あぱかば・ブログ篇

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2007年 09月 29日

負けることを知る

小学校の運動会は、雨で明日に延期だ。
「コシヒカリ」は少しだけうれしそう。
勝負が一日延びた。
正確にいうと、負けるのが一日延びた。

学年から男女4人ずつ選ばれるリレー選手に、今年も選ばれた。
今年は4年生なので、1,2,3年の低学年ではなく、4,5,6年の高学年のリレーに出場する。
去年までは、第一走者ではなかったからなんとなく走っても目立たなかったが、今年は4年生から走り始める第一走者。
実力がはっきりと出てしまう。

「コシヒカリ」は、「今年もリレー選抜に選ばれたい!」とはりきっていて、選ばれたときは得意満面になり、朝練にも休まず行っていた。
ところが一週間くらい前から、だんだん暗くなってきた。
「わたしね、女子選抜4人の中で、一番遅いの。」
他のメンバーを聞いてみると、あとの3人は背がすらっと高くて、脚がコンパスみたいに長い子たちぞろい。
いかにも速そう。
「ああーそりゃみんな速そうだなあー。困ったねえ。」
「そうなの。だからイヤなんだ。今までの練習で、いつでも絶対にビリ。一度もビリ以外になったことがないの。だから運動会がいやだなあ。」
小学生になって初めて、「運動会がいやだ」と言い出した。

息子二人はたいして短距離走が速くないが、娘だけ私に似て、少し足が速いらしい。
私も、小学校から高校までいつもリレーに出ていた。
アンカーになっても何人も抜けたし、根が目立ちたがり屋なので、一番実力がはっきりわかりやすい第一走者になるのが好きだった。
……ということは、いま思えば、自分が“負けるかも”“ビリになって恥ずかしい思いをするかも”とは、ちらりとも考えたことがなかったということだ。
「まあ見てなって。」くらいしか、考えていなかったのだった。

だから、娘の浮かない様子を見ているとかわいそうになってしまう。
でも代わりに走ってやるわけにもいかないし、きのうは夫が
「まあお前、いろいろやってればそういうこともあるよ。なあ。勝負ってのは勝ったり負けたりするんだ。学年で4人に選ばれただけでも立派なもんなんだし。お父さんなんかリレーで走ったことなんか一度もないし、あいつら(兄たち)だってないんだぜ。それだけでもえらいんだからな。」
などと慰めたり励ましたりしていた。

あきらかに負ける戦に出て行く。
たかが学校の運動会、なんだけど、これもすごく大きな経験なんだなあと思う。
だって大人にとってはつまらない学校行事のひとつでも、小さい子供にとっては、本当に本当に大きなできごとだから。

私が高校卒業まで経験できなかった思いを、10歳の娘がもう知っていこうとしている。

本音を言えば、ぱあっと抜いて勝ってほしいが、練習どおりにビリになっても、いいじゃない。
「どうやっても勝てない」ということは、やっぱり、あるんだよね。
あとの3人とも、うんと仲のいい友だちなんだもんね。

by apakaba | 2007-09-29 17:57 | 子供 | Comments(5)
Commented by Morikon at 2007-09-30 01:15 x
仲の良い友達だからこそ、
余計に負けたくない気持ちもあるんでしょうね。
ま、他の3人が、いきなりスタートでコケる展開
という可能性もゼロではないし。
それで一着でも嬉しくないか・・・。

私も運動神経は人並みですが、足だけは速かった。
小学校~高校までは一回を除いてリレーのメンバーでした。
何歳の時にメンバーから漏れたかは覚えてませんが、
トラック内でなく観客席から眺めたリレーが
全く面白くなかったことはハッキリ記憶してます。
Commented by sora at 2007-09-30 06:49 x
今日も雨ですねぇ。喜んでいらっしゃるのかしら?
親御さんは大変ですね。弁当とかね。

すごくキモチがわかりますね。
勉強は直接「人に見られる」ことが無いけど、運動系、音楽のテスト系は人に見られるからね。「他人をより劣る」という感覚は辛いでしょう。
僕は運動系はよかったのですが、歌のテストがダメでして・・。
しかも出席番号がほぼ先頭に近いので、常に1番・・・。5、6年生のときに「たまには後ろからやってよー」って提案しましたが、どういうわけか、出席番号の若い番号のヤツラは気が小さいのが固まっている傾向にあり、怒号の中、却下された。
超嫌だった。声が震えてゆれてるしー。
Commented by apakaba at 2007-09-30 12:47
運動会レス。
あ〜早朝から大雨だよー。また延期だわ。
Morikonさん、昔自分が走っていると、いつになってもリレーって真剣に応援しちゃいますね。
自分の子供が出ていなくても興奮するし。
「ぎゃー、走りてぇー」とか思って。今実際に走ったら死ぬでしょうが……

soraさん、今日はのんびりさせています。
大量に炊いてしまったコメは、まあ、チャーハンですかね。
学校って、ときに残酷なことをさせるけど、やっぱりそれが社会へ出るための慣らしになっているんだなあっと思います。
競争のないオトナなんて、ねえ。
ひ弱じゃないの。
「あきらかに負ける戦」も、大事なんだろうなと。
関係ないけど音楽の歌のテストは私は好きでしたね。
ぎゃはは!やっぱり目立ちたがりなんだわ。
でも、「あがる」って感覚も、お金出して買うものでもないんですね。
あはは、ほんと残酷だわ学校って。
Commented by K国 at 2007-09-30 18:45 x
学校に行ってる時はリレーの選手など夢の夢。
しかし子供の運動会、田舎は子供が少ない為に親の出番が多い。
草野球とかしてたおかげで足は現状維持、長男の運動会が雨で月曜日に順延されて、弁当を食べに昼頃顔を出したら丁度親の地区対抗リレーの前だった、作業着のまま走らされて一人抜いてゴールした。
次の年から3人の子供が卒業するまで選手でした。
Commented by apakaba at 2007-10-01 15:49
作業着で走るところがかっこいいですわ。
一度かっこいいとこ見せちゃうと、ずーっとあてにされるんですよね。


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