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あぱかば・ブログ篇

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2008年 01月 03日

やっぱりASIMO!の大ロボット博

私は、ホンダの開発しているヒューマノイドロボットASIMOが好きだ。
ほとんどファンだ。
2001年に、初めてASIMOが誕生し、以降毎年のように少しずつ新たな機能が搭載されてきた。

もう5年ほど前になるか、日本科学未来館で、初めてASIMOのショーを見て度肝を抜かれた。
実際にASIMOを目の前にして、動くところを見た人でないと、あの感動はわからないと思う。
いくら映像で見ても少しも心を動かされなかったのに、静止していた実物が動き始めたとたん、目が釘付けになり、夢中になった。
あの重量感(最新型は体重54キロ)、滑らかさとぎこちなさが交互に現れる動き方、大人の人間よりちょっと小さくて、人間を見上げるようないじらしい姿勢。
まぎれもなく血の通わないロボットなのに、一目惚れだ。
こんなに惹きつけられるとは、自分でもびっくりした。
六本木ヒルズで3年くらい前に、フラダンスを踊っているASIMOも見た。
「きゃあASIMOだー!ASIMOー!踊ってるー!踊ってるー!」
と、そのときも大興奮した。

みたび、ASIMOを見る機会が巡ってきた。
夫が上野の国立科学博物館で開催中の「大ロボット博(特設サイトこちら)」の割引券を持っていて、「行くか?」というので「行くーっ!」と即答。
子供もつきあわせ、5人で行ってきた。

やっぱりASIMO!の大ロボット博_c0042704_1963010.jpg


入り口には長蛇の列。
入場まで50分待ち、でもASIMOのためにがんばる。
入り口に置かれたD51。

やっぱりASIMO!の大ロボット博_c0042704_20341850.jpg


やっと入場しても、ASIMOまでの道のりは遠いのだ。
第1会場と第2会場に分かれていて、第1会場にはいろいろな会社や大学の研究開発しているロボットが展示されている。
ガンダムやマジンガーZのフィギュアなどもどっさりあった。

これはトヨタの開発しているヒューマノイドロボット。
人口唇(クチビル)でトランペットを吹く、二足歩行型ロボットだ。
でもASIMOの魅力には遠く及ばない。
トヨタは完全にロボット開発でホンダに後れを取っているなあ。
トヨタって、クルマ作りでも同じ姿勢だけど。
ちょっと後発して、他の会社の作ったクルマのいいとこを取って改良して派手に売り出すという……おっと今日はクルマの批判をしに来たのではない。
第1会場の展示物はほとんど素通りして、第2会場であるASIMO館へと、またひたすら並ぶ!

やっぱりASIMO!の大ロボット博_c0042704_20473868.jpg


パチパチパチ!
やっぱりナマASIMOには感動する!
映像だと、映画を観ているような気分でリアリティーに欠けるのだが、ホンモノはやっぱりいい。
新機能を次々に披露する。
ひさびさに見るが、やっぱり実物はいいな。

2005年発表の新型ASIMOは走る。
走るASIMOを見てみたかった。
そしてそれを撮れるか……首尾よく子供用の優先席に座れた「アキタコマチ」、頼む。

やっぱりASIMO!の大ロボット博_c0042704_222515.jpg


撮れた!
走ってるでしょう!?
足がブレているのが、素早く動いている証拠。
ブレるのは、今までのASIMOにはなかった写真だ!
くるりと向きを変える旋回走行も見ることができて、ファンとしてはもう、感無量。

やっぱりASIMO!の大ロボット博_c0042704_22274616.jpg


午前中に家を出たのに、科学博物館を出たらもう日が傾いてきていた。
まともに見たのはトヨタと、ASIMOのステージショーだけ。
でも今日はASIMOを見に来たから、いいの。

ASIMOに、“未来”をまざまざと見る。
進歩するしか道のない、かわいいASIMO。
私が老人になるころまでに、ASIMOはどこまでのことをやるのか?
私の子供たちが老人になるまでに、どこまでやるのか。
私が老人になるまでには無理かもしれない、でも、私の子供たちが老人になったときには、一家に一台、ASIMOはいるのかもしれない。
一台ではなく、“ひとり”と勘定される存在になっているかもしれない。
ことによると、私がすごく長生きしたら、ASIMOが介護してくれるかもしれない。
ASIMOが、日常の話し相手になってくれているかもしれない。
「ありがとうね、ASIMO。あんたも立派になったね。あたしはあんたが誕生したばかりのころから、ずっとあんたを見続けてきたんだよ、そりゃあ夢中になって、常に生まれ変わるあんたを見てきたもんさ。」
なんて、話しかけているのかもしれない。
ひょっとして、孤独な老人となった私は、ASIMOにさびしい思いをぶつけているかもしれない。
「なによ!ASIMO、あんたなんかにあたしの気持ちなんかわからないんだから!バカ!バカ!」
なんて、ASIMOの固いボディを拳で叩いて、すがりついて、泣くのかもしれない……
そのときASIMOは、私の肩を抱いてくれるのだろうか。
解読不能を意味する機械音を発して、私の激昂がおさまるのを、ただ待つのだろうか……

私がASIMOにここまで惹かれる理由は、こういう想像を働かせる、なにか危険な匂いをはらんだ機械だからなのかもしれない。
科学技術の輝かしさと、空恐ろしさを併せ持つ、唯一無二のロボット。
唯一無二でありながら、いくらでも複製可能な——不気味さ。

進歩するしか道のない、かわいいASIMO。
ASIMOの未来を見たい。
生きている限り、見続けたい。

by apakaba | 2008-01-03 22:44 | 歌舞伎・音楽・美術など | Comments(7)
Commented by kaneniwa at 2008-01-04 00:59
ロボットのワールドカップサッカーなら
日本はまず世界一でしょうね。
ブラジルやアルゼンチンに大差勝ちしてほしいなぁ。

でも、現実のサッカー(昨年末からの天皇杯)でも
HONDAはJリーグのチームを次々と倒して
ベスト4というのは素晴らしかったですよ。

BYマーヒー
Commented by ぴよ at 2008-01-04 03:20 x
愛知万博の時にトヨタパビリオンでトヨタが開発したロボットのショーは楽しませてもらいましたよ。
思い返すと・・・ホンダの方がロボットに関しては先手を行ってるのに愛知万博にホンダの企業館はなかった。
アレはやっぱり地元トヨタの圧力で出展出来なかったのか?

眞紀さんちは問題ないだろうけどさ、
ぴよんちなんて子供がいないから「ロボット介護」「ロボット家政婦」の実用化はマジで切望している状態なんですよ。
でも本当にぴよ達が死ぬ前にはそれが実現可能な予感?
ロボットもね、ずーっとその進化の過程を見ていると、まるで我が子の成長を眺めてる気分になりますよね。
Commented by k国 at 2008-01-04 08:44 x
正月のドイツ製のドラマで50年後の未来をやってましたが、人間を手助けするロボットの役でアシモが出てました。
ドラマの後半しか見なかったけど、暗い部屋に行くのにライトを持ってたり、子供がこっちを照らしてって言ったら照らしたりしてました。
存在感がありましたよ。
CMにもよく出てきますが動きが可愛いですね。
Commented by apakaba at 2008-01-04 16:33
ASIMOレス。
マーヒーさん、今年もよろしく。
高校対抗のロボット選手権なんかも、すごいものだなあと思いますよね。
ラグビーだと、学生が社会人を下すことはめったに起こりませんが、天皇杯だとJリーグが必ず勝ち上がるとは限らないところがおもしろいですね。

ぴよさん、うん、きっとトヨタはロボット開発でホンダに超〜後れを取っているからASIMOは呼ばれなかったんでしょう。
やっぱりASIMOのスターっぷりはすごい。

K国さん、人間くさいところがかわいくもあり怖いところでもあるんだと思います。
Commented by apakaba at 2008-01-04 16:34
みなさま>
100年前の黒人奴隷のようなことを、どんどんASIMOが引き受ける……
災害救助や、3K労働はみんなASIMOがやる。
人々はASIMOに「ありがとう」って声をかける。なんの抵抗もなく。
戦闘用に開発される。
走り始めたASIMOには、戦うならもう人は決して勝てないでしょう。
何十年も昔から人が想像してきた未来の形に、ほんの何年かでバーッと近づいて行っている。
「直立二足歩行型ロボットなんてあと100年は無理」と言われていたのに、この進歩のスピードはいったいなんなんでしょう。
ひとり、ホンダだけがそんなにすごいのか?
外国はそんなに後れを取っているの?
戦闘用ロボットはいつできるの?
ASIMOを見るとき、いつも「ブレードランナー」の、最後のレプリカントが息絶えていく屋上のシーンを思い出して、胸が締め付けられる思いがします。
Commented by 喜楽院 at 2008-01-04 20:47 x
驚いた。
想い入れが、暴走(失礼。)すると、
こういう思考の展開になるのか。
読み進むうちに、自分まで上昇してしまいます。
生で見たくなるなあ。

名作です。
永久保存版。
Commented by apakaba at 2008-01-04 22:38
喜楽院さん、ありがとうございます(褒めていると解釈するのだ)。
ナマASIMOを見たら、誰だって「思い描いていた未来」へあまりにも一直線にばく進していることに、喜びと恐ろしさを覚えますよ!
東西のSF小説・映画などがえがく世界へ一直線。
外国の悪いやつらが、悪巧みに絶対利用するはず!とかってさ。


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