぎているし。
きっと醜い鬼も、お年頃にはそれなりにかわいらしく見えてしまう……ってことで、“娘”とも“鬼”ともいうんだろう。

冷静にそう分析する自分が、なぜかそのとき
「ちがうちがう、“娘”に決まってる。“娘”しかありえない。だからつづく言葉は“番茶も出花”じゃない。わからない、私には。なによこの奇問。わかんないよ。落ちるかも。」
と、相性の悪さにいらだっていたもう一人の自分に負けてしまったのだった。

試験は水物だ。
べつにその1問だけの失点で落ちたとは思っていない。
他にもたくさん「わかんない。なんだかここってヘンな出題。」とイライラする問題があり、次々と失点していったのだろうが、忘れられなかったのが“番茶も出花”の1問だった。
あれを空欄で出したとき、「ああ落ちる。負ける。」と予感したのだった。

今となってはいい思い出だ。
あのとき、とまどい、苛立ちにもじもじしながら、得意なはずの古文の問題に負けを予感した自分が、まさに18歳だった。

by apakaba | 2007-09-04 23:52 | 思い出話 | Comments(13)
Commented by キョヤジ at 2007-09-05 13:15 x
で結局、鬼も十八・・・に続く言葉は何だったのでしょうか?
気になるのん。
Commented by apakaba at 2007-09-05 13:18
番茶も出花にキマッとるじゃろーがよーっ!!
常識じゃろーッ!!
Commented by キョヤジ at 2007-09-05 13:24 x
>常識じゃろーッ!!

でも空欄。(笑)
Commented by apakaba at 2007-09-05 16:02
だから不合格。
Commented by K国 at 2007-09-05 18:49 x
分からなくてもそれらしい答えを書くのが得意なワタクシ、
カンを信じて迷わない、欠点だろうが何だろうが試験は好きでした。
授業より楽ですもん。
一級建築士の製図の試験、一度落ちて次の年のラストチャンスは
さすがに震えました。以後緊張した試験はないな。
Commented by sora at 2007-09-05 20:45 x
聞いたことない言葉ですねぇ。。。国語苦手だったもので・・。

一浪して志望大学に入学できたのですが、共通一次(マキさんはわかるよね?)は手が震えた。それ以上に自己採点でもっと手が震えた。
近所の甲州街道沿いの大学。2次試験も勿論緊張。
第一志望の大学だけ自分の目で合否を見たかったので、無理言って広島から母親と上京。
TVでは胴上げするシーンとかやってて、それを想像したのですが、誰一人いない。??昼過ぎに行ったからかな。で、掲示板で番号を探すも無い!補欠に無いか?もう焦りまくった。
で、母が「あったよ~」って。僕は見落としていた。
誰もいない校舎の隅で雪が降る中、母親と一緒に泣いた。

受験戦争ってどうよ!って思ったりしますが、後にも先にもこれほど頑張った時はなかった。。
Commented by apakaba at 2007-09-05 23:05
受験レス。
K国さん、たまに人から試され、判定されるというのは緊張感を保つのにいいでしょうね。
人から判定されない暮らしをずーっと送っていると、自分にどれだけ能力があるのか(ないのか)わからなくなってきますよね。

soraさん、すごくいい話だ。
こういう話を読むと、すでに私など受験生の気分ではなく、母の側の気分だわ。やーん息子が再来年に大学受験じゃーん。
でも、気持ちが逸っていると、番号が見えなくなりますよね。
それもわかります。ウンウン
Commented by ぴよ at 2007-09-06 09:28 x
へえーーーーー!
ぴよも「娘十八」って親から教わったよ。
この諺って学校で習ったっけ?その時って「鬼」だったのかなぁ?

ぴよもK国さん同様、全然答えが判らなくても解答欄が空白なのは見ていて気持ちが落ち着かないので、何でもいいから適当に書いちゃうタイプ。
でもK国さんと絶対的に違うのは、適当に書いた答えが合ってたためしがないって事ですかね(苦笑)
Commented by apakaba at 2007-09-06 12:53
一応、書いた手前の責任として検索張っておきました。
http://oshiete.eibi.co.jp/kotaeru.php3?q=1070103
どっちも言う……ということのようですね。
本文中は古文での出題だったので、「鬼も」のほうが古いんだと思う。
鬼ってどうなのよというところから「娘」に言いかえたんじゃないかな、と推測。
Commented by kaneniwa at 2007-09-06 20:18
相性の悪い学校は、入らなくて良かったじゃないですか?

傾向と対策ということがありますが、とくに以前は私立大学の
傾向のようなものにはものすごい幅のようなものがあったと
思います。

赤本(その学校の過去の入試問題集)は、直前に模擬テストの
ように使っちゃいましたが、半年前にやっておけば、あまりにも
自分と相性の悪い学校へ受験料を納めずに済んでいたのにと
思ったものでした。

BYマーヒー
Commented by apakaba at 2007-09-06 22:04
マーヒーさん、そんなわけで次回お越しの際は、ゼヒ一声。
杉並区民ですから!お待ちしてます。

素直な問題を出してくる学校には好感を持ちました。
明らかに「落とすための試験」という問題を作る学校もありますね。
それにも耐えなければならない、あー受験生って大変だなあ。
Commented by のこのこ at 2007-09-07 00:32 x
相性のいい出題・・・といえば私が入った大学がそうでした。
大の苦手な英語の長文読解で出たのが内容がインドに留学した日本の学生の話で・・・。
面白い話で実力以上にすっと頭に入ってきたんですね。

偏差値は低い大学だったけれど、私にとってはがんばらないと受からないレベルだったし、どうしても入りたいと思っていたところだったので、すごいがんばって勉強したし、受かってとてもうれしかった!
今でも自分の母校大好きです。

受験ってがんばった人が受かるんだから、こんなに平等なものはないと思う。 
マキさんみたいにレベルが高ければ別だろうけど、私みたいなバカには頑張れば私にも道が開けるっていうのはとてもうれしいものなのですよ。
Commented by apakaba at 2007-09-07 07:35
その家の考え方によると思うけど、「受験」というのはそれなりに意義あることだと私も思っています。
だから子供には「推薦やエスカレーターではなく受験をしろ」と言っています。
それで落ちても、まあ、しょうがないよね。
集中的にぐわーっと勉強する機会って、ほかになかなかないし。
というか落ちることも大事。
私も大学受験では1敗だったけど、就職のときは30社くらい落ちたので、人に選ばれないつらさがよくわかるわ。


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