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あぱかば・ブログ篇

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2003年 03月 25日

集まり散じて……大学の卒業式を思い出した

子供がかよう小学校の卒業式だった。
PTA現役員なので、私も来賓として出席した。

3月25日、卒業式。
子供たちの晴れやかな姿を見ながら、「記憶の底をくすぐる語呂・・・どうしてだっけ。」と考えていた。
それは、私自身にとって最後の卒業式の日と、同じ日だったのだ。

13年前の今日、大学の卒業式だった。
インド・パキスタン・ネパールをだらだらひと月半まわって戻ってきてみたら、すでに桜が咲いてしまっていて、袴姿は暑くてたまらなかった。
式後の謝恩会をすっぽかし、袴からお気に入りの青い着物に着替えて、なぜか青山かどこかのディスコ(当時ね)へくりだした。
クラスの友だち10人くらいといっしょだったかな。
もう忘れた。
なぜなら私は、そこをまたしても途中で抜けて、車で鎌倉の海まで行ってしまったからだ。

自宅が鎌倉に近かったから、海へは年中行っていた。
夏は泳がない。
5月か、9月の、ひとけのない、でも充分水温の高い日に、服のままよく海に入っていた。
だけどさすがに、着物じゃあね。
ぬるい風を受け、真夜中の海を眺めた。
隣にいる、4年間一緒だったクラスメイトと、「結婚することになりそうだ・・・」そのとき直感した。

「今日、卒業式に遅刻したでしょ。」
「寝坊した。人が一杯で、中に入れなくて、入口に立ってたよ。でもいいんですよ、オレは校歌を唄いに来ただけだからね・・・校歌斉唱には、間に合ったぜ。」
「集まり散じて・・・」
「そ、集まり散じて。」

私たちの大学の校歌は有名だけれど、三番まで知っている人は多くない。
しかしガクセイたちは、皆三番に心を寄せる。
すくなくとも、私の友だちはそうだった。
真ん中あたりに、「集まり散じて人はかわれど 仰ぐは同じき理想の光」という歌詞がある。
ひととき集まって、同じ時を過ごし、いろんなことがあって、それぞれの道へ散っていく、そのさまが「集まり散じて」という言葉に集約されていて、4年生の後半あたりからは、この三番がとくに皆の胸に沁みたのである。

小学校6年生の子供たちも、いまそれぞれの道へ散っていこうとしている。
地元の公立中学へ進む子も多いが、引っ越していく子や、私立中学へ進学する子もたくさんいるのだ。
今日の、笑顔でいっぱいだった卒業生と、13年前の自分のことを思い出し、較べるようなものでもないのに、やはりどこかに通いあうものがある気がした。
時がきて、
散る。
でもつながってる。たいせつな誰かと。

by apakaba | 2003-03-25 18:42 | 思い出話 | Comments(4)
Commented by 満腹ボクサー at 2007-02-20 12:11 x
2005-03-26 の「卒業シーズン」から飛んできました。

>隣にいる、4年間一緒だったクラスメイトと、「結婚することになりそうだ・・・」そのとき直感した。

そうそう、前にここを読んだときに、「ふーん、そうだったのか」と感慨にふけったものでした。
ちなみに私は、「この人だ・・・」と直感したすぐ後に、「私、来月結婚するのよ」と言われてしまったことがあります。私の直感は当たらないようです。
Commented by apakaba at 2007-02-20 13:25
もう2005年まで来たのかい。読破近しですね。
ここを読破したら、メインサイトですよ。膨大だよ。
また恥ずかしい話にコメントがつきましたね。
まあおたがいさまか。
Commented by 満腹ボクサー at 2007-02-21 11:34 x
前回書いた話は、直感が間違いであることにすぐに気が付かせてくれたからよかったけど、間違いに気が付くのに10年かかってしまったこともあります。歌舞伎町オーディションで歌った歌は、そのことを題材にしました。
Commented by apakaba at 2007-02-21 11:42
トホホ。
そんな話を聞くと涙なくしては聴けない。


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